シャビ・アロンソ監督(中央)の下、初優勝へひた走るレヴァークーゼン [写真]=Getty Images
ブンデスリーガで首位を独走中のレヴァークーゼンが、また1つ新たなクラブ記録を打ち立てた。
3月31日、レヴァークーゼンはブンデスリーガ第27節でホッフェンハイムをホームに迎えた。試合の前日会見ではリヴァプール、バイエルンからの関心が報じられていたシャビ・アロンソ監督の“残留宣言”が行われ、チームはポジティブな雰囲気に包まれていたが、試合は立ち上がりから苦戦を強いられる。ホームチームがボールを握る時間が続いたものの、ホッフェンハイムはブロックを敷く守備で一切の隙を見せず、なかなか効果的な形でゴール前へ入って行くことができない。33分には、レヴァークーゼンの右サイドを崩されて先制点を献上。ホッフェンハイムにとってはこの試合最初のシュートが得点に繋がった。
前半はこのまま0-1で終了。後半に入ると徐々にホッフェンハイムのスライドに遅れが見られるようになり、空いたスペースを突きながらレヴァークーゼンが怒涛の攻撃へ出たが、1点が遠い。このまま試合は終盤に突入したが、88分に左コーナーキックをショートで繋ぎ、リターンパスを受けたドイツ代表MFフロリアン・ヴィルツが右足でクロスボールを放り込むと、ファーサイドで待っていた同代表DFヨナタン・ター頭で折り返し、最後はマイナスの位置から同代表MFロベルト・アンドリッヒがボレーシュートを叩き込む。
土壇場で試合を振り出しに戻したレヴァークーゼンは、続く後半アディショナルタイムにも、ボックス右のスペースでスルーパスを引き出したナイジェリア代表FWネイサン・テラが、中央へ鋭いボールを折り返すと、飛び込んだチェコ代表FWパトリック・シックがダイレクトで押し込んだ。
終盤の猛攻でレヴァークーゼンが試合をひっくり返し、試合は2-1でタイムアップ。今季公式戦での無敗記録を「39」へと伸ばしただけでなく、クラブ記録に並ぶブンデスリーガ8連勝を達成した。加えて、この試合の後に行われた“デア・クラシカー”では、バイエルンがドルトムントに0-2で敗れたため、両者の勝ち点差は「13」まで広がることに。試合後、バイエルンを率いるトーマス・トゥヘル監督が「今日の試合の後では何も言う必要はない。レヴァークーゼン、おめでとう」と優勝争いに対して白旗をあげるなど、クラブ史上初の“マイスターシャーレ”が現実的なものとなってきた。
この試合でレヴァークーゼンは勝ち点を「73」まで伸ばしたが、昨シーズンに前人未到のブンデスリーガ11連覇をやってのけたバイエルンが最終的に獲得した勝ち点は「71」のため、早くも昨季の“優勝ライン”を上回ることとなった。
また、データサイト『Opta』によると、レヴァークーゼンにとっての勝ち点「73」はクラブ史上最多タイの数字だという。レヴァークーゼンはこれまでにブンデスリーガ制覇を成し遂げたことはないが、1999-2000シーズンは序盤から好調を維持し、バイエルンと優勝を争った。当時のチームは元ドイツ代表MFミヒャエル・バラックを筆頭に、同MFベルント・シュナイダー、同DFイェンス・ノヴォトニー、元ブラジル代表MFエメルソン、同MFゼ・ロベルトといった錚々たる面々を揃え、浦和レッズで活躍したMFロブソン・ポンテも在籍していた。
そんなレヴァークーゼンは第29節終了時点で首位へ浮上し、最終節が始まる前まではレヴァークーゼンが勝ち点を「3」リードしていたものの、最終節でウンターハヒンクに0-2で敗れ、得失点差によりバイエルンが首位へ浮上。文字通りあと一歩のところで優勝を逃していた。
レヴァークーゼンは過去5度わたり2位になったことがあるが、そのなかでも最多の勝ち点を獲得したのがこの1999-2000シーズンだった。当時、最終的に積み上げたポイント数は「73」。今季のレヴァークーゼンは第27節終了時点でこの勝ち点に並んでおり、残りの7試合でよほどのことが起こらなければ、この記録は塗り替えられることとなるだろう。
若きシャビ・アロンソ監督の下で、今季開幕から全コンペティションで無敗を維持しているレヴァークーゼン。“過去最強”と謳われた1999-2000シーズンを上回るペースで勝ち点を積み上げ、数々のクラブ記録を塗り替えてきた今季、“マイスターシャーレ”を掲げることはほぼ決定的と言っていい。初優勝へのカウントダウンは既にはじまっている。
By サッカーキング編集部
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