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チェルシーのマタがCL制覇に意気込み「欧州王者の称号を取り戻したい」

2013.09.17

during the Barclays Premier League match between Chelsea and Aston Villa at Stamford Bridge on August 21, 2013 in London, England.

[ワールドサッカーキング0919号掲載]

「目標はプレミアリーグで成功すること」。クラブの年間最優秀選手に連続で選ばれたここまでの歩みも、彼にとっては、まだまだ「成功」とは呼べないようだ。“王者”という称号への思いを、フアン・マタが語る。
フアン・マタ
インタビュー・文=ヴィクター・ヴァーゴ Interview and text by Victor VAGO
翻訳=阿部 浩 アレクサンダー Translation by Alexander Hiroshi ABE
写真=ゲッティ イメージズ Photo by Getty Images

「彼はどこへも行かない」

 開幕早々に迎えた大一番のマンチェスター・ユナイテッド戦に出場機会がなかったことで浮上したフアン・マタの移籍話を、ジョゼ・モウリーニョはそう一蹴した。そのプレースタイルから「指揮官の好みではない」という指摘もあったが、加入から2シーズン連続で2桁ゴールと2桁アシストを記録し、クラブの年間最優秀選手に選ばれた10番が、指揮官の言葉どおり「私にとってもチェルシーにとっても重要」な選手であることは事実だろう。

 新体制で迎えた今シーズン。マタこそが“王者への希望”となるはずだ。

欧州王者の称号を取り戻したい

――昨シーズンは満足のいく内容だった?

マタ 個人的には、まあまあかな。チェルシーの年間最優秀選手にも選ばれたしね。もっとも、チームとしては満足には程遠いシーズンだった。ヨーロッパリーグで優勝したけど、あれはチャンピオンズリーグ(CL)で敗退した結果の“残念賞”みたいなものだからね。僕たちは前年のCL王者。チームのステータスが一気に下がった感じだよ。今シーズンは欧州王者の称号を取り戻したい。

――チェルシーに加入して3シーズン目、この間、監督交代が4度もあった。

マタ 正直、監督がころころ代わると選手も困るんだ(苦笑)。でも、そんな状況でも、僕たちはCL出場権を獲得したし、トロフィーも手に入れることができた。すべてはみんなの努力の結果だよ。

――君がチェルシーに加入した当時の監督はアンドレ・ヴィラス・ボアスだった。彼は長続きしなかったけど、内輪揉めがあったという話は本当かい?

マタ それはない。メディアの言うことはあまり信用しないほうがいいよ。君もメディアの人間だけどさ(笑)。ヴィラス・ボアスはチェルシーのサッカーを哲学から変えようとしたけど、残念ながら結果が出せなかった。でも、彼は本当に一生懸命やってくれたし、僕たちは彼に感謝しているんだ。もちろん、僕自身もだよ。僕の移籍だってヴィラス・ボアスのおかげで実現したようなものだからね。ポジションを与えてくれたし、チームの一員として重要な役割も与えてくれた。この恩は忘れないよ。

――ヴィラス・ボアスの後任を務めたロベルト・ディ・マッテオの後、昨シーズンはラファエル・ベニテスが暫定監督として就任した。彼はこの「暫定監督」というポジションが不満だったようだね。

マタ ベニテスは実績のある監督だし、「暫定」といってもチェルシーの監督を務めたことは彼のキャリア上、なんの損もないと思うけどね。まあ、彼が本当に不満を抱いていたかどうかは僕には分からないし、この話はこれくらいにしようよ。

――では、現指揮官について聞かせてもらえるかな。モウリーニョがチェルシーに戻ってきたね。

マタ すごくうれしいよ。これで僕たちも本物のトップチームになれる。モウリーニョはクラブレベルであらゆるトロフィーを獲得している監督だし、僕たちもかなり期待しているんだ。

できればここでずっと暮らしたい

――君はクラブと代表ですべての大会に優勝しているけど、次の目標は?

マタ 「すべての大会」は言いすぎだし、まだまだ獲得したいトロフィーは残っているよ。まずは、プレミアリーグ。せっかくイングランドでプレーさせてもらってるんだから、このリーグで優勝を経験しなくちゃね。チェルシーでプレーできるのは光栄だし、毎日がとてもエキサイティングだ。でも、浮ついた気持ちじゃ何も達成できないから、落ち着いてトレーニングに励み、日々向上を目指しているんだ。今の目標はプレミアリーグで成功することだね。

――今シーズン、プレミアリーグでライバルとなるのは?

マタ マンチェスター・ユナイテッドだ。たとえ0-2で負けていても決して諦めず、最後まで力を振り絞り、最終的に勝利を収める、それがユナイテッドというチームだ。少しばかりボールポゼッションが低くても、彼らにそんなことは関係ない。ロビン・ファン・ペルシーやウェイン・ルーニーにボールが渡れば、必ずゴールを決めてくれるからね。

――CLのライバルはどうかな?

マタ 大勢いる。バルセロナ、レアル・マドリー、バイエルン、ユナイテッドもそうだし、アトレティコ・マドリーなんかもサプライズを起こす存在になりそうで油断できない。

――チェルシーはビッグクラブだし、クラブを取り巻くプレッシャーは相当なものだと思うけど、それでも君はマイペースでプレーを続けている。その秘訣は何だい? 集中力を持続するために特別に心掛けていることはあるのかな?

マタ 特に秘訣なんてないけど、毎試合、全力を尽くすことと、トレーニングを欠かさないことかな。日々努力を続けること、希望を失わないこと、そして、しっかり休むこと、この3つが重要だ。僕はプロのサッカー選手として、常にベストコンディションでいることを心掛けている。そういう基本的な“ルール”を守っていれば、極端に調子を崩すこともないし、それはピッチの中でも外でも同じだね。もちろんサッカーはチームスポーツだから、チームメートも大切だ。毎日長い時間を一緒に過ごす存在だし、互いに誠実であるべきだと思う。ロッカールームでの会話にストレスがなくて、お互いをサポートし合える関係がベストだね。チームメート同士の関係がしっかりしていれば、チームの強さも倍増する。チェルシーが良い例だと思うな。ジョン・テリーやフランク・ランパードを軸に、チェルシーには団結力がある。それに、クラブとして若手選手の育成にも力を入れてるから、将来も楽しみだよ。

――ロンドンの生活ですぐに慣れたのはどんな点? 逆に大変だったことは?

マタ 僕は新しいものが好きで、イングランドサッカーも大好きだから、ロンドンでの生活はとにかくグレートだよ! 「スペインに帰りたくない」って思っているくらい、ロンドンが大好きなんだ(笑)。できればここでずっと暮らしたい。大変だったのは、運転と言葉くらいかな。左車線ってだけでも大変なのに、渋滞にはまるともうお手上げ(苦笑)。どこに行くにも道が混んでいるから参っちゃうよ。もっとも、他に不自由は一切ない。チェルシーにはスペイン人もいるから彼らにたくさん助けてもらったし、同じ言葉を話せる友達がいるとリラックスできる。難点としては、スペイン語でばかり話していると英語が上達しないことかな(苦笑)。フェルナンド(トーレス)やセサル(アスピリクエタ)なんかとしょっちゅう話をしているから、なかなか英語が憶えられないんだ。

マタがキャリアを振り返るとともに、日本代表に言及。インタビューの続きは、ワールドサッカーキング0919号でチェック!

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