
世界で勝てる「心」を作る! 「NIKE MOST WANTED」の“日本代表”となった渡辺柊斗(東海学園高→東海学園大)、渡邊凌磨(前橋育英高→早稲田大)の2人が、3月5日、“世界で勝つための”メンタルトレーニングに参加した。「NIKE MOST WANTED」とは、若きフットボーラーを発掘する世界規模のスカウトプロジェクト。渡辺柊斗と渡邊凌磨は、2月に国内最終セレクションの「JAPAN FINAL」を勝ち抜き、5月にイングランドで行われる「グローバルファイナル」へ“日本代表”として参加する。「グローバルファイナル」を勝ち抜くと「NIKEアカデミー」に入る資格が与えられ、世界最高峰のトレーニング環境で指導を受けるチャンスを得られる。
講師を務めたのはスポーツ心理学に基づく「メンタルトレーニング」の第一人者、大儀見浩介氏。この日はメンタルトレーニングのほか、長友佑都(インテル)、大儀見優季(ヴォルフスブルク)のトレーナーを務める木場克己氏による体幹トレーニングも行われた。世界レベルのセレクション「グローバルファイナル」に挑む若き“日本代表”を、心と体の両面で鍛え上げる目的だ。
「集中しろ、やる気を出せ、気合を入れろ……よく言われる言葉だと思う。では、具体的にどうすればいいんだろう?」
大儀見氏はこんな言葉で講義をスタートさせた。「集中している」とはどういう状態なのか、「やる気」を出すには何をすればいいのか。ともすると根性論になりがちな「心」の鍛え方を、科学的なアプローチによって分析していく大儀見氏の言葉は明快そのものだ。効果的な目標設定の方法、モチベーションを上げるための方法、本来のパフォーマンスを引き出す心理状態の作り方……多くの実例を交えた講義に、渡辺柊斗と渡邊凌磨の2人は食い入るように耳を傾け、ノートを取った。

例えば、一流アスリートとそうでないアスリートの違いは、朝起きてから家を出るまでの時間の使い方にも表れる、と大儀見氏は言う。優れたアスリートは「その日何を達成すべきか」という目標設定が明確なため、時間の使い方が効率的になっていく。また、伸びていくアスリートは、誰かに指示されるよりも「自分なりの方法」を追求してトレーニングを工夫するタイプが多い。自分で考え、自分の成長を求めていく姿勢が高いモチベーションを生み、ハードなトレーニングも苦にならないメンタルを育むのだという。
「今まで大会になると緊張してしまったりして、心の持っていき方はすごく難しいと思っていました。今回教えてもらった方法でメンタルの弱さを克服できれば、もっと自分の能力を発揮できると感じています」(渡辺柊斗)、「ピッチの外ではいつも笑顔でいなさい、という言葉が印象に残っています。グローバルファイナルは言葉が通じない中でプレーするところが難しいと思っていましたが、いつも笑顔で、向こうの選手とも良いコミュニケーションを築ければ、と思います」(渡邊凌磨)。
講義に先立って、およそ50個の質問からメンタルの強さを診断する心理テストが行われたが、大儀見氏は若い2人のメンタルについて「高校生年代としては非常に高い」と評価。「彼らの分析結果を見る限り、グローバルファイナルでも萎縮するようなことはないと思う。ボールを持てばそれなりにやれると思います。ただし、評価を気にすると空回ってしまうし、ちょっとしたことで自信を失ったり、パフォーマンスが落ちてしまったりする。自分の成長を求めていくことが大事です。『評価』ではなく『進化』を求めてプレーする。そうすればチャレンジを楽しめるし、本来の実力を出せると思います」(大儀見氏)。
日本人が世界と戦う上で、メンタルの強さはフィジカルと同じく、たびたび話題になるテーマだ。普段と全く異なる相手に挑み、実力を発揮して勝つ。そのヒントをつかんだ2人が、5月の「グローバルファイナル」でどこまで果敢に戦い、能力を示せるのか。「楽しみです。今までやってきたことがどれだけ世界に通用するのか、チャレンジしてみたいと思います」(渡辺柊斗)、「自信はあります。評価は気にせず、自分のプレーを出すことに集中すれば、絶対に選ばれると思っています」(渡邊凌磨)。頼もしいコメントを残してくれた18歳の若き“サムライ”たちに、期待せずにはいられない。