2017.12.28

【高校選手権展望】<広島皆実>“堅守強攻”が不動のコンセプト 多彩に2度目の頂点狙う

平山裕也
広島皆実のCB平山裕也 [写真]=安藤隆人
世界各国を放浪するサッカージャーナリスト。巷ではユース教授と呼ばれる。

 “堅守強攻”。伝統の緑と黒の『スイカユニフォーム』を身にまとった広島皆実は、組織的な守備とボールを繋ぎながら臆すること無く前へと突き進んで、相手の守備組織を破壊するサッカーを身上としている。

 この言葉が出たのは2008年度の第87回全国高校サッカー選手権大会優勝の年だった。当時、チームの監督に就任したばかりの藤井潔監督(現・同校ヘッドコーチ)の下、広島皆実の伝統の堅守を引き継ぎながらも、そこに破壊力のある攻撃をプラスして行く作業を行った。

 ボールを奪ったら一斉に前にベクトルを向け、ただ蹴るのではなく、相手の状況を見ながら素早く繋いで一気に相手陣内に攻め込んで行く。そこには狙いを持った組織的な連動とボール奪取、攻守の切り替えの早さ、そしてポゼッションもこなせる視野とパスの精度、攻めきるスプリント力。すべてを要求し、その質を高めて行った。結果、チームは選手権で破竹の快進撃を遂げ、決勝では大迫勇也(現ケルン)を擁する鹿児島城西を下して、初の選手権制覇を成し遂げた。

 それ以降、この“堅守強攻”は広島皆実の不動のコンセプトとなり、今年のチームもその信念の元に作り上げられて来た。

 183センチの2年生・平山裕也と178センチの3年生・吉田慧人のCBコンビは、高い守備力と統率力を持ち、強固な砦を築くと、アンカーの大石謙介も抜群のバランス感覚と統率力を持つ。中央に優秀な司令塔が3人もいることが今年のチームの最大の魅力とも言える。攻撃面では疋田勝人と堤太一の2年生ツーシャドーが豊富な運動量を駆使して、ボックスtoボックスをアップダウンし、攻守を繋ぐと、若宮健人、森内幸佑、藤原悠汰のスリートップがスピードと個人技を活かして、多彩なアプローチでゴールに迫って行く。左の西原広太、右の石井慧の両サイドバックもそれぞれ精度の高い左足と右足のキックを持ち、両サイドから正確なクロスやミドルパスを打ち込んで、素早い攻撃を支えている。

 ベンチメンバーも個性的かつ忠実に戦術を遂行出来る選手が揃っているのも強みだ。CB藏本京真、ハードワークが出来るMF吉原翔大、そして今予選準決勝と決勝で2試合連続の決勝弾を叩き込み、5連覇の立役者となったFW岡本拓海など、能力の高い1年生が揃っており、途中出場で流れを変えていく。

 初戦の相手は埼玉の強豪・昌平。1回戦屈指の好カードとなった。大宮アルディージャ入団内定のFW佐相壱明を始め、多くのタレントを有する相手にも、伝統の力で封じ込んで、さらに破壊して行くべく。全員が“堅守強攻”の旗のもと、一丸となって冬の大舞台に臨む。

取材・文=安藤隆人

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