1月17日のプレミアリーグ第21節、クイーンズ・パーク・レンジャーズ(以下QPR)対マンチェスター・U戦。降格圏に沈むQPRを相手にマンUは、アウェーでも積極的に攻めるのだが、相手の丁寧な、しかし着実なプレスに悩まされて、なかなかアタッキングサードにボールを運べない。
今シーズン、レアル・マドリードから約100億円というプレミアリーグ史上最高額で移籍したアンヘル・ディ・マリアも、この日はボールロストが多い。降格圏でもがくQPRを相手に、レアルやブラジル・ワールドカップで活躍した選手がボールを奪われる。簡単には想像できないが、やはりプレミアリーグのボール保持者へのプレッシャーや間合いがリーガとは違うことが大きいのかも知れない。

マンUがどんどんボールを動かしても、QPRの選手たちは基本に忠実にポジションを修正し、なおかつボール保持者にプレッシャーをかけに出て行く。ボールが回れば回るほど、ゴールから遠くなっていく。QPRはボールを奪うとショートカウンター。時には、チャンスから完全に崩しきっていなくてもミドルシュートを狙う。流れの中から数本決まったかに見えたシュートを防いだのは、ダビド・デ・ヘア。この日のマンUは彼がいなかったら勝てなかっただろう。それくらい試合内容は拮抗していた。
2つのチームに違いがあったのは、QPRにはデ・ヘアがいなかったこと。そしてQPRのシュートにもう一段の精度が足りなかったこと。試合の前節、1月11日。マンUはホームで4位だったサウサンプトン相手に0-1で敗戦。順位が入れ替わって自らが4位となり、サウサンプトンは3位に。
昨シーズン、レッドデビル史上最低の監督と揶揄されてシーズン終了を待たずに解任されたデイヴィッド・モイーズ監督に率いられたチームが、常連だったチャンピオンズリーグの出場権を逃したが、1995年以来の出来事だった。
モイーズが指揮した2013-14シーズン、第21節でのポジションは7位、勝ち点は37。今シーズンはルイス・ファン・ハール監督体制になったのだが、サウサンプトンにホームで敗戦した21節の時点では、勝ち点37。あれほど問題視されたモイーズ監督時代の同時期と勝ち点は同じなのだ。
確かに、ディ・マリアを初めとしてアスレティック・ビルバオからアンデル・エレーラ(約50億円)、サウサンプトンからルーク・ショー(約50億円)、アヤックスからブリント(約24億円)を補強し、さらにモナコからはラダメル・ファルカオをレンタルで獲得。これらの大型補強に約300億円近くを投入したことを考えると、現在の勝ち点数は一体何を意味しているのか。QPR戦では今シーズン8試合目の出場となったファルカオが先発したが、ゴールを記録できず。

攻撃陣だけを見ればプレミアリーグ最高の布陣が揃ったように見えるが、首位チェルシーとは勝ち点12と大きく離され、しかも5位には、週末にアウェーでマンチェスター・Cを破ったアーセナルが、僅か勝ち点1差で迫っている。
やはり思うにアレックス・ファーガソンが指揮官を勇退してからのマンUにとって、最も補強しなければいけないのは、守備陣であるはずなのだ。その部分に手をつけないと、本当に優勝争いは出来ないと考える。今シーズンも続けてチャンピオンズリーグ出場権を逃すようでは、解任の恐れがあるファン・ハール監督の心中は穏やかでないに違いない。
