2018.01.05

“呪文を唱える”ほどの意識改革 攻撃売りの流経大柏SB近藤、「まずゼロ」の徹底

近藤立都
流通経済大柏のDF近藤立都 [写真]=兼村竜介
2013年までサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で編集、記者を担当。現在はフリーランスとして活動中。

「守備守備守備守備守備守備守備……」

 試合前も試合中も流通経済大柏のDF近藤立都はそんなことを念じていると言う。まず守備から入る意識を持つこと。求められてきた意識改革を、自分の中で整理する儀式のようなものなのだそうだ。

 夏のインターハイで、この攻撃的サイドバックが優勝の立役者だったのは間違いない。ダイナミックな攻撃参加が光り、正確なセットプレーのキックからゴールチャンスをいくつも作った。ロングスローという武器もある。「守備の選手」という印象は希薄で、攻撃のキーマンという印象すらあった。逆に言うと、守備が強いイメージがなかったとも言える。

 一方、流通経済大柏を率いる本田裕一郎監督は近藤の攻撃面での能力を高く評価しつつも、守備面への不満を隠さなかった。上半期の試合でもディフェンスについて叱責される近藤の姿が観られたのだが、夏を過ぎてついに指揮官は荒療治に乗り出す。先発のオーダーから外してしまったのだ。攻撃力の低下は否めないが、DFとして求めるのはまず守備であるという強烈過ぎるメッセージだ。

 攻撃大好きな、ノリの良さで勝負しているサイドバックにとって、この時期が「苦しかった」のは当然だ。だが、冒頭の呪文に象徴されるように、自分のプレーを指揮官が求める形で改革。「まず守備から入る」意識を徹底して、監督の信頼を徐々に取り戻し、ポジションも奪い返してみせた。

「今大会は守備を意識しているので、上がるのはタイミングを見極めて、ホンマに『行ける』と思ったときしか行ってないですね。もっと行きたいですけれど、我慢している」(近藤)

 攻撃に加わるときもオーバーラップして外を回って裏を突くというプレーよりも、中に入って受けて起点になるプレーが目立つようになった。「外はあまり行ってないですね。内側に上がって、サポートする。内側だったら(奪われても守備に戻るのが)間に合うから」という考えからだ。サイドハーフを走らせるようなプレーが目に付くようになり、かえってプレーの幅が広がった印象もある。

「1-0で勝てるチームが本当に強いチームだと監督からも言われている。まずゼロでいくことを考えているし、前が取ってくれるので自分が無理して行かなくてもいいと思えるようになった」(近藤)

 もちろん攻撃参加の機会をうかがっていないということではない。「溜めています」と語るように、ここぞの場面で大胆に出て行く気持ちはある。以前のように闇雲にただ行くのではなく、試合を決める1回をじっくり見極めて勝負を懸ける腹づもりだ。準決勝では呪文を唱えるまでに強化した「守備」と、1回に懸ける「攻撃参加」の2点から、この左サイドバックに注目してもらいたい。

取材・文=川端暁彦

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