2014.04.09

【インタビュー】FCトレーロス代表・平野淳氏「スペインは街クラブが本当に大きなパワーを持っている」

 3月に海外から3つの招待チームを招き、アミノバイタルフィールドを舞台に開催された小学生年代の国際大会『COPA PUMA TOREROS 2014 PRIMAVERA』。大会を主催したのは、Jクラブでもなければ、地域のサッカー協会でもない。FCトレーロスという一つの街クラブだった。その代表を務める平野淳氏に、この大会のこと、そして“街クラブ”が持つ可能性について話を聞いた。

街クラブから日本のサッカー界へ刺激を

――まずは『COPA PUMA TOREROS 2014 PRIMAVERA』が始まった切っ掛けを教えていただけますか。

「もともとサッカースクールを運営する会社(株式会社ファンルーツ)を立ち上げたときもそうだったのですが、サッカーを通じて子どもたちを交流する場、大会を作りたいというのは思っていたんです。そのときにはもう、できれば国際大会をやりたいとは思っていましたが、ノウハウもなかったですし、まずは国内の大会として始めようと。普段、街クラブの子はJクラブとなかなか試合ができないといった現状もありましたから、その交流になるような大会をしようと始めたのが最初ですね。それが2010年でした。2012年大会には韓国のチームを呼び、昨年はドイツと韓国、そして今年はドイツとスペイン、そしてカタールのチームを招くことができました。そうやって徐々に増やしてきて、“国際交流”を図りながら大会を行うという当初の目標がようやくかなってきたという感じですね」

――街クラブがこうした大会を主催するというのは異例なことのようにも思います。

「でも、スペインなんかでは街クラブが本当に大きなパワーを持っているんです。日本にもパワーを持った街クラブはたくさんありますが、子どもたちのために国際大会をやるとなるとなかなか難しい。では、Jクラブがやっているかと言えば、やっていない。JFAがやっているかと言えば、やっていない。その中で、街クラブである僕らがこういう大会をやることで、日本のサッカー界に何か少しでも良い刺激になればと思っているところです」

――実際、やられていての手ごたえはいかがでしょうか。

「『来年はぜひ参加したい!』なんて声をかけてくれるクラブもどんどん増えていますし、ちょっとずつ認知されるようになってきたなという感覚はあります」

「借金してでもやってやる」

――それにしても、会場を借りる費用も含めてかなりの負担に見えますが?

「そこは協賛企業の皆さんにも協力していただけていますし、随分と助かっています。僕は会社をやっていますが、この大会だけは別の思いもあって、『この枠の予算を集めるぞ!集まらなかったら借金してでもやってやる』という気持ちでやらせていただいています。そういう思いを持ってやっていると、不思議とどうにか達成できたりもするものですね」

――今大会、ご覧になられての印象はいかがでしょうか。

「それぞれ現地でいろいろなクラブを観て歩いて、『ここが面白い』といった部分を持ったクラブを選んで呼んだつもりです。実際に各チーム、いろいろな色があって、日本の子どもたちもすごく良い刺激を受けたんではないでしょうか」

――この隣の部屋も色が出ていますね(笑)。
(※注:インタビューを行った部屋の隣はエスパニョール(スペイン)の控え室で、陽気なラテンの音楽が終始流れていた)
「まさにそういう文化的なところを含めて、ですね(笑)」

――逆にヘルタ・ベルリンはドイツらしさを感じさせるチームです。勝利への執着心もすさまじいものがありました。

「そこが一番大事だとも思いますし、日本の子に一番足りていないところだと思います。彼らが技術的にとにかく上手いかと言えば、そうではない。でも戦術的にしっかりしていますし、球際は本当に厳しい。本当にドイツらしいチームですよね」

――いずれは、もっと大きな大会にという思いもあるのでしょうか?

「いきなり大きくしようというのではなく、1年に1チームずつ(海外招待チームを)増やしていきたいという思いはあるんです。だから来年はもう1チームくらい新たに呼びたいなと思っています。子どもたちのためを考えると、ぜひ中南米のチームとかを呼べればいいなと思ってはいます。実は『来たい』と言ってくれているチームもあるんですよ」

インタビュアー・川端暁彦