2016.08.21

メッシ&ネイマールの友情が波及 アルゼンチン国民がブラジルの金メダルを祝福

リオネル・メッシ ネイマール
ともにバルセロナでプレーするメッシ(左)とネイマール(右) [写真]=Getty Images
1989年よりブエノスアイレス在住。サッカー専門誌、スポーツ誌等にアルゼンチンと南米の情報を執筆。

 ブラジルの優勝で幕を閉じたリオデジャネイロ・オリンピックの男子サッカー。開催国としての重圧を乗り越えたネイマール(バルセロナ)、メディアからの容赦ない批評も物ともしなかったガブリエウ・バルボーザ(サントス)やガブリエウ・ジェズス(マンチェスター・C)ら若者たちには、超満員となったマラカナンで大歓声と拍手喝采が贈られた。

ネイマール

金メダルを手にしたネイマール [写真]=Getty Images

 五輪初優勝を遂げたブラジルには、南米のライバルたちからもSNS上で祝福のメッセージが寄せられたが、それと同時に面白い反応があった。まずはウルグアイ。なんと、一般のファンだけでなくメディア関係者も一斉に「マラカナッソはただ一度だけ」(Maracanazo hay uno solo)とツイート。「マラカナンでブラジルに勝つ」という「マラカナッソ」を成し遂げたのは、1950年ワールドカップ決勝で開催国ブラジルに逆転勝利をおさめ、超満員のマラカナンを静寂の渦に陥れて優勝したウルグアイだけだという意味だ。

 今回もしドイツが勝っていたら「マラカナッソの再現」となっていたわけだが、強豪ドイツでさえもマラカナンでブラジルに勝つことはできなかったことから、ウルグアイの人々が66年前の快挙を改めて称える機会となった。

 そしてアルゼンチンでは、意外なことに宿敵ブラジルの優勝を喜ぶツイートが目立った。グループステージで敗退した自国の不甲斐なさによる歯がゆさの反動もあるが、何よりもアルゼンチンにおけるネイマールに対する好感度の高さが関係している。アルゼンチンのサッカーファンは、バルセロナのチームメイトであるリオネル・メッシに対する賛辞を惜しまないネイマールに好感を抱いている。そのため、母国の代表でのプレッシャーに打ち勝たなければならないメッシの境遇をネイマールにも投影し、同情する人も少なくない。

リオネル・メッシ

メッシはこの夏も代表初タイトルを逃してしまった [写真]=Corbis via Getty Images

 五輪決勝直後、一昨年のワールドカップで「ドイツとアルゼンチンだったら断然アルゼンチンを応援するよ」と語っていたネイマールの動画がツイッターで出回り、それについて一ファンが「だからネイマールが金メダルを取って嬉しいんだ」とコメント。これに共感してリツイートしたファンは390人を越えている。

 今回の五輪では、テニスの会場でアルゼンチン人とブラジル人が口論になったことをきっかけに、各会場での両国のサポーター同士の衝突が懸念されたが、最終的にはネイマールとメッシの友好関係が意外なところで温かい反応を生み出したことになった。

文=藤坂ガルシア千鶴

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