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駒澤大、3ゴールで日体大に逆転勝ち インカレ出場争いはさらに激しく

2016.10.28

質の高いクロスで2度得点に絡んだ熱川 [写真]=柴崎拓見(駒大スポーツ)

JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦第19節 駒澤大学3-1日本体育大学

文=柴崎拓見(駒大スポーツ)

 駒澤大は前半から守備が安定しない。日体大の縦に速いパス回しに翻弄され、最終ラインがずるずると後退し、いささかラフなプレーも見られた。駒澤大劣勢の中迎えた34分、ペナルティエリア内で星キョーワァンが相手を倒してしまいPKを献上してしまう。このPKを決められ先行を許した駒澤大は直後、左サイドを駆け上がった熱川徳政が低めのクロスを上げると、ニアに構えた大谷真史がトラップしファーにそらす。最後は詰めていた星が右足で流し込んで試合を振り出しに戻し、イーブンのまま試合を折り返す。

 エンドが変わった後半は、駒大の高い位置でのプレッシャーが機能し、敵陣奥深くでのプレーが増える。52分に均衡は崩れた。攻撃の起点となったのはまたも熱川だった。左サイドから相手のマークをいなし深い位置で低いクロスを上げると、ゴール前に詰めた大谷が頭で押し込み逆転。さらに67分には右サイドを駆け上がった吉岡雅和が相手の裏をかく絶妙なスルーパスを送ると、反応した初芝政弘が浅い角度から右足を振りぬき、駒澤大の3点目をマークした。最後は日体大の怒涛の攻撃をしのぎ切り、駒澤大が連敗を2で止めた。

 前節の連敗から駒澤大はスタメンを変更して試合に臨んだ。今一つ調子の上がらない中原輝をベンチに下げ、本来は右サイドバックである初芝を右サイドハーフにコンバートした。「相手の攻撃の起点となる左サイドバックでプロ入りが決定した高野遼のマーク要因としての意味合いが強かった。どちらかというとディフェンスとしての意味合いが強かった」と起用理由を語ったのは秋田浩一監督である。さらにディフェンスではここ数試合の勤続疲労でコンディションが悪化していた伊勢渉をベンチに下げ、満を持して星を投入。「夏の間ケガを繰り返していたのと、まだ線が細かったので連続して使えるように体力作りをしてから投入することにしていた」と秋田監督。このディフェンス寄りの選手起用が、結果的には駒澤大が得意とする“前輪駆動”の攻撃サッカーとマッチすることになった。
 
 前半こそ、相手のスピーディーな攻撃にリズムを掴めず相手の先行を許す形となったが、エンドが変わった後半、高い位置から初芝、大村英哉の両サイドをはじめ前線のプレーヤーが積極的にプレスを仕かけ、日体大の攻撃陣にボールを触らせない戦術が実を結んだ。“守備こそ最大の攻撃”。そんなスタイルを駒澤大は体現し、大谷と初芝のゴールが生まれた。「吉岡さんからすごくいいボールが来たので前を向いたら、ちょうどシュートコースが開いていた。思いっきり蹴ったら入ったのでよかったと思う。ゴールが決まった瞬間は、体中の疲れが吹っ飛ぶほどうれしかった」(初芝)。今季思うようなプレーができず、苦心していた中でのこのゴールは、チームに全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)出場へ向けわずかな望みをつなぐ決勝弾となった。

 連敗を2で止めた駒澤大。しかしそれ以上にこの試合はここ数試合で鳴りを潜めていた攻撃面が大きく改善されたといえる。星の復帰戦ゴール、初芝の公式戦初ゴールなど、ディフェンダーも積極的に攻撃へ参加したことで、質に磨きがかかった。この勝利により、リーグ戦も9位から8位へリカバリーし、上位陣に食らいつくことに成功した駒澤大。混戦を極めるインカレ出場争い。ここ5年勝ち星のない次節・専修大学戦へむけ、調整を進めている。

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