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【駒大スポーツ】名門・駒大が20年ぶりの降格

2011.11.28
関東大学サッカー1部リーグ第21節 (駒沢オリンピック公園総合運動場第二球技場)
駒澤大学 0-0 国士舘大学
※公式記録はコチラから


試合終了とともに肩を落とすイレブン

 JR東日本カップ2011第85回関東大学サッカーリーグ1部・第21節は26日、駒澤オリンピック公園総合運動場第二球技場で駒澤大vs国士舘大が行われた。3試合連続となる無得点で白星を逃した駒大は、最下位から脱出するも勝ち点届かず。1991年以来となる20年ぶりの2部への降格が確定した。

 
「サッカーも人生も同じ。まだまだ甘い」――。試合後、秋田浩一監督が語った言葉はまさにチームの現状を物語った。下位に沈むなか着実に攻撃の形を作り上げていった駒大。試合を重ねていく度にチャンスの数は増えていったが、総得点数は思うように動かず。決め切れない弱さに苦しめながら迎えた国士大戦は、「チームで点を」(DF林堂眞4年=習志野高)狙いに。ポジションを問わず多くの選手がシュートを放ったが、点を取ることは出来ないまま試合は終了し、3戦無得点という結果に終わった。
 
 両チームに降格の可能性が残されていた一戦は、開始直後から激しい攻防戦を繰り広げた。「濱田が積極的に上がっていた」と秋田監督が評価したように、22分にそのDF濱田宙(4年=市立船橋高)が左サイドを駆け上がりチャンスメイク。ボールを受けたMF奥村情(3年=名古屋U-18)が放ったシュートは、惜しくもゴール隅へと外れたが、その1分後には、今度は濱田自らがミドルシュートで相手ゴールを脅かした。その後もFW山本大貴(2年=ルーテル学院高)、奥村の二人が華麗なパス回しで先制点を狙うなど、好調を保ちながら前半を終了。 
 
 1部残留を懸けて迎えた後半。開始からわずか3分後、駒大に突然暗雲が立ち込めた。相手選手との接触プレーによりその場で動けなくなったのは主将の林堂。チームの大黒柱の負傷に会場が騒然とし、駒大ベンチでも不安の表情を隠せずにいると、主審が求めたものは担架ではなくドクターだった。「呼吸が出来なくなり苦しくなった」林堂は、動けるようになると自らの足で一度ピッチを離れ、そのわずか3分後に早々に復帰した。
 
 11人に戻り積極的な攻撃をみせたが、徐々に疲れの色が出始めると70分、初出場となるFW須貝暁(1年=駒澤大学高)をピッチへ。ホーム駒沢の地へ駆けつけた後輩・駒澤大学高の選手らの声援を背に「頑張らないといけないと思った」と口にした須貝は、「出来たことと出来なかったことが五分五分」と謙遜したが、体を張りボールをキープするなどその仕上がりは上々のものだった。
 
 それでも相手ゴールを割れないでいると80分、ディフェンシブな江川昇吾(4年=聖隷クリストファー高)と投入し林堂をFWに。同点でも残留が決まる国士大は、慌ててDFラインを固めると駒大の猛攻に応戦した。ロスタイムが6分と表示された直後、「チャンスがあったのに決められなかった」と悔しさを滲ませたMF山崎紘吉(4年=成立学園高)の放った後半駒大にとって唯一のシュートは、サイドからのクロスに頭で合わせたものだったが、相手キーパーの好セーブに遭いゴールネットを揺らせず。縦に早いパスを徹底し最後まで攻撃の手を緩めなかったがシュートまでは行けず、試合終了を告げる笛が長く響き渡った。
 
 スコアレスドローながら両チームにとっての現状は大きく異なり、1部残留を決め喜びを爆発させる国士大の横で、駒大イレブンは絶望感に肩を落とした。翌日に試合を控えていた中大が勝利を収めたため、最終節を残し残留圏との勝ち点差は5に。昨年の夏、日本一に輝いた名門・駒大が20年ぶりの2部降格となった。(文:駒大スポーツ 佐藤亮、写真:河田奈津子)

【試合後コメント】

◆秋田浩一監督
「得点出来なかったことが最大の要因。勝たなければいけなかったが、現実を受け入れなければいけない。攻撃の形は悪くなかった。サッカーはゴールを取らなければいけないスポーツ。ゴールを取るためにどうするかということが大事。今日は濱田が積極的に上がったりとか、両サイドがうまく使えていた。前線は思い切りが足りない。もったいない。サッカーも人生も同じこと。まだまだ甘い」
 
◆林堂眞主将(4年=習志野高)
「前半はよくなかった。攻めきれなかったり、後ろで回して取られてしまったり。後半は点を取らなくてはいけなかったが、そこで取ることが出来ない。全員が同じ気持ちでやらなくてはいけない。最後は気持ちだが、大事なところで一本が拾えない。もっと意識を高めてチームで点をとるしかない。このメンバーで出来るサッカーを楽しんで喜びを感じ、無駄にしないように最後の試合に臨みたい」
 
◆濱田宙(4年=市立船橋高)
「負けられない試合だったのでみんな気持ちがこもっていたと思うが、相手のゴールを奪うところまでいけなかったのがだめだった。やっぱり守備も第一だが、点を取らないと試合には勝てないので自分ができることをチームのためにやっていた。(次節は)大学生活最後の試合なので、悔いを残したくないので全力でやるだけ」
 
◆山崎紘吉(4年=成立学園高)
「勝たなければいけなくて、引き分けでも負けと同じだった。0-1から始まるくらいの気持ちだったのに点が取れない。(声を出していたが)チームのために出来ることとして、当然だと思う。後輩を1部に残そうと頑張ったが、結果が出なかった。(自分自身も)前後半に一つずつチャンスがあったのに、決められなかった。(次は)まだわからないので、いい準備をして、大量得点で勝つしかない」
 
◆須貝暁(1年=駒澤大学高)
「(途中出場で)勝ちたいという気持ちで入ったが、何とも言えない。(監督からは)とにかくボールを追って点を取れればいい。とにかくがむしゃらにやれと言われていた。出来たことと出来なかったことと五分五分。(次は)最後までやるだけ。頑張らないといけないと思った」
 
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記事・写真提供:駒大スポーツ

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