2016.08.15

服部主将が涙…“黄金世代”抜けた明治大、「一心」でつかんだ総理大臣杯初優勝

創部初の総理大臣杯優勝を果たした [写真]=渡邊弘基(明大スポーツ)
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文=鈴木拓也(明大スポーツ)

 一心でつかんだ創部初の総理大臣杯だ。優勝を懸けた順天堂大学との第40回総理大臣杯全日本大学トーナメント決勝戦は、15分にゴール前での細かいパス交換からMF道渕諒平が先制ゴールを挙げる。今大会無失点で勝ち上がってきた順天堂大ゴールをこじ開けると、追い求めてきた前線からの連動的な守備も機能。GK服部一輝主将を中心とした守備で最後まで得点を許さず、1-0の勝利でサッカー部95年の歴史で初となる夏の王者に輝いた。

 昨年の悔しさを知る男が価千金の決勝ゴールだ。15分、高い位置で左サイドバック河面旺成がボールを奪うと、すかさずゴール前の道渕へ。ボールを受けると自らのターンで前を向くイメージがあったという道渕だが、ペナルティエリア内でのMF富田光の動きを見て「敵も来ていたので富田に出してリターンをもらうイメージに切り替えた」(道渕)。富田からのリターンパスを受けた道渕は、雨で濡れたピッチで滑り込みながら右足でゴールネットを揺らした。昨年の同大会決勝にも途中から出場したが、思うようにチームに貢献できず準優勝の悔しさを味わった。自身のゴールでつかみ取った初優勝に道渕は「チーム全員でここまでやってきたことが報われてうれしい」とはにかんだ。

 大一番で理想的な崩しを見せた。右サイドから攻め込み一度はゴール前で跳ね返されて相手ボールとなるも、逆サイドの河面が高い位置のプレッシングでボールを奪取。間髪入れずにゴール前の道渕にパスを送り、ゴールを演出した。「相手のプレー的にFWに当てたがる印象があり、そのコースを読んだらうまく予想どおりきた」と河面の個人としての読みもさえ渡ったが、ディフェンスラインとボランチのバランスが良かったからこそ河面も絶好のポジショニングを取ることができた。「ハイプレスからのショートカウンター」。今年追い求めてきた一つのスタイルが日本一を決める舞台で確立された。

 ただひたすらに明治大らしい戦いだった。準決勝までの4試合で6得点を挙げたFW旗手怜央(順天堂大)を擁する順天堂大のアタッカー陣に対して、小出悠太、鳥海晃司を中心としたDF陣がほとんど仕事をさせなかった。起点となる旗手へのくさびのパスは、小出と鳥海が厳しくケア。足元の技術が高い順天堂大にゴール前までボールを運ばれても、チャレンジとカバーを徹底し相手の正面に粘り強く立ち続けることでシュートを許さなかった。中1日で実に5試合目となる決勝戦でも「球際、運動量、切り替え」の明治大が掲げる三原則は見事に体現された。

 全員で勝ち取った。メンバー24人以外の選手は、大会期間中も八幡山でトレーニングを積み、決勝戦で初めて応援に駆けつける。「試合に出られない悔しさがある中で割り切って応援をしてくれているので、みんなが心を一つに戦おうという風にチームが向いている」と服部。トーナメントを勝ち上がっていく中で、選手たちは常に部を背負って試合に出る責任感を口にした。そして決勝戦で今大会初めてスタンドにこだました大応援は、日本一を大きく後押し。選手、応援、マネジャー、スタッフが一つになって戦える時が一番強い。そんな意味が込められた今年のチームスローガン「一心」を象徴する試合だった。

 優勝が決まり主将服部の目からは涙がこぼれた。昨年のタレント揃いの世代が抜け、今年のチームには開幕前から周りの厳しい声があった。それでも「主将としてみんなを日本一に連れていきたい」。服部は副主将の小出、伊池翼に支えられながら4年生全員でチームをつくってきた。「チーム全員で日本一の取り組みをしてきた自信はありましたし、それを周りに証明するために結果として日本一にならなければいけないという責任がありました」。誰よりもチームのことを考えてきた責任感の塊のような男だからこそ、このチームでつかみ取った日本一への喜びもひとしおだ。

 大阪の夏でただの一度も負けなかったのは明治大だけ。しかしこれは歴史に名を刻むと同時に、一つ目の通過点。最大の目標として掲げるのは現在首位を走る関東大学リーグ戦、全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)との3冠達成だ。「過信や慢心などしないで今日も課題があるし、そういうところに目を向けて次につなげていきたい」(小出)。夏の王者となった明治大は、全国で唯一3冠への挑戦者となった。創部初優勝をかみしめ、まずは9月に始まる後期リーグ戦に照準を合わせていく。

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