FOLLOW US

杉森考起(名古屋U18/FW/新1年)|ユース教授オススメのピックアッププレーヤー

2013.04.12

類まれなテクニックと一瞬の速さを持つ名古屋U18の超新星に注目せよ!

杉森考起
文・写真=安藤隆人

 昨年のAFC U-16選手権(イラン)。準優勝したU-16日本代表において、チーム最年少の中学3年生ながら堂々たるプレーを見せたのが杉森考起だった。表情はあどけなく、体格も小柄。アジアの国々との試合ではフィジカルに勝る相手とピッチ上で対峙することで一際小さく見えるが、類まれなテクニックと瞬間的なスピードで、一回りも二回りも体の大きな対戦国の選手たちを大いに苦しめた。最大の特長は、正確なファーストタッチからどんな状況でも前へ仕掛けられるプレー。オフ・ザ・ボールの動きの質が高く、常に戦況を見ながら相手のギャップに入り、ボールを巧みに引き出してはドリブルで仕掛けたり、精度の高いラストパスを送ることができる。ポゼッションサッカーを掲げるU-17日本代表の吉武博文監督も彼の高い能力を評価し、代表メンバーに常時招集している。

 冒頭で述べたAFC U-16選手権での一番のハイライトは、U-17ワールドカップの出場権が懸かった準々決勝のシリア戦。79分、0-0の緊迫した状況で投入されると、わずか1分後に左FKからのボールを中央に走り込んでヘッドで合わせ、均衡を崩す先制弾を挙げた。「たまたま当たった感じなのでびっくりした。中で競る役回りではないけど、たまたま投入されたポジションの関係で、中に入っただけなんです」と、本人は偶然を強調したが、試合の流れに入るのが非常に難しい状況で、投入直後にゴール前のスペースを冷静に察知し、自らの判断で迷わずそのスペースに走り込んだ一連の動きはムダがなく、秀逸の一言だった。その後も攻撃のアクセントになり続け、2-1の勝利に大きく貢献。今年10月にUAEで開催される本大会行きの切符を手繰り寄せた。「シリアはスキがありました。裏とかギャップとか、スペースがたくさん空いていたし、相手も疲れていたので、もっと揺さぶることを意識しました」。中学3年生らしい外見と歳相応にない冷静なプレー。その大きなギャップをまさに見せつけた試合となった。

 U-17W杯出場に貢献した彼は、今年から名古屋U18に昇格。すでにチームの攻撃の起点として高田哲也監督からも高い評価を受け、U-17日本代表でも安定したプレーを見せている。これから先、あどけない表情はどんどんたくましくなっていくだろう。それと同時にプレーも一層磨かれ、大人への階段を上っていく。彼の成長ストーリーは、さらに加速して行くはずだ。

SHARE

LATEST ARTICLE最新記事

RANKING今、読まれている記事

  • Daily

  • Weekly

  • Monthly

SOCCERKING VIDEO