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豪1部“メルボルン・ダービー”で観客が暴徒化…選手や審判負傷で試合中止

2022.12.17

負傷したメルボルンCのGKグローバー [写真]=Getty Images

 17日に行われたAリーグ(オーストラリア1部)第8節メルボルン・シティvsメルボルン・ビクトリーで、ピッチに乱入した観客が選手や審判を負傷させる事件が発生。試合途中で中止となった。17日、オーストラリア紙『シドニー・モーニング・ヘラルド』などが報じた。

 “メルボルン・ダービー”では、先日にオーストラリア・プロ・リーグ(APL)が発表したグランドファイナル(総合王者決定戦)の開催権売却をめぐり、サポーターによる抗議活動が起こっていた。両チームのファンは開始20分でスタジアムを去る予定だったが、観客が発煙筒をピッチ内に投げ込むと、これをメルボルン・CのGKトム・グローバーが投げ返す。すると、怒ったメルボルン・Vのサポーター集団が警備をかわして続々とピッチに侵入。その一部がグローバーの元へ向かい、あるファンが投げつけた金属バケツがグローバーの顔面に裂傷を負わせた。

 グローバーは数針縫う必要があり、脳震とうの疑いもあるという。また、グローバーを守ろうとしたアレックス・キング主審も眉を切るケガを負ったようだ。事態の収拾を図るため、選手、スタッフ、審判がロッカールームへと引き上げ、開始20分過ぎに試合中止が宣言された。

 ビクトリア州警察の発表によると、約150~200人のメルボルン・Vのサポーターがフィールドに侵入。発煙筒により負傷したカメラマンもいるという。

 オーストラリアサッカー連盟は事件を受け、「このような行為は、オーストラリアのフットボール界には存在しない。フットボール・オーストラリアによる調査が直ちに開始され、強い制裁が下されることになる」と声明を発表。勝ち点剥奪や無観客試合などの処分がメルボルン・Vに下される模様だ。

 事件の発端となったAリーグのファイナルシリーズとは、レギュラーシーズンの上位チームによって争われるトーナメント。決勝にあたるグランドファイナルは、これまでレギュラーシーズン最上位のチームにホーム開催権が与えられていた。しかし、APLは先日、今後3年間にわたり、決勝をシドニーで開催すると突如発表。ファンやクラブの反感を買っていた。

 背景にあるとされているのは、APLが放送局と結んだテレビ契約だ。昨シーズン、5年間で2億豪ドル(約184億円)の契約を『Network 10』および『Paramount+』と締結。しかし、条項ではParamount+の契約が一定数に達することが課せられており、初年度はノルマをクリアできなかったという。そのため、Aリーグとクラブに支払われる分配金が減少。APLは苦肉の策として、グランドファイナルの開催権をニュー・サウス・ウェールズ州政府観光局に1200万豪ドル(約11億円)ほどで売却したと報じられている。

By サッカーキング編集部

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