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【慶應スポーツ】全員で掴んだ完封勝利でベスト4進出!

2011.12.24

第60回全日本大学サッカー選手権準々決勝 (足利総合運動公園陸上競技場)
桃山学院大学 0-1 慶應義塾大学
[慶]=大塚(68分)
※公式記録はコチラから


決勝ゴールを決めた大塚

 強豪・福岡大を相手に見事な逆転勝ちを収めてから中4日。準々決勝に迎えるは関西リーグの王者・桃山学院大学。慶大は、ケガで欠場したMF日髙慶太(4年=桐蔭学園高)に代わり左サイドにMF藤田息吹(3年=藤枝東高)、ボランチにMF松下純土(2年=國學院久我山高)を起用。「チーム全体が一丸となって」(須田芳正監督)この試合に臨んだ。
 
 試合は序盤、両チームともに慎重な立ち上がりとなる。前半8分、中盤でボールを受けた河井が、PA左にポジションを取っていた大塚へパス。大塚のシュート性のクロスは相手DFにライン上でクリアされ、惜しくもゴールとはならない。その後も慶大は持ち前のパスサッカーで試合をコントロールしていくものの、中々チャンスを作り出すことが出来ずに前半を終える。
 
 迎えた後半、風が一層強くなる中で、追い風の助けを得た桃山学院大学も反撃を開始。11分にはロングボールをヘディングで落とし、ミドルシュート。これはバーに助けられ、ピンチを脱する。強風に加えて、劣悪なピッチコンディションも相まって、お互い思う様に攻撃を組み立てることが出来ない中、スコアが動いたのは23分だった。左サイドでこの日サイドハーフに入った藤田がボールを受けると、オーバーラップしていたDF黄大城(4年=桐生第一高)へパス。黄がPA内へと持ち込みゴール前のFW大塚尚毅(4年=滝川第二高)へとラストパスを送ると、これを大塚が流し込みゴール。待望の先制点が生まれる。


決勝ゴールをアシストした黄

 
 直後の24分には、FW風間荘志(4年=暁星高)が倒され獲得したPKをMF河井陽介(4年=藤枝東高)が外してしまうものの、依然慶大が優位に試合を進める。その後、相手に退場者が出て慶大は数的有利に立つと、試合は完全に慶大のものに。終盤、選手交代で状況を打開しようとする相手の攻撃陣を、DF笠松亮太主将(4年=東京Vユース)を中心とする守備陣がきっちり抑えることに成功。そのまま逃げ切り、1-0で勝利を飾った。
 
 リーグ戦でのチーム内得点王・日髙を欠いて臨んだこの試合。エースの離脱はかなりの痛手であったはずだが、その影響を感じさせない試合内容で勝利を収めた。準決勝の明治大戦では、DF松岡淳(3年=慶應湘南藤沢高)、MF森田達見(3年=川崎U-18)と2人の選手を出場停止で欠くことになるだけに、本当の意味での「総力戦」(須田監督)になることは間違いない。ソッカ―部が1年間追い続けてきた、日本一という目標まで残り2勝。歓喜の瞬間へのカウントダウンはもう始まっている。
 
 
【試合後コメント】
 ●須田芳正監督
―今日の試合を振り返って
「非常に厳しい試合でした。選手たちが、集中したディフェンスを見せてくれて、90分間本当によくやってくれたと思います。チームが一丸となっていたのが、この結果につながったのではないかなと思います」
 
―藤田選手を左サイドに回し、松下選手をボランチで起用した意図は
「松下は、レギュラーと全く遜色なくプレーできて、藤田は左サイドバックだったり、どこのポジションでも出来るので、そういったことで、二人を起用しました」
 
―桃山学院大の印象は
「トップの2枚は大きくてスピードがあって、そこから得点を重ねていたので、そこを注意しようと。それから左サイドバックの30番は、キックがとても良いので、そこからのクロスには気をつけようということは言っていました。それから、非常に真面目なチームなので、それ以上にひたむきに戦おうということを言っていました」
 
―相手のプレスが激しかったが
「非常に激しいプレスで、そこからミスも生まれてしまっていたのだけれども、その中で得点シーンはパスを繋いで、得点できたということは、評価できることだと思います」
 
―次の試合は松岡選手、森田選手が出場停止だが
「そうですね。ただ、総力戦という事は分かっていたので、痛いというよりは、新しい選手が張り切ってやるという事だと思うので、別に痛いとかかゆいとかは考えていないです。11人の選手だけでなくて、トップチームの選手30人のうち、誰が出てもいいようにしておけ、と言ってあるので、そういった意味で心配はないです」
 
―自分たちが日本一になるんだという話を、選手たちから多く聞く
「自立というテーマを掲げてやってきたんで、人に頼るな、自分で考えろということでそういう気持ちになってきたのかなと。ピッチ内外でそれを選手たちが実行してくれたのかなと。自分たちには100人の部員がいて、その総力戦で勝利を収められたのかなと。その中で、特に分析班というものが今日と前回の福岡大戦では特に大きかったですね。相手の長所、短所をきっちりプレゼンして選手たちが把握してから、試合に臨めたので、そこは大きいですね」
 
●DF笠松亮太主将(4年=東京Vユース)
―今日の試合を振り返って
「うちのやりたいサッカーは出来なかったですけど、セカンドボールを拾うことなどの最低限のことは出来たので、そこを徹底したことがこういう結果になったと思います」
 
―ディフェンス面の出来は
「最後の所の集中力は切らさなかったので、それはよかったと思います」
 
―ハーフタイムで意識したことは
「とにかく後ろは集中を切らさないことを意識しました。それと前半のままやっていても勝てないので、より強い気持ちを持つことを意識しました」
 
―PKを外す場面もあったが
「勝っていたので特に慌てることはなくて、落ち着いてやれば大丈夫だと思っていたので、動揺とかはなかったです」
 
―次戦は中1日だが
「とにかく回復することが一番だと思いますし、対策と言っても明治はお互い手の内は知っていますし、出場停止で出られない選手もいるので、そこの連携をもう一度確認したいと思います」
 
―次戦に向けて
「次負けたら今日勝った意味がないと思います。それに日髙や出場停止で出られない選手の想いというのもありますし、やっぱりもう一度みんなとサッカーがしたいので、とにかく全力で明治を倒したいと思います」
 
●DF田中奏一副将(4年=FC東京U-18)
―今日の試合への意気込みは
「総理大臣杯でベスト8で負けていたのでその壁を乗り越えようと自分の中ではすごい思っていたし、みんなとしては慶太(日髙選手)がシーズン通して救ってくれた場面が多かったんですけど(ケガで)出られないということで、国立に連れて行こうということで一丸になって。いないのは痛いですけど、それが一丸になれたもうひとつの要因だと思います」
 
―ベスト4に進出した今の気持ちは
「ベスト8の壁は越えましたけど、なってみるとそんな嬉しいとか満足とかという気持ちはないですね。とにかく国立に行くことを自分たちで勝ち取れるように。本当にチャンスだと思うので、そういう気持ちです」
 
―守備での奮闘が目立っていました
「試合を通して感じたのは笠松がホントに頼りがいがあるというか、横にいるから感じるのかもしれないですけど、ディフェンスのすべてを担ってくれてもちろんみんなやっているんですけど、すごい頼りになります」
 
―田中選手自身は
「今日はあまり貢献してないと思いますけど、本当に笠松に頼りっぱなしでした」
 
―風が強かったが
「ロングボールが怖いなというのがあって、環境的には良くなかったですけど、トーナメントでそんなこと言っていられないので色々工夫できてよかったです。そこが慶應の強いところだと思います」
 
―中1日という厳しい日程ですが調整は
「こういう中1日とかは色々経験しているので、しっかり準備してとにかく明治に勝つということを意識していきたいです」
 
―意気込みは
「次は慶應関係者も色々来て下さると思うので、4年間の気持ちを込めて戦いたいと思います」
 
●FW大塚尚毅(4年=滝川第二高)
―今日の試合を振り返って
「非常に風が強くてやりづらい部分はあったんですが、その中で守備陣がすごく頑張ってくれて、無失点におさえてくれたので、苦しい形ではありましたが、勝ててよかったです」
 
―悪いコンディションだったが
「風下の時は、ディフェンス時にはボールは伸びるし、風上の時は伸びないといった違いはあるので、ラインの押し上げなどを気をつけました」
 
―自身のゴールについて
「あの場面は黄がいいボールをくれたので、自分は決めるだけでした」
 
―日髙選手の欠場について
「やはり、慶太(日髙選手)はチームを引っ張ってくれた選手でその穴はでかいんですけど、今日入った純土(松下選手)もすごくよかったですし、今主力選手が抜けてピンチだとは思うんですけど、逆に慶太を決勝の舞台に連れて行ってあげようという一体感がすごくチームにはあるので、こういう試合が出来たんじゃないかなと思います」
 
―次は明治戦だが
「関東でも何回も戦っていて、お互い手の内は知り尽くしていて、気持ちの戦いなので、こちらが、相手よりも強いんだという気持ちで試合に臨みたいです」
 
●DF黄大城(4年=桐生第一高)
―今日の試合を振り返って
「二回戦ということで、また、風の強いこの天候でしたので自分たちのサッカーが出来なかったです。あと、自分たちでこの前の試合(福岡大戦)では立ち上がり早い時間で失点しているので、まずは立ち上がりしっかり入って、(失点を)ゼロで(抑えよう)という意識で試合に臨みました」
 
―今日の強い風の試合への影響は
「やっぱり自分たちのボールを動かすサッカーが、このピッチコンディションと天候でなかなか出来ず、更に相手が前からどんどんプレスをかけてきて。正直なところ今日は本当に自分たちのサッカーが出来なかったですね」
 
―決勝アシストも記録しましたが個人として振り返って
「前半はこのピッチと天候に順応することができず、正直何も出来なかったという感じですね。得点シーンはたまたまでしたね。それでも得点に絡めたことは評価していいんじゃないかと思います」
 
―桃山学院大の印象は
「自分たちが観たのは一回戦の自分たちの試合後の試合くらいしかなかったんですけど、やっぱり前線に良い選手がいて、アーリークロスとかも多くて、攻守の切り替えも早くてっていう印象でしたね。攻守の切り替えが早いっていうことは、ミーティングでしっかりと分析してたのでそこをまず上回ることを試合の中で意識しました」
 
―中1日で明大を迎える次の試合に向けて
「中1日っていうのは相手も変わらない条件ですし、全国で上に上がるには関東の壁というのは乗り越えなければいけないと思います。リーグ戦では2勝してますけど、トーナメントでは負けてますし、本当に五分五分の戦いになると思うのでしっかり良い準備して試合に臨みたいと思います」
 
●FW風間荘志(4年=暁星高)
―今日の試合を振り返って
「前回よりもプレッシャーが速くて、けっこうきつい試合だったんですけど、慶太(日髙選手)が出られなくて、最後はチーム力だと思っていたので自信を持って戦った結果が勝ちにつながったと思います」
 
―インカレベスト4について
「うれしいですね。あまりベスト4とかになったことがなかったので。でもここまで来たら優勝したいですし、次の試合も頑張りたいです」
 
―前半、試合を優位に進めたがなかなかシュートが打てなかったが
「そうですね。相手のプレッシャーが速かったから、フリーでボールを動かせる時間が短かったので、それでシュートまで行けなかったと思うということと、あとはもっと自分がシュートに絡むような動きを出していかないといけないと思いました」
 
―中1日となるが難しさはあるか
「まあ相手も一緒なので。きついですけど、きついなんて言っていられないので、頑張りたいと思います」
 
―次の明大戦への意気込みを
「明治は強い相手なので、関東2位の相手なので。こっちは(今年は)勝ち越してはいますけど、また負けられない相手なので絶対に勝ちます」
 
●DF松岡淳(3年=慶應湘南藤沢高)
―今日の試合を振り返って
「拮抗した試合で、ディフェンスラインとしては集中して、前はやってくれると思っていたので、勝ててよかったです」
 
―インカレベスト4について
「本当に一年間やってきたことが表れたかなと素直にうれしく思います」
 
―前半を優位に進めた中でなかなかシュートまで行けなかった
「慶太君(日髙選手)がケガで出ていなかったという部分もあって、ちょっとゴール前の迫力というのは後ろから見てていつもよりなかったのかなという風には思ったんですけど、でも優位に試合を進めていたので、そういう試合はいつかは入るという試合が多いのであまり慌てることはなかったです」
 
―無失点で抑えたことについて
「相手の11番が裏を狙って、抜け出しをしたり、PKをけっこうもらう選手というか、そういうのが危ない選手だったので、そういう部分は常にディフェンスラインで声を掛け合ってやっていたので、集中してできたかなと思います」
 
―中1日となるが調整など難しさはあるか
「今日の試合はけっこう優位に自分たちでボールを回してやってきたので、コンディションとしては大丈夫だと思うんですけど、僕自身は出場停止になってしまったので、でも選手のみんなから決勝で待ってろという風に言ってくれているので、自分のできることをやったり、選手のサポートだったりそういうのをチーム全員で出来ればと思います」

記事・写真提供:慶應スポーツ

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