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【独占ロングインタビュー】“強かな錨”森重真人に芽生えた覚悟

2014.10.14

日本代表MF森重真人

[SAMURAI SOCCERKING 11月号増刊掲載]

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インタビュー・文=馬場康平 写真=新井賢一/兼子愼一郎

アギーレ・ジャパンの屋台骨たる4-3-3。その成否を左右する中盤の中でも、底に陣取るアンカーは最重要ポジションと言える。攻守におけるチームの心臓。森重真人はその重責を担うことに喜びを隠さない。 クラブで確かな自信を培いサッカーへの理解を深めた今、自らチームの柱となる覚悟も芽生えた。まだ前途洋々とは言えない。しかし、強かに成長を遂げた日本の錨は、大きな希望を持って新たな航路に挑まんとしている。
サムライサッカーキング11月号増刊に掲載された独占ロングインタビューを全文掲載する。

納得感を積み重ねる シーズンを過ごせている

――今シーズン、FC東京ではイタリア人のマッシモ フィッカデンティ監督を新たに迎えて戦ってきましたが、ここまでの戦いをどう捉えていますか?
「リーグの前半戦で出てきた修正点を中断期間中のキャンプなどで改善できたことが大きかったですね。それで頭の中も随分とクリアになりました。中断明け以降は、イメージどおりにプレーできていると思います」

――どういった点が課題だったのでしょうか?
「それぞれが新しいポジション、新しいシステム、新しい戦術に取り組んできました。選手の距離感や、全体のバランス、ポジショニングといった細かい点を修正する必要があったのですが、試合を重ねるごとに全体のバランスが向上してきたと思います」

――その中でどんなことを心掛けていましたか?
「とにかく一試合ごとにみんなで話し合って、状況に応じて出てきた課題を一つずつ潰していきました。それを次の試合で試し、うまくいけば納得し、また新たな課題に着手する。そうやって順序立ててチームを改善してきたんです。『あっ、これでいいんだな』という納得感を積み重ねるシーズンを過ごせています」

――確かに、チームビルディングという点からも《しっかりとした家》を建てている印象があります。クラブ史上最長となる連続無敗記録(第25節終了時点で13試合連続無敗)を続けていますしね。
「やはり1試合やるごとに、1週間トレーニングするごとに、自分たちが何かを得られているという実感が大切です。これまでのリーグ戦と、カップ戦の一試合一試合でしっかりと積み上げることができた成果が今の姿だと思います」

――フィッカデンティ監督との出会いによって、自分自身が変わったと感じることはありますか?
「より深くサッカーを考えるようになったと思います。相手の攻撃方法によってどう守るのか。例えば、カウンターを受けた時の対処法やリスク管理についても、今はチームとしてのスタイルや形を持っています。特に守備面で、監督が提示してくれる戦術、戦略が失点を減らす結果につながっていますね。攻撃陣と守備陣に分けて考えるのではなく、前線も含めてどうやって守るのかが明確になっている。だからこそ、良い位置でボールを奪い、そこからショートカウンターへとつなげることができるんです。まずはしっかりとした守備から、というスタンスで今シーズンを戦うことができていると思います」

――昨シーズンからキャプテンを務めていますが、心掛けたこと、または監督から求められたことはありましたか?
「開幕当初は、みんな戸惑っていました。フィッカデンティ監督が求めることが分かりづらかった部分もあったと思います。ただ、そこで疑問に思ったことは直接監督に聞いて、まず自分が理解した上でみんなに落とし込むという作業をしていきました。今は、それぞれがある程度理解して、分からないことがあれば選手一人ひとりが監督に直接聞くということができています。選手と監督でイメージを共有できていると思いますね」

――以前の森重選手は、そのようにチーム全体のことを考えるのは苦手だったと思いますが?
「だから、『まずは自分が理解しなければいけない』というところを出発点にしました。自分がしっかり理解できていれば、疑問を持った選手に対して、監督からだけでなく、自分からもアドバイスできますから。自分が分からない場合は、自ら監督に聞きにいく姿を周りに見せることで、『疑問に思ったことを聞いていいんだ』という雰囲気を作っていこうと考えたんです」

――監督と選手との距離を縮める役割を担ったわけですね。
「監督が選手の言葉に耳を傾けてくれるので、それは選手の側としてはすごく助かりました。監督も初めて日本のチームで指揮を執るわけですし、選手とのコミュニケーションも探り探りというところがあったと思います。当初はそれほど密にコミュニケーションを取れていなかったのですが、試合やミーティングを重ねるたびに、お互いを理解し合えるようになりました。だからこそ、チームも右肩上がりに成長できているんだと思います」

――そういうチームをまとめていく立場に置かれたことで、プレーや心境に変化はありましたか?
「やはり先頭に立つと、責任感が生まれますね。まず自分がしっかりできていないと、周りにどれだけ口で言っても、『お前がやっていないじゃないか』と見られますから。何事にも自分から率先して取り組まなければいけない。人に何かを伝えたり、指示を出すには、自分自身が自覚や責任を持って行動しないと周りもついて来てくれないと思うので」

――以前までなら、どちらかと言うと、そういう立場を《足かせ》だと感じるタイプだったのでは?
「そうですね(苦笑)。これまでは、人よりも自分と向き合うことのほうが多かったと思います。でも、そういう新しい挑戦をしたことも、僕にとってはプラスでした。それができたらまた成長できると思えたので、前向きに取り組むことができたんです」

――それが肥やしになって、実際に自分が成長できているという実感はあるのでしょうか?
「やはり、一人のサッカー人として、よりサッカーについて詳しくなれたと思うし、試合中の流れを読んだりできるようになったと思いますね。もちろん、一人の人間としても成長することができたと思っています」

――「それぞれがチームを引っ張るという自覚を持ってほしい」とも発言していましたが?
「自分自身、キャプテンになってみて初めてチームのことを考えるようになりました。今までは僕も自分だけのことを考えながらやっていましたが(苦笑)、チームを優先して考えるようになって、よりいろいろなことを知ることができたというか。サッカーの知識自体も増えました。そういった自覚を持った選手がピッチの中にたくさんいればいるほど、チームとしてまとまりが生まれてきますし、戦える集団になっていくと思うんです。役割を与えられないとなかなか難しいところはありますが、一人ひとりが責任感を持てば、もっともっとチームは良くなる。実際、今では流れが悪い時に、何で流れが悪いのかをそれぞれが考えるようになりました。どこを修正すれば、この流れを断ち切って良い方向に持って行けるのかを必死に考えている。もちろん、まだまだですが、考えられるようになってきている。ピッチの中でプレーする自分たちが気付き、考え、さらに修正できるようになれば、よりスキのないチームになれるはずです」

――残り9試合というところで、優勝争いも含めて今のFC東京の可能性をどのように見ていますか?
「中断明けからリーグ戦は負けなしが続いていますが、決して勝利が多いわけではなく、引き分けも多いですからね。負けないことは最低限の結果ではあると思うんですけど、そこからどうすれば勝ち切れるのかを考えていくべきだと思います。『負けていないからオッケー』ではなくて。勝ちと引き分け、今はどっちにも転ぶ状態にあります。それを勝ちにつなげられるようになるためには、今が一番重要な時だと思うんです。勝ち切るために、具体的に何が必要なのかはまだはっきりとは分かりませんが、それを一人ひとりが考え、練習から行動に移していかなければいけないんでしょうね。おそらく今シーズンが終わった時、誰もが『今年はある程度土台を作ったよね。じゃあ、来年はさらに良い成績を残そう』と口にすると思うんです。でも、それではいけない。僕たちは1年単位でどれだけの結果を残せたかが勝負。新しい監督を迎えて、新しいサッカーに取り組んだからといって、それは言い訳にはならないと思っています」

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アンカーは自分に一番合っているポジション

――さて、新たに発足したアギーレ・ジャパンですが、代表メンバーが発表された時、「このチームの中心になっていきたい」と発言したことを覚えていますか?あの言葉はあえて口にしたのでしょうか?
「そうですね。やっぱり、いつまでたっても《新参者》ではいけないなと思ったので。昨年7月の東アジアカップから約1年間、日本代表として戦ってきました。ブラジル・ワールドカップでも新たな戦力として下から突き上げるイメージだったんですけど、今回の代表は周りを見渡しても年齢的に若いし、初選出の選手も増えています。そんな中で、森重真人という存在は今の日本代表の中では常連のようなイメージができ上がりつつあるのかなと。個人的には、日本代表に選ばれ続けるのが目標であることに変わりはないんですが、一方で中心選手としてやっていかなければいけない年齢でもあります。そういう4年間にしないといけないと考えた上で、自分に言い聞かせる上でも、あえて言葉にしました」

――自らにプレッシャーを掛ける言葉を口にしたなと思いました。
「そうですね。今後も選ばれるかどうかは分からないけど、やっぱりそこを目指してやっていかなければいけないという自負もありますから」

――では、改めてブラジルW杯を経験して感じた課題というのはどのようなものだったのでしょうか?
「本当に、いろいろあります。個人的な能力の部分でも勝たないといけない、スピードも強化しないといけない、フィジカルだってそうです。それに個人戦術のところもまだまだ磨かなければいけない。本当にすべてが足りないなと痛感させられました。あまりにも課題があり過ぎますね」

――短期間でそれだけ多くの差を感じていたんですね。
「オリンピックやワールドユース(現U-20W杯)のようなアンダーカテゴリーの世界大会で感じたこととは、また違った印象でした。W杯はやはり世界最高峰の大会なんだと実感しましたね」

――では、なおさらコートジボワール戦1試合の出場に終わったことは不本意なのでは?
「そうですね。やはり1試合に出て感じた課題を、次の試合にぶつけたくてもそれができなかった。その場所がなかったというのが、ブラジルW杯でした。正直、1試合に出ただけでは、世界を知ることなんてできなかったと思います」

――悔しさが残ったことも収穫と言えるのでは?
「1試合も出られなかった選手は、それをバネにしやすいと思います。けれど僕の場合は、1試合出て感じた部分があったのに、モヤモヤしたまま消化不良で終わってしまった。そういう印象が強いですね」

――とはいえ一度でも、森重選手はその一線を越えたわけですから。その経験をしているか、していないかでは雲泥の差があると思います。
「そうですね。確かに、それは間違いないと思います」

――アギーレ・ジャパンではアンカーのポジションを任されました。FC東京でプレーしている本職のセンターバックではありませんでしたが、どのような気持ちだったのでしょうか?
「本音を言うと、あのポジションはクラブでも一度はやってみたいと思っていました。アンカーは自分に一番合っているポジションだと思っていたので。だから、代表で任せてもらえてやりがいを感じましたね。チャレンジしたいと思っていましたし、驚きよりも喜びが上回りました。個人的にはアンカーのイメージはできていたので、思っていたよりもすんなりとプレーできたというのが正直な印象です」

――驚きや緊張よりもうれしさのほうが勝りましたか?
「もちろん最初は驚いたんですが、ハビエル・アギーレ監督が『このポジションでもできる』と判断してくれたことに喜びを感じました。だからこそ自信を持って、しっかりプレーしようと思いました」

――少し古い話ですが、2010年に城福浩監督(現ヴァンフォーレ甲府監督)が4-3-3を採用して森重選手をアンカーで起用しようと考えていたことを覚えていますか?
「はい。自分自身も、世界に出るならあのポジションなのかなと考えていた時期がありました。だから、全く縁のないポジションではなかったので、楽しむことができましたね」

――城福監督は、森重選手が広島皆実高時代に、アンカーのような役割ですでにプレーしていたとも話していましたが。
「広島皆実高時代はボールをさばきながら、どちらかと言うとサイドに振ってゴール前まで出て行くようなプレーをしていました。今、アンカーで求められているプレーだとゴール前まで行くことはあまりないので、プレースタイルとしては少し違いますね。いずれにせよ、経験がものをいうポジションですし、そういう意味ではまだまだ改善の余地はあると感じています」

――一番ボールが集まるポジションでもありますしね。
「そうですね。背後からも相手のプレッシャーを受けるので、センターバックとは違った視野の確保を意識しなければいけません。でも、ボールに触れる機会が多いので、プレーしていて楽しかったです」

――そこにこだわってプレーしてきた選手でもあると思いますので、やりがいもありそうですね。
「でも、最近はずっとセンターバックとしてプレーしてきたので、日本代表のアンカーとしては経験値的にまだまだレベルを上げなければいけないと思っています。もっと経験が必要ですし、もっともっと勉強する必要がある。アギーレ監督の考えはまだ分かりませんが、与えられたポジションでしっかり結果を出すというのが自分のスタンスです。そのために一生懸命できれば良いのかなと思います」

――今シーズンから、所属するFC東京も4-3-3システムに取り組んできました。それを踏まえて、アギーレ監督のスタイルや考え方についてどのように感じましたか?
「システムについて言えば、僕自身はFC東京のイメージでプレーしています。でも正直、アギーレ監督がどのようなタイプのスタイルや考え方なのかを答えられるほどの時間を過ごせたわけではありません。9日間しか一緒にやっていないので、まだ自分たちも探り探りの部分がありますから」

――その中で「こんな監督だ」と思えたエピソードがあれば教えてください。
「練習中はかなりフランクというか、すごく対話を重視している印象は受けました。笑顔が絶えない感じのトレーニングだったので。だから思っていたよりも、フレンドリーな監督なのかなと。実際に接する前は、もっと厳格な印象があったのですが、意外にお茶目な人でもあるのかなと思いました」

――監督からアンカーのポジションに入る時に求められたことは?
「センターバックの間を出入りしたり、自分が一番後ろになったり、状況に応じたポジショニングは意識するように言われました。でも、そのぐらいですかね、指示を受けたのは。あとは自分で考えながら、それなりにプレーすることができたかなと思います」

――ウルグアイ、ベネズエラとの2連戦は1分け1敗という結果に終わりましたが、この結果に対する森重選手の評価はいかがですか?
「チームとしては、ほとんどぶっつけ本番というイメージでした。その点で言えば、良くもなければ悪くもなかった。失点は個人のミスからなので、チームがどうこうという問題ではないのが救いだったかなと思います。ただ、新しいチームができて9日ですから、まだ評価という点では何とも言えないというのが正直なところです」

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どのポジションでも常にスタメンを張り続けたい

――アギーレ・ジャパンの今後に期待していることはありますか?
「これから試合を重ねていく中で、FC東京でやっているように一つひとつ課題を摘出し、チームとして積み上げられるようになっていく必要があると思います。現段階では、チームとしてまだ挨拶を済ませた程度なのかな、という印象ですから」

――こういうサッカーをしていきたい、というイメージはできましたか?
「『まずは守備』というベースはあると思います。ただ、そうは言っても、しっかり後ろでボールをつなぐことも継続していくべきだと思うんです。主導権を握ることにも取り組んでいかないと。ボールを持たれている時はブロックを作って、奪ったら自分たちの時間を作る。そこは大事にしていきたいし、ショートカウンターという狙いも持っておきたい。その使い分けをチームとして目指していければ、良いチームになるんじゃないかと個人的には思います」

――今シーズン、J1リーグの開幕前にFC東京についても同じような話をしていましたね。
「そうですね。だから、何だか懐かしかったです。開幕前に行った香港遠征当時のFC東京を見ているようで。最初は『インサイドハーフの居場所がないじゃん』ってみんな戸惑っていたけど、『それ香港の時にヨネ(米本拓司)とケイゴ(東慶悟)も言っていたな』と思い出しながらプレーしていました」

――そういう意味では、FC東京の選手たちが感じたように、特に中盤の3選手はこれから考え、理解しなければならないことが多くありそうですね。
「やはり4-3-3の中盤の3枚は守備もできないといけないですからね。かつ、そこから前にも出て行かなければいけないので、運動量も求められます。それをFC東京では毎日練習して、慣れるまで半年かかりました。じゃあ、日本代表ではどうなるのか。そこは楽しみな部分でもあります。もちろん、他のポジションもそうです。例えばFWの3枚も守備ができる選手を置かないといけませんし、ワイドのポジションには今後、個人で打開できるタイプの選手も選ばれていくのかなと思っています」

――初戦のウルグアイ戦で足がつったのを米本選手が見て、「ようやく俺たちの苦しさが分かってもらえる」と言っていましたよ。
「足がつってピッチ外に出た時に、『ああ、後で絶対にヨネに言われるんだろうな』と思いながら足を伸ばしていました(笑)。交代した時も、ケイゴやヨネの顔が浮かびましたよ。交代しなければ良かったなって後で後悔したくらいです。でも、FC東京ではヨネを走らせますよ、後ろから『そんなの当り前だぞ』って。そこは遠慮するつもりは全くありません(笑)」

――今後どのような人選になるかは分かりませんが、アギーレ・ジャパンのアンカーとして常にファーストチョイスになりたいですか?
「それはもちろん、どのポジションでも常にスタメンを張り続けたいという思いでいます。選ばれるだけでは意味がない。それは1年間、日本代表に身を置いて分かったことです。今度はまた一からその戦いを4年間やっていくんだと思っています」

――これから日本代表が成熟したチームになるために、必要なことは何だと思いますか?
「成熟したチームになるためには、より多くの試合をすることが一番だと思います。例えば、自分たちがボールを持った時に出てくる課題もある。逆に、自分たちが全然ボールを回せなくて、ひたすら守備に回る試合をする機会もあるはずです。状況や対戦相手に応じた課題がありますからね。いくらトレーニングを重ねても、試合でしか分からないことがあるので、とにかく実戦を経験していく中でチームとしての経験値を高めていきたいです」

――クラブと違って、代表では多くの時間を過ごせるわけではありませんが?
「そこが逆に楽しみな部分なんです。FC東京ではこだわって、時間をかけて、ようやく形になったシステムですが、日本代表というのは各ポジションのエリートが集まる場所。戦術理解の高さや海外組の経験が、そういうところでどう生きてくるのか。どれくらいのスピードでチームができ上がっていくのか。僕自身も楽しみにしているんです」

――そういう意味では、若手選手の成長も欠かせません。同じ中盤でプレーした柴崎岳選手の存在については、どのように見ていますか?
「やはりゲームを組み立てる選手は必要だと感じました。今後も新たな選手が出てくるでしょうけど、4年間でかなり成長すると思います。そういう意味ではチームも4年というスパンで見ていかないといけないんでしょうね。もちろん常に結果は問われるわけで、成長と結果の両方を追い求めていくのは難しい挑戦だと思いますが、周囲の声に流されることなく、全員が一つの方向を向いていれば問題ないはずです」

――W杯も経験して、日本代表での活動が日常になりつつある中で、プレーの基準をJリーグではなく世界に置くことが必要になると思います。その点についてはどのように考えていますか?
「常に責任を持つことが重要になります。現状を打破するには日々の積み重ねしかないですから。また、その過程で目標や物差しを成長度合いに応じて置き換えて、次の課題に取り組むということをやっています」

――その判断基準に照らして、今の自分をどう評価していますか?
「必ずしも試合だけで評価するのではなく、日々の練習でどれだけ情熱を持って取り組めたかとか、気持ちを入れて練習できたかとか、そういった試合までの1週間を通して、善し悪しを評価していますね」

――現在27歳と成熟期を迎えているかと思いますが、プレーヤーとして意識したいことはありますか?
「やっぱり、まだまだ成長できるという思いで、とにかく毎日を積み重ねることが重要かな。フィジカルの成長もそうですが、頭の部分でもサッカーをより深く知りたいと思うので」

――昨年まではあまり目標を口にするタイプではなかったと思いますが、ブラジルW杯を境にあえて口に出して言うようになった印象があります。目標へのアプローチの仕方や取り組み方で変わった部分はありますか?
「根本的な目標の立て方とかスタンスは変わっていません」

――限られた競技人生の中での目標は?この先のビジョンについては、どう描いていますか?
「とにかく、今年はJ1リーグ優勝という目標を立てたので、そこに向かって毎日過ごしていくだけです。もちろん4年後という大きな目標もありますが、今は次の週末のリーグ戦に向けて毎日をどう過ごすかしか考えていないというのが正直なところですね」

――結局、毎日の積み重ねが次につながっていくと信じているんですね?
「そのとおりです」

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