途中出場したエンバペはフランスの攻撃陣にエネルギーを注入した [写真]=Icon Sport via Getty Images
EURO2024予選・グループB第10節(最終節)が21日に行われ、フランス代表とギリシャ代表が対戦した。
ここまでのEURO2024予選で無傷の7戦全勝を飾っているフランス代表は、6試合を消化した段階で早々と本大会出場権を勝ち獲った。最終節では8戦全勝を目指してギリシャ代表のホームに乗り込む。既にグループBからはオランダ代表の突破も確定していることから、本大会にストレートインできる2枠は埋まっているものの、ギリシャ代表はUEFAネーションズリーグ(UNL)2022-23の結果によりプレーオフへの出場権を確保。最終節はプレーオフの戦いに向けて弾みをつける一戦としたい。
フランス代表を率いるディディエ・デシャン監督は“エース”でキャプテンのキリアン・エンバペをベンチスタートとした。代わりにアントワーヌ・グリーズマンが腕章を巻く。他にも、ウィリアン・サリバ、ウスマン・デンベレ、オリヴィエ・ジルーといった豪華な面々がスターティングメンバーに名を連ねた。対するギリシャ代表はコンスタンティノス・マヴロパノスやヨルゴス・マスラスらが先発に並んだ。
試合は33分、フランス代表がビッグチャンスを作り出す。敵陣中央で前を向いたユスフ・フォファナが最終ライン背後のスペースへ浮き球のボールを送ると、抜け出したグリーズマンがダイレクトで合わせる。左足でコースを狙ったボレーシュートは左ポストに嫌われた。
その後は均衡が破れず、スコアレスのまま前半の終盤に突入。フランス代表は42分、ドリブルで持ち運んだフォファナが斜めのパスをつけると、ジルーがフリックでボックス右のスペースへボールを流す。反応したランダル・コロ・ムアニは角度がない位置ながらも迷わず右足を振り抜き、強烈なシュートでニアサイドを撃ち抜いた。フランス代表が1点をリードしてハーフタイムに突入している。
後半に入るとギリシャ代表が反撃へ。56分、敵陣右サイド深い位置でボールを奪い返したところから、マスラス、アンドレアス・ブーハラキスがフィニッシュまで持ち込むも、ここは相手にブロックされる。それでも、ペナルティエリア手前でこぼれ球を待っていたアナスタシオス・バカセタスが左足一閃。ダイレクトで低弾道のボレーシュートを突き刺し、ギリシャ代表が試合を振り出しに戻した。
勢いに乗ったギリシャ代表は続く61分、敵陣左サイド高い位置でロングフィードを受けたディミトリス・ヤヌリスが、対峙したジュール・クンデを抜き去ってペナルティエリア左へ侵入。中央への折り返しをフォティス・ヨアニディスがダイレクトで沈め、およそ5分間でギリシャ代表が逆転に成功した。
対するフランス代表は64分にメンバーを3枚変更。コロ・ムアニ、クンデ、デンベレを下げて、キングスレイ・コマン、ジョナタン・クラウス、そしてエンバペをピッチへ送り出した。70分にはジルーに代えてマルクス・テュラムを投入。すると74分に再び試合が動く。エンバペが敵陣左サイドから中央へ繋ぐと、ペナルティエリア手前で前を向いたフォファナが右足で強烈なミドルシュートを叩き込む。フォファナの放った目の覚めるような一撃で、フランス代表が同点に追い付いた。
最後まで勝利を目指すフランス代表は90分、ペナルティエリア右を縦に切り裂いたコマンが中央へ折り返すと、このボールがディフレクションしてポストに嫌われる。4分間のアディショナルタイムも攻撃的に振る舞い、エンバペがクロスバー直撃のミドルシュートを放ったが、最後まで3点目を挙げることはできず、試合はこのままタイムアップを迎えた。
この結果、フランス代表は8戦全勝とはならず、7勝1分という最終成績でEURO2024予選の全日程を終えた。ギリシャ代表にとっては、プレーオフの戦いに向けて自信が得られる一戦となっただろう。
なお、UNLでギリシャ代表が入っていたリーグCは4チームのプレーオフ進出枠が固まっていることから、既にプレーオフの組み合わせも決定。ギリシャ代表は2024年3月21日、プレーオフ・パスCの準決勝でホームにカザフスタン代表を迎える。
【得点者】
0-1 42分 ランダル・コロ・ムアニ(フランス代表)
1-1 56分 アナスタシオス・バカセタス(ギリシャ代表)
2-1 61分 フォティス・ヨアニディス(ギリシャ代表)
2-2 74分 ユスフ・フォファナ(フランス代表)
By サッカーキング編集部
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