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2014.11.07

監督解任を叫び続けたファンを静めたパーデュー/イングランド現地直送コラム

Newcastle United v Liverpool - Barclays Premier League
[写真]=Newcastle United via Getty Images

 寒さが厳しいイングランド最北端のプロクラブ、ニューカッスルを率いるアラン・パーデュー監督に不敵な笑みが戻った。

 現代サッカー界で日常茶飯事となった性急な監督交代が各地で行われる最中、プレミアリーグ開幕から7戦連続未勝利と不振に陥り、メディアだけでなくファンからも「明日朝解任」と叫ばれ続けたパーデュー監督が10月から真価を見せた。

 3分3敗で迎えた第7節にアウェーでスウォンジーと引き分けると、レスター(ホーム)、トッテナム(アウェー)、リヴァプール(ホーム)から3連勝を成し遂げ、リーグ杯16強でも昨シーズン覇者マンチェスター・Cをアウェーで撃破し、解任論を一蹴。リーグ順位も12位に浮上し、10月の月間最優秀監督候補に名乗りを上げた。

Newcastle United v Arsenal - Barclays Premier League
[写真]=Newcastle United via Getty Images

 パーデュー監督はアーセナルのアルセーヌ・ヴェンゲル監督(約18年)に次いで、プレミアリーグで2番目に長い任期(約4年)を誇る。2010-11シーズン途中から指揮を執り、最初のシーズンを12位で終えると、翌シーズンは下馬評を覆して5位と健闘。だが、続く2シーズンは16位、10位と低迷した。

 そして今シーズン、第4節でサウサンプトンに0-4で大敗を喫し、最下位となると、ファンからは解任コールが勃発。スタンドには「パーデューの首を切れ」というプラカードが躍った。しかし、そこから3勝2分1敗という成績で、勝ち点11をもぎ取ると、ハロウィンの翌日に行われたリヴァプール戦では、死神のコスチュームで顔を隠したサポーターグループが「パーデュー、死から生還」というプラカードを掲げ、掌を返して歓喜した。

Newcastle United v Liverpool - Premier League
[写真]=Getty Images

 パーデュー監督はリヴァプール戦後、『BBC』に対して次のように語っている。

「ニューカッスルは今夜、お祭り騒ぎだろう。私も久しぶりに外出してしまうかもしれない。それがニューカッスルの良さだし、フットボールへの愛が息づいている。私は今のチームに良い闘争心と才能が溢れていると信じてきた。守備陣にも本来の強さが戻った。最も重要なことは一貫したプレーを見せる事であり、勝敗に影響されすぎないことだ」

 奇しくも、解任の厄はニューカッスルに敗れたリヴァプールのブレンダン・ロジャーズ監督にも飛び火したようで、リヴァプールの一部サポーター団体は「ブレンダン・ロジャーズ、出て行け」という最近流行りのバナーをチェルシー戦で本拠地アンフィールド上空に小型ジェットで飛ばすことを3日、ツイッターで発表。過去2戦で未勝利となったことで監督解任を叫ぶ声が物議を醸している。

Newcastle United v Liverpool - Premier League
[写真]=Liverpool FC via Getty Images

 さらには、ニューカッスルのお隣、宿敵サンダーランドも過去3試合で一挙11失点を献上する失態ぶりを見せており、2敗を喫して15位に低迷したことで、解任報道はグスタボ・ポジェ監督にも伝染した格好となっている。

 ニューカッスルは9日に行われる次節、アウェーでのウェスト・ブロムウィッチ戦に勝てば、一気に6位まで浮上する可能性もあるだけに、どん底から這い上がり、復調の波に乗るパーデューの采配にも注目が集まる。

藤井重隆(ふじい・しげたか)。

藤井重隆(ふじい・しげたか)。東京都出身。ロンドン大学ゴールドスミス卒。19歳からスポニチの英国通信員として稲本潤一選手の取材を中心にライター活動を開始。日刊スポーツ、時事通信を経て欧州サッカー界に精通。イングランド7部でのプレーも経験し、FAレベル2コーチング・ライセンス取得。現在も西ロンドンの社会人チームでプレーしながら、本場のフットボールに浸る。

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