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ラツィオが誇る“点取り屋”、インモービレも到達! セリエAで200ゴールを超えた者たち

2024.02.17

セリエAで200ゴール以上を決めてきた選手たち [写真]=Universal Images Group/ Icon Sport via Getty Images、Getty Images

 先週末、MF鎌田大地のチームメイトが歴史にその名を刻んだ。

 ラツィオの主将にしてエースストライカーのイタリア代表FWチーロ・インモービレは、今月10日に行われたセリエA第24節カリアリ戦に先発出場すると、後半に入った49分にチームの2点目をゲット。デンマーク人FWグスタフ・イサクセンのシュートが敵GKに弾かれた瞬間、いち早く反応したのが33歳の点取り屋だった。インモービレは、角度のないところから右足を振り抜いてシュートを叩き込み、チームを3-1での勝利に導いた。今季リーグ戦の6点目、そしてセリエAで自身通算200点目となる節目のゴールだった。

チーロ・インモービレ

インモービレはカリアリ戦で200ゴールを達成 [写真]=Getty Images

 試合後、インモービレは「素敵な数字だね。多くのチームメイトの協力があってたどり着けた」と仲間への感謝を忘れなかった。そして「同じ気持ちで、楽しみながら、明るく準備したい」と臨んだ14日のチャンピオンズリーグ(CL)の試合でも、ドイツの“絶対王者”バイエルンを相手にPKから決勝ゴールを決め、チームを勝利に導いた。

 インモービレは、18歳でユヴェントスに入団してプロの道を歩み始めた。ユヴェントスではほぼ出番がなく、ローン移籍を繰り返してセリエBで得点王に輝くと、2012-13シーズンにはジェノアへ完全移籍加入。そして、22歳にしてようやくセリエAで初めてゴールネットを揺らした。その時も、相手は今回と同じカリアリだった。翌シーズンにはトリノに移籍し、セリエAで22ゴールを叩き出して得点王に輝くことに。

 それからドルトムントやセビージャなど国外クラブでもプレーした点取り屋は、イタリアに戻ってくると2016年7月にラツィオに加入。以降、3度もセリエA得点王に輝く決定力を見せつけ、史上8人目となるセリエA通算200ゴールを達成したのである。341試合での達成は歴代3位の記録だという。

 ただし、得点を量産し続けるストライカーにとって今回の200ゴールも通過点にすぎない。セリエA歴代得点ランキングでインモービレよりも上に立つ選手は7名いる。今回はそのランキングを見てみよう。

■7位:ロベルト・バッジョ

得点数:205ゴール

ロベルト・バッジョ

ブレシア時代のバッジョ [写真]=Getty Images

 歴代最高の選手の1人として名前を挙げられることも多いFWロベルト・バッジョも、セリエAで200ゴールを達成している。1994年にアメリカで開催されたFIFAワールドカップ決勝でPKを外して悲劇のヒーローとなったバッジョは、ヴィチェンツァで選手キャリアをスタートさせると、フィオレンティーナに引き抜かれてセリエA初ゴールをマーク。その後はユヴェントスでセリエA制覇に貢献し、リーグ戦では141試合の出場で78ゴールという決定力を誇った。

 それからミラン、ボローニャ、インテルを経て、キャリア晩年はブレシアでジョセップ・グアルディオラなどの選手と一緒にプレー。33歳で加入した新天地でもネットを揺らし続けたバッジョは、同クラブでの4シーズンで95試合45ゴール。2004年3月14日のパルマ戦では、鋭いドリブルでボックス内に侵入してから冷静にゴールネットを揺らし、通算443試合目の出場にして200ゴールを達成。その2か月後、惜しまれながらスパイクを脱いだ。

■6位:アントニオ・ディ・ナターレ

得点数:209ゴール

アントニオ・ディ・ナターレ

ウディネーゼでセリエAを代表するストライカーとなったディ・ナターレ [写真]=Getty Images


 6位にはウディネーゼで驚異の決定力を誇ったFWアントニオ・ディ・ナターレがランクイン。2004年、当時27歳だったディ・ナターレは所属していたエンポリが降格の憂き目に遭ったためウディネーゼに移籍。すると、そこから毎シーズンのようにゴールネットを揺らしていく。

 11シーズン連続で公式戦2桁ゴールをマークしたほか、2009-10シーズンからは2年連続でセリエA得点王に輝く。そして2014年11月のキエーヴォ戦でゴールを奪い、セリエA通算400試合目の出場で200ゴールを達成した。キャリア最後の2015-16シーズンはわずか2ゴールに留まったが、それでも自身のゴール数を209点まで伸ばし、現役生活に別れを告げた。

■4位タイ:ジョゼ・アルタフィーニ

得点数:216ゴール

ジョゼ・アルタフィーニ

2019年に『サン・シーロ』に姿を見せたアルタフィーニ [写真]=Getty Images

 216ゴールを叩き出したのは、2か国の代表選手としてFIFAワールドカップ出場経験を持つFWジョゼ・アルタフィーニだ。ブラジル出身のストライカーは、パルメイラスで活躍したのち1958年にミランに移籍すると、そこからイタリアでゴールを量産。ミランで204試合出場120ゴールという驚異的な数字を残し、1962-63シーズンにはクラブにとって初のチャンピオンズカップ(現:チャンピオンズリーグ)制覇に貢献。その後はナポリやユヴェントスでもゴールネットを揺らした。

 ブラジル代表としては、“王様”ペレと共に1958年にスウェーデンで開催されたFIFAワールドカップに出場し、世界一に輝いた。しかし、当時のブラジル代表は海外組を招集していなかったそうで、イタリアに渡ったアルタフィーニはイタリア代表への変更を決断。そして、1962年にチリで開催されたFIFAワールドカップに出場した。

■4位タイ:ジュゼッペ・メアッツァ

得点数:216ゴール

ジュゼッペ・メアッツァ

『ジュゼッペ・メアッツァ』はインテルのスアジアム名として知られている [写真]=Getty Images

 同じく216ゴールを生み出したのはインテルにとって伝説のアタッカー、ジュゼッペ・メアッツァだ。1934、1938年のFIFAワールドカップでイタリアを連覇に導いたアタッカーは、インテルでゴールを量産。1927-28シーズンに同クラブでデビューを果たすと、そこからクラブ記録となる公式戦287ゴールを叩き出すことに。3度もセリエAの得点王に輝くと、ミランやユヴェントスでもプレーし、セリエAで通算216ゴールを奪った。1980年、68歳で他界した翌年、英雄の功績を称えて本拠地『サン・シーロ』には彼の名前が付けられた。

■3位:グンナー・ノルダール

得点数:225ゴール

グンナー・ノルダール

ミランを初の欧州制覇へ導いたのがノルダールだ [写真]=Universal Images Group via Getty Images

 今回のリストで唯一の外国籍選手が3位のグンナー・ノルダールだ。スウェーデン代表として1948年のロンドン・オリンピックを制しただけでなく、大会得点王にも輝いたノルダールは、翌年1月に母国スウェーデンからミランへ加入。すると恐ろしいほどの決定力を発揮することに。

 シーズン途中から加入して、いきなり15試合で16ゴール。その後もゴールを決め続け、歴代最速の「238試合」で200ゴールを達成。最終的にミランでは、257試合の出場で210ゴールを叩き出し、歴代最多となる5度もセリエAの得点王に輝いた。

■2位:フランチェスコ・トッティ

得点数:250ゴール

フランチェスコ・トッティ

ローマ一筋のキャリアを歩んだトッティは記憶にも記録にも残る選手だった [写真]=Getty Images

 決して破られないと思われたノルダールの1クラブでのゴール記録(210得点)を更新したのはローマの“王子”だった。1993年に16歳でセリエAデビューを果たすと、17歳で初ゴール。そこから40歳までローマ一筋で25シーズン、チームの顔として活躍し続けた。そしてセリエAでは歴代3位となる619試合に出場し、歴代2位の250ゴールを生み出した。

■1位:シルヴィオ・ピオラ

得点数:274ゴール

プロ・ヴェルチェッリ

プロ・ヴェルチェッリの本拠地にはピオラの名が付けられた [写真]=Getty Images

 歴代1位のFWシルヴィオ・ピオラも、16歳から40歳までセリエAのみでプレーを続けた。1920~50年代にかけてプロ・ヴェルチェッリ、ラツィオ、トリノ、ユヴェントス、ノヴァーラでプレーし、歴代11位の537試合に出場。そして2度の得点王に輝くなど、今も破られぬ歴代最多の通算274ゴールを叩き出したのだ。1938年にはイタリア代表としてFIFAワールドカップに出場すると、決勝での2得点を含む5ゴールで母国を世界一に導いた。

 果たして、チーロ・インモービレはどこまでゴール数を伸ばせるだろうか。セリエA通算200ゴールに到達した点取り屋に今後も注目したい。

(記事/Footmedia

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