“ダイヤモンド・アイ”の異名を持つミスリンタット氏 [写真]=Getty Images
かつてドルトムントのチーフスカウトとして活躍したスヴェン・ミスリンタット氏が、クラブへ復帰する可能性が高まっているようだ。ドイツメディア『スカイスポーツ』が4月1日に報じた。
ミスリンタット氏は2006年夏から2017年11月までドルトムントのスカウト部門に勤めており、当時は元日本代表MF香川真司(現:セレッソ大阪)、ポーランド代表FWロベルト・レヴァンドフスキ(現:バルセロナ)、ガボン代表FWピエール・エメリク・オーバメヤン(現:マルセイユ)、フランス代表FWウスマン・デンベレ(現:パリ・サンジェルマン)など、後にクラブの中心選手となる数々の若手を発掘。卓越したスカウトの能力から“ダイヤモンド・アイ”とも称されていた。
ドルトムントを離れてからはアーセナル、シュトゥットガルト、アヤックスを渡り歩き、2023年9月にアヤックスを離れてからはフリーの状態が続いている。SD(スポーツ・ディレクター)として活動したシュトゥットガルト時代には、シント・トロイデンから日本代表MF遠藤航(現:リヴァプール)を引き抜いただけでなく、ジュビロ磐田から後の日本代表DF伊藤洋輝、尚志高校から後のU-23日本代表DFチェイス・アンリの加入にも携わっており、日本人にも馴染みの深い人物だ。
そんなミスリンタット氏が、約7年ぶりにドルトムントへ戻ってくるかもしれない。今回の報道によると、両者の交渉は順調に進んでおり、ミスリンタット氏には強化部門でディレクタークラスの席が用意されている模様だ。一方、ミスリンタット氏が具体的にどのような役割を担うのかは現時点で不透明で、“引退”を明言しているハンス・ヨアヒム・ヴァツケCEO(最高経営責任者)がクラブを離れた後、どのような組織体制になるかで変わってくるという。
なお、『スカイスポーツ』の情報によると、現在クラブのアドバイザーを務めるマティアス・ザマー氏が将来的にさらに重要な役割を担うことが検討されているようだ。当初、フランクフルトのマルクス・クレシェSDの引き抜きを画策していたものの、同氏は2日付けでフランクフルトとの契約延長が発表された。ザマー氏自身は健康面の状態からこのオファーに難色を示しているものの、以前からミスリンタット氏との関係は良好で、シュトゥットガルト時代にミスリンタット氏はザマー氏の引き抜きも画策していたとのこと。両者が強化部門の重要な椅子に座る可能性も低くはないと報じられた。
一方で、現在SDを務めるセバスティアン・ケール氏の立場は厳しいものになるかもしれない。『ビルト』など複数のメディアは、ケール氏を強化部門の取締役に昇進させ、空席となったSDの席にミスリンタート氏が座るプランを報じていた。また、ケール氏がヴァツケ氏が去った後でCEOに就任する可能性も取り沙汰されている。しかし、『スカイスポーツ』は、ケール氏が強化部門で重要な役割を担う確率は低いと見ており、状況次第ではクラブを離れる可能性も0ではないという。
果たして、ミスリンタット氏の帰還は実現するのだろうか。そして、ヴァツケCEOが去った後のクラブ体制はどのようになるのだろうか。今後の動向に注目だ。
By サッカーキング編集部
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