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シーズン終盤で得点を量産したハーフナー「来季への期待感が大きい」

2013.06.17

[ワールドサッカーキング0620号掲載]

ブラジル・ワールドカップの前哨戦となるコンフェデレーションズカップで、彼はどれだけゴールネットを揺らせるか? 2014年の本大会を「宝物」とすべく、ハーフナー・マイクは静かに野心を燃やしている。
ハーフナー・マイク
インタビュー・文=浅野 祐介 Interview and text by Yusuke ASANO
写真=樋口 涼 Photo by Ryo HIGUCHI

 時折、覗かせる笑顔からも、オランダで「充実の時」を過ごしたことが伝わってくる。

 2シーズン目のフィテッセで11ゴールをマーク。欧州主要リーグで2桁得点を記録したのは日本人選手として4人目の快挙だが、本人に言わせれば「たったの11得点」という結果だったようだ。一方で、ブラジルでの戦いに向けては「メンバーに選ばれなくては」と謙虚さも失っていない。

 ハーフナー・マイクが抱く“ストライカーの矜持”に、耳を傾けてみよう。

来シーズンへの期待感が大きい

――フィテッセでの2シーズン目を振り返ってみると、ご自身にとってどのようなシーズンでしたか?

ハーフナー 前半戦はいい結果が出ませんでしたが、後半戦は2試合に1点のペースで得点できたので、それが来シーズンにつながればいいと思います。成長できた1年だと思いますね。監督やスタッフも期待してくれて、アドバイスもたくさんもらいました。その中で成長して、しっかりと結果を残せた点は良かったと思います。

――前半戦は左サイドを担当したり、ボランチに近い位置でプレーしたりもしましたね。

ハーフナー 後半戦もあまり変わりませんでしたけどね(笑)。自分のポジションに今シーズンの得点王(ウィルフリード・ボニー)がいたので、他のポジションで起用されました。ただ、与えられたポジションで勝負し、なおかつ自分を出して、FWらしく点を決められればいいかなと考えていました。後半戦は主にトップ下でしたが、結果を残せたことは良かったですし、他のポジションを経験することで“違った風景”を見ることができたので、そういう意味ではプレーの幅も広がり、自分のサッカー人生にプラスになったと思います。

――日本では、長身の選手はセンターフォワードという印象が強い気もします。ただ、オランダは長身の選手が多いですし、その中で足元の技術を評価されたこともサイドでの起用につながったのではないかと思いますが、その点についてはいかがですか?

ハーフナー 足元はあまり自信がないですけどね。でも、他のポジションを経験して上達したと思いますし、監督が信頼して違うポジションでも起用してくれたことは自信にもつながりました。

――一方、前半戦を2得点で終えましたが、FWとして焦りはありませんでしたか?

ハーフナー 年明けのキャンプで「左サイドはやりたくない」とはっきり言いました。他の選手は監督にしっかりと自己主張をしていましたが、自分はそういう経験がなく、初めて自分から意見を言いに行きました。ただ、監督は「お前は違うポジションもできる」と、その言葉一辺倒だったので、「人の話を聞いてないな」と思いましたね(笑)。でも最終的には、違うポジションでも結果を残せたので良かったです。

――ハーフナー選手から見て、得点王のボニー選手は、どういう点で優れたFWですか?

ハーフナー とてもまねはできませんが、彼のパワーはうらやましいです。ただ、僕が彼のようなパワーをつけようとすれば動きが遅くなってしまうだけですし、それではあまり意味がないと思います。チームの同じポジションに得点王がいるというのは悔しい反面、すごいことだと思いましたし、「負けたくない」という気持ちもありました。でも、彼がいたことで自分も成長できたと思います。タイプは違いますし、彼のプレーはまねできないですけど、パワーだけでなく体の使い方もうまいので、その部分はよく見て学びました。

――フィテッセはシーズン終盤まで優勝争いを繰り広げ、快進撃を続けました。優勝争いの経験からどんなことが得られましたか?

ハーフナー いい経験ではありましたが、個人、チームともに悔いの残る1年だったと思います。フェイエノールト以外の上位陣からは勝ち点を取っていますし、下位チームからの取りこぼしがなければ結果もどうなっていたのかなと感じます。VVVフェンロとAZにそれぞれ2敗を喫しましたし、RKCなど下位のチームからしっかり勝利を収めていれば優勝も見えたと思います。優勝したアヤックスにフィテッセは唯一、2勝しました。アヤックスの黒星はその2敗のみ。もったいなかったですね。

――個人的には躍進という印象を持っていましたが、悔いのほうが強いんですね。

ハーフナー そうですね。下位のチームに対して、どこかに慢心があったのではないかと思います。

――そこはチームとして改善し、来シーズンにつなげていきたいところですね。

ハーフナー はい。ただ、今シーズンとはメンバーが大きく変わりそうですし、どういう1年になるかは始まってみないと分からないですね。

――センターフォワードで出場する機会も増えるんじゃないですか?

ハーフナー そうなってほしいです(笑)。もしセンターフォワードで出られたら、絶対にそれなりの結果を出さなくてはいけないですし、今シーズン以上の結果が求められると思うので頑張りたいです。

――来シーズンはヨーロッパリーグに出場しますが、意気込みはいかがですか? 今シーズンは予選で敗退してしまいましたが。

ハーフナー アンジ・マハチカラに敗れましたが、力の差を感じましたね。やはり本選に出たいので、くじ運が良ければいいんですが……。

――先ほど、ご自身の言葉にもありましたが、シーズン終盤は2試合に1点のペースで決めていましたし、「もう少しシーズンが続けば」という思いもあったのではないですか?

ハーフナー 前半戦で最初から出ていれば、もっと点を取れたと思います。そういう意味では、来シーズンへの期待感が大きいです。

ワールドカップについて、「絶対に立ちたい舞台」と語るハーフナー。インタビューの続きは、ワールドサッカーキング0620号でチェック!

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