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【EXILE CUPヨーロッパサッカー夢者修行】自然体で楽しんだドイツ遠征

2019.04.08

試合で選手が使うベンチで記念撮影 [写真]=千葉格

 小学4年生から6年生を対象にしたフットサル大会「EXILE CUP 2018」を制覇したディアブロッサ高田FC(奈良)が3月に「ヨーロッパサッカー夢者修行」でドイツ遠征を実施。最終日はドルトムントのスタジアムスターに参加した。

 帰国日を迎えた一行は、朝から再びドルトムントの本拠地シグナル・イドゥナ・パルクに向かった。まずはファンショップでショッピングの時間を過ごすと、キャプテンの岩本悠庵(イワモトユアン)くんを先頭に、ドイツ人の店員に対しても物怖じせず、ほしい品物を求めていく。さらに買い物を終えた人から、ショップ内にある小さなサッカーコートでミニゲームをスタート。ここでも試合と同じように声を出してプレーするのが彼ららしい。

いつでもどこでもゴールは嬉しい [写真]=千葉格

 次にドルトムントのスタジアムツアーに参加し、試合日とは違った静かなスタジアムやクラブのミュージアムを見て回った。ドルトムントの選手たちが実際に使うロッカールームも見学し、木村宗太郎(キムラソウタロウ)くんは「いつもは見れないところを見れて楽しかった」。今本瑶晟(イマモトヨウセイ)くんも「本当だったら入れないところに行けて、とても貴重な経験ができました」とツアーを楽しんだ。

スタジアムツアーを堪能 [写真]=千葉格

 しかしその直後、いよいよピッチに出るところで突然の足止めを食らい、ロッカールームで待機となった。数分間のことだったが、選手たちにも疲労の色が見え始めた頃、クラブ関係者から「サプライズがあるよ!」と告げられつつピッチへ。本番と同じ大音量の音楽とともにトンネルを抜けると、そこにはなんとドルトムントのクリスティアン・プリシッチが待っていた。観戦した試合でもゴールを決めたアメリカ代表の若手スターの登場に、選手たちは一斉に写真撮影とサイン攻めを仕掛け、すっかり元気を取り戻した。

プリシッチにサイン攻め [写真]=千葉格

「むっちゃラッキーで、握手もできてよかったです! とても風格があってさすがプロの選手だなと思いました。やっぱり自分と違いました(笑)」と細川侑磨(ホソカワユウマ)くんは大興奮。高岡達矢(タカオカタツヤ)くんは「夢を叶えている選手の近くにいるのが不思議な感じでした」と話し、西込龍吾(ニシゴミリュウゴ)くんは「威圧感があってすごいと思いました。一昨日の試合も出場して、あの大歓声の中で点を決めるのはすごいと思ったし、憧れます」と目を輝かせた。

 最後の最後までサプライズを受けて、心躍るままスタジアムを後にした。空港へ向かう前にドイツ最後の食事で”適量“のピザを堪能し、一行は帰国の途についた。「海外での試合観戦やスタジアムツアー、ドイツの文化や食事とか、いろんなことを経験できてよかったです」と高橋凌大(タカハシリョウダイ)くんは今回の旅を振り返り、細川侑磨(ホソカワユウマ)くんは「ヨーロッパの強豪チームと戦えて、ドイツのレベルを知れたのは良かったです。これからは強いチームと対戦しても、落ち着いて自分たちのチームらしく対応できそうです」と話し、選手たちは収穫を得ていた。

実際に激しくぶつかったことでドイツを知った [写真]=千葉格

 ドイツでの遠征を経験し、彼らの「プロサッカー選手」という夢は変わらなった。だが、その想いはますます強くなった。高橋くんは「絶対にスタジアムのピッチに立ちたいと思ったし、プロになりたい気持ちが強くなりました」と力強く語れば、細川くんも「夢はむっちゃ大きくなりました。ちょっとは自分の夢に近づけたかなと思います」と夢に向かって加速する。

「6年間最後の思い出が作れました」と言う武藤亮真(ムトウリョウマ)くんは、「海外の人とサッカーができて、自分の力はまだまだ全然ダメだと思ったから、もっと努力しようと強く思いました」と改めて自覚が芽生えた。岩本くんは「プロの選手はすごいと思いました。同じ人間なのに、ずっと頑張ってやってきたからこそああいう場所にいけるし、そこで喜んでくれる人もいるので、すごいと思った。自分もそうなりたいと思いました」と海外サッカーを間近に体感し、思い描く夢が濃くなった。

武藤くん(中央)は海外のサッカーを体感しさらに闘志を燃やす [写真]=千葉格

 この4日間、選手たちはどこでも楽しむことに全力だった。彼ららしさが出たのは、試合中のピッチだけではなく、レストランやショップで現地の人に自分たちから注文をするときも、ファンショップのミニコートを見つけて元気にプレーしていたときもそうだった。「自分たちが考えて行動する」。そんな彼らの自然体こそが楽しむ秘訣なのだろう。

 川上弘仁監督は選手たちに「サッカーを楽しめる人」になってほしいと願う。「ずっと楽しくサッカーを続けて、プロじゃなくても、大人になってもやってほしい。そういう子たちが帰ってきて、うちの大人のチームで試合に出たり、その子たちの子供がまたチームに入ってきてやるとか、そういうのが理想ですね。飛び抜けたやつはプロになってくれたら嬉しいし、そういう子たちがまた帰ってきてくれたら同じぐらい嬉しい。そんなことがずっと続いてくれたらいいなと思います」

 ドイツでサッカーを全力で楽しんで得た経験は彼らの心に刻まれたはずだ。この経験をどう生かすかは彼ら次第。今後どんな道に進もうとも、きっと自分たちで考え、夢に向かって行動していくだろう。それが未来へとつながっていく。

[写真]=千葉格

EXILE CUP 2019~ROAD TO EUROPE~開催決定!

今年で10年目を迎える「EXILE CUP」。小学4年生~6年生を対象に、9地区12会場で予選大会を行い、各地区の優勝チームは全国大会へ進出する。
「サッカー・フットサルを頑張る子どもたちの参加をお待ちしています!」

開催情報、応募詳細は大会HP(www.exilecup.jp/)をチェック!

【EXILE CUPヨーロッパサッカー夢者修行2019/現地レポート全4話】
【第1話】「サッカーに熱いドルトムントで夢を追う遠征開始」
【第2話】「ブンデスリーガ生観戦。鳴り響く8万人の歓声に感動」
【第3話】「ドイツでも貫いた“自分たちらしい”戦い」

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By 湊昂大

Kota Minato イギリス大学留学後、『サッカーキング』での勤務を経てドイツに移住して取材活動を行う。2021年に帰国し、地元の広島でスポーツの取材を中心に活動中。

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