後半ATに劇的ゴールを決めたベリンガム [写真]=Getty Images
ラ・リーガ第32節が21日に行われ、レアル・マドリードとバルセロナが対戦した。
今季公式戦では3度目、ラ・リーガでは2度目のエル・クラシコが、レアル・マドリードの本拠地『サンティアゴ・ベルナベウ』にて行われる。ラ・リーガで首位を走るホームチームは、ここまで24勝6分わずか1敗の成績で勝ち点「78」を積み上げた。現在ラ・リーガでは4連勝を飾っているだけでなく、チャンピオンズリーグ(CL)でもマンチェスター・シティとのPK戦にまでもつれ込む死闘を制しており、チームは勢いに乗っていると言っていい。
そんなレアル・マドリードを勝ち点差「8」で追いかけるのが2位のバルセロナだ。ここまでの成績は21勝7分3敗。一時期はジローナに優勝争いの座を譲っていたものの、気が付けば2位に浮上。CLではパリ・サンジェルマン(PSG)相手に逆転負けを許したことで、今季狙える残りのタイトルはラ・リーガのみとなった。この試合に勝利すれば、まだ優勝への道は続いていく。
今季、両チームは昨年11月に行われた第11節で激突し、当時はレアル・マドリードがジュード・ベリンガムの2ゴールで逆転に成功し、2-1で勝利していた。1月にはスーペルコパ・デ・エスパーニャの決勝で再び相まみえたが、レアル・マドリードが4-1と圧勝。ヴィニシウス・ジュニオールはハットトリックを達成していた。
エル・クラシコ3連勝を目指すレアル・マドリードは、トニ・クロース、ベリンガム、ヴィニシウスといった主力がスターティングメンバーに並ぶ。オーレリアン・チュアメニがセンターバックの一角を務め、エドゥアルド・カマヴィンガは左サイドバックに入った。一方、バルセロナはイルカイ・ギュンドアン、ラミン・ヤマル、ロベルト・レヴァンドフスキと、こちらも豪華な陣容を揃えて決戦に臨む。ペドリやジョアン・フェリックスはベンチスタートとなった。
試合は立ち上がりの6分に均衡が破れる。レアル・マドリードは自陣でのビルドアップが乱れ、レヴァンドフスキにボールを攫われそうになったものの、慌てて処理したクロースがスライディングでクリア。バルセロナはこのプレーで右コーナーキックを獲得すると、ハフィーニャが左足でインスイングのボールを蹴り込む。ファーサイドめがけたボールに対して、飛び出したGKアンドリー・ルニンが触れずに流れると、最後はアンドレアス・クリステンセンが頭で沈めた。勝利がマストのバルセロナが、アウェイの地で幸先良く先手を取った。
バルセロナが先制したものの、序盤に試合の流れを引き寄せたのはレアル・マドリード。直後の8分には、ペナルティエリア手前で前を向いたチュアメニの浮き球パスから、ボックス右へ入り込んでいたモドリッチが頭で逸らすと、最後は走り込んだヴィニシウスがダイレクトで合わせる。右足で狙ったシュートはクロスバーの上へと外れた。
続く17分には右サイド高い位置を取ったルーカス・バスケスが、ベリンガムからサイドチェンジのボールを受けてドリブルを開始。内側への持ち出しを匂わせながら、縦へ仕掛けて対峙したジョアン・カンセロを置き去りにすると、カバーにきたパウ・クバルシに倒される。主審は迷わずペナルティスポットを指差し、レアル・マドリードにPKが与えられた。キッカーを務めたヴィニシウスは、GKマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンにコースを読まれながらもゴール右下にシュートを叩き込み、レアル・マドリードが試合を振り出しに戻した。
その後はレアル・マドリードがボールを保持する時間が増え、対するバルセロナは奪ってからのスピーディな攻撃でゴールを狙う様子を見せる。28分にはバルセロナが右コーナーキックからチャンス構築。ニアサイドで逸らしたヤマルのシュートがゴールラインを割ったかに見えたが、判定はノーゴール。
両チーム悪くないシーンを作りながらも、1-1のまま前半アディショナルタイムに突入。バルセロナとしてはこの時間帯にフレンキー・デ・ヨングが負傷するアクシデントに見舞われ、代わってペドリを送り出したが、このままスコアは動かず、45分間は1-1で終了した。
後半に入ると、立ち上がりの時間はベリンガム、ヴィニシウスらがフィニッシュまで持ち込むシーンを作るも、逆転弾は生まれない。対するバルセロナもレヴァンドフスキや、ハーフタイム明けから投入されたフェルミンがゴールを脅かすなど、スリリングな展開で時計の針が進む。
このような状況で迎えた64分、シャビ・エルナンデス監督が動く。レヴァンドフスキとハフィーニャを下げ、フェラン・トーレスとJ・フェリックスを送り出した。すると直後の66分、この2人が絡んでチャンスを構築。カウンターの場面で、左サイドでGKテア・シュテーゲンからのパスを受けたJ・フェリックスが背後のスペースへ流し入れると、抜け出したフェランがボックスに侵入したが、カマヴィンガの寄せも影響してかシュートは枠を外れた。
この交代で勢いに乗ったバルセロナは69分、再びゴールネットを揺らす。敵陣へ押し込みながらボールを保持するなか、フェランが右サイドのヤマルへ浮き球のボールを送ると、ボックス幅で前を向いたヤマルは左足で低い弾道のボールを蹴り込む。このボールは走り込んでいたフェランに合わず、直接ゴール方向へ向かうと、GKルニンが弾いたこぼれ球をフェルミンが押し込む。交代出場の選手たちが攻撃にアクセントを加え、バルセロナが再び勝ち越しに成功した。
ホームで負けられないレアル・マドリードも即座に反撃へ。73分、敵陣左サイドで細かくボールを繋ぎながら突破の隙を探ると、バルベルデのスルーパスからヴィニシウスが抜け出す。左足でクロスボールを送ると、ファーサイドからフリーで走り込んだL・バスケスがダイレクトで押し込んだ。前半にPK獲得の大仕事を果たしていたL・バスケスが、今度は自らゴールを決め、再び試合は同点となった。
直後の77分にはGKルニンの蹴ったパントキックから、ヴィニシウスがスピードに乗って背後のスペースへ侵入したものの、シュートはGKテア・シュテーゲンに阻まれる。終盤はホームチームの方がチャンスの数を増やすも、逆転ゴールは生まれずに後半アディショナルタイムに突入する。
このまま試合終了かと思われたが、“主役”は最後に現れた。レアル・マドリードはピッチ中央付近で前を向いたブラヒム・ディアスがドリブルで持ち運び、右サイドへ展開すると、駆け上がっていたL・バスケスはダイレクトでグラウンダーのボールを入れる。ニアサイドでホセルが潰れると、最後はファーサイドに詰めていたベリンガムが左足で突き刺した。昨年開催のエル・クラシコに続き、またもベリンガムがゴールネットを揺らし、土壇場でレアル・マドリードが逆転に成功した。
試合はこのままタイムアップ。エル・クラシコ3戦全勝、ラ・リーガ5連勝を飾ったレアル・マドリードは、バルセロナとの勝ち点差を「11」まで広げた。これで2シーズンぶりのラ・リーガ優勝が決定的なものとなっている。対照的に、バルセロナは今季無冠の可能性が非常に高まった。
次節、レアル・マドリードは26日に敵地で久保建英が所属するレアル・ソシエダとと対戦する。一方、バルセロナは29日にバレンシアをホームに迎える予定だ。
【得点者】
0-1 6分 アンドレアス・クリステンセン(バルセロナ)
1-1 18分 ヴィニシウス・ジュニオール(PK/レアル・マドリード)
1-2 69分 フェルミン・ロペス(バルセロナ)
2-2 73分 ルーカス・バスケス(レアル・マドリード)
3-2 90+1分 ジュード・ベリンガム(レアル・マドリード)
【スターティングメンバー】
レアル・マドリード(4-3-1-2)
GK:アンドリー・ルニン
DF:ルーカス・バスケス、オーレリアン・チュアメニ、アントニオ・リュディガー、エドゥアルド・カマヴィンガ(71分 フラン・ガルシア)
MF:ルカ・モドリッチ、フェデリコ・バルベルデ、トニ・クロース(71分 ブラヒム・ディアス);ジュード・ベリンガム
FW:ロドリゴ(74分 エデル・ミリトン)、ヴィニシウス・ジュニオール(82分 ホセル)
バルセロナ(4-3-3)
GK:マルク・アンドレ・テア・シュテーゲン
DF:ジュール・クンデ、ロナルド・アラウホ、パウ・クバルシ、ジョアン・カンセロ
MF:アンドレアス・クリステンセン(46分 フェルミン・ロペス)、イルカイ・ギュンドアン、フレンキー・デ・ヨング(45+7分 ペドリ)
FW:ラミン・ヤマル、ロベルト・レヴァンドフスキ(64分 フェラン・トーレス)、ハフィーニャ(64分 ジョアン・フェリックス)
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