スイス代表vsイタリア代表[写真]=Getty Images
欧州各国のサッカー代表チームによって争われる『EURO2024』のラウンド16が29日に行われ、スイス代表とイタリア代表が対戦した。
グループステージでドイツと同居したスイスは、1勝2分無敗でグループAを突破。そのグループステージでは、アディショナルタイムに追いつかれたもののドイツ相手に終盤までリードを奪うなど、危なげない戦いを見せ、3大会連続の決勝トーナメント進出を決めた。
一方のイタリアは、FWマッティア・ザッカーニが98分に決めた劇的なゴールにより、グループB2位の座を確保。スペイン、クロアチアと同居した“死の組”を這い上がってきた。両者は前回大会(EURO2020)のグルーステージで対戦し、その時はイタリアが3-0で勝利している。
スイスの先発メンバーは、MFミシェル・アエビシェールやMFグラニト・ジャカらグループステージで活躍した面々が順当に名を連ねた。一方、イタリアはMFブライアン・クリスタンテ、MFニコロ・ファジョーリが今大会初先発となり、グループステージで出場機会がなかったDFジャンルカ・マンチーニ、FWステファン・エル・シャーラウィもスタメン入り。なお、スイスはDFシルヴァン・ヴィドマー、イタリアはDFリッカルド・カラフィオーリが出場停止となっている。
前半立ち上がりは、スイス代表が「5-2-3(3-4-3)」の布陣でボールを保持し、イタリア代表がミドルゾーンで「4-1-4-1(4-3-3)」のブロックを組む展開となった。最初の決定機は24分、スイスに訪れる。最終ラインの背後へブレール・エンボロが抜け出すと、ペナルティエリア内でGKと1対1の状況に。しかし、エンボロの強烈なシュートは、イタリアGKジャンルイジ・ドンナルンマが見事な反応でセーブし、得点を許さなかった。
その後も、スイスがボールを支配する時間が続く。イタリアは落ち着いた守備でゴール前を固め、得点を許さなかったが、スイスの素早い攻守の切り替えと連動したプレスに苦しめられ、攻撃の起点を全く作れなかった。
すると、37分にスイスが試合を動かす。左サイドへ流れてボールを受けたルベン・バルガスが中央へ低いパスを送ると、後方からペナルティエリア内へ走り込んたレモ・フロイラーがワントラップから左足でシュート。ドンナルンマのニアサイドを射抜いてゴールネットを揺らした。
先制点を奪ったスイスは、その後も主導権を譲らず。前半終了間際にはイタリア陣内でフリーキックを獲得する。ファビアン・リーダーが直接ゴールを狙うと、シュートは枠内ギリギリのコースに飛んだ。しかし、これはドンナルンマが再び見事なセーブを見せてゴールを死守。前半はこのままスイスが1-0とリードして終了した。
イタリアは後半開始からエル・シャーラウィに代えてザッカーニを投入し、反撃を目指す。しかし、後半キックオフのデザインされたであろうプレーに失敗すると、スイスがカウンターを発動。ボールを奪った流れから、左サイドで短いパスをテンポよくつなぐと、最後はルベン・バルガスがペナルティエリア内から右足でカーブをかけたシュート。これが綺麗な軌道を描いてゴール右隅へと吸い込まれ、スイスが追加点を奪うことに成功した。
2点差に開いたあとも、スイスのペースで試合が進む。52分にファビアン・シェアのクリアがあわやオウンゴールかという場面もあったが、イタリアは効果的な攻撃を仕掛けることができなかった。
それでもようやく74分にイタリアが決定機を作る。中央からクリスタンテがアーリークロスを入れると、ザッカーニがヘディングでコースを変えて、ジャンルカ・スカマッカがシュート。しかし、これはポストに跳ね返され、得点には至らなかった。
試合はこのまま2-0で終了。勝利したスイスは、同国史上最高成績を更新した前回大会に続き、2大会連続のベスト8進出を決めた。一方、前回王者のイタリアは決勝トーナメント1回戦で姿を消すことになった。
By サッカーキング編集部
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