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なぜ、クラシコは延期になったのか? 今季初の決戦へ、尽きない懸念と両チームのキーマンは?

いよいよ今季最初のエル・クラシコがキックオフを迎える [写真]=Getty Images

 10月26日に予定されていた“エル・クラシコ”は、12月18日に延期された。延期の理由は、“政治”だ。どこの国でもそうだが、政治とスポーツは切り離せない。

カタルーニャ州で起こった大規模なデモやストライキ

カタルーニャ独立派の政党幹部らの裁判を巡り、各地でデモやストライキが起こった [写真]=Getty Images


 10月14日にスペイン最高裁は、12人のカタルーニャ独立派の政党幹部らに有罪判決を下した。彼らは2017年10月1日に強行されたカタルーニャ州の独立を問う住民投票に関与したことで拘束されていた。カタルーニャ共和主義左翼党首のオリオール・ジュンケーラスに13年など、住民投票を扇動したリーダーたちに9年から13年という判決が下された。この判決を不服とし、カタルーニャ州のいたるところで大規模なデモやストライキが行われた。

 空港に人が集まり、封鎖されたり、バリケードで主要幹線が閉じられたり。夜にはこの騒ぎに便乗して、ゴミ箱や車を燃やし、暴徒する集団が警察と対立した。ニュースでゴミ箱、車を燃やし、警察に対立する市街戦のような映像が流れたが、そんな暴徒に参加している人たちのほとんどに政治的信念はなく、ただ単純にこの騒ぎに便乗して、暴れたいだけの人たちばかりに映った。なぜなら、カタルーニャ州の独立を訴える人たちは、いつも自分たちは暴力に訴えない平和的な意思表明をしていると自負している人が多いからだ。

試合内容よりピッチ外が注目される可能性も?

 なぜ判決に不服なのか?

 スペインには汚職や賄賂など政治の腐敗が目につくが、彼らが裁かれる罪状と比較して、判決があまりにも重いと感じているからだ。誰も痛めず、傷つけず、政治運動を扇動しただけで逮捕され、重い刑罰を下された。判決が下されたリーダーたちが、法律を犯しているとはいえ、罪状が重いのではないか、と思っている独立反対派の人も多くいる。また、それ以上に中央政府もカタルーニャ州政府も共に相変わらず子どもじみた喧嘩をしていると思っている人が多い。

「スペインには、独立賛成、反対に関わらず、この状況をおさめられるまともな能力を持った政治家がいない」という嘆きは、最近の道端での会話での常套句となっている。

 このように大規模なデモ、ストライキが起き、その情勢を考慮し、警備の不安も重なり、プロリーグ機構(LFP)、そしてバルセロナとレアル・マドリードは延期を決断したのだ。

 しかし、懸念は尽きない。12月18日に行われるクラシコでは、10月14日に空港を封鎖するデモを起こした組織『ツナミ・デモクラティック』がカンプ・ノウ周辺の4カ所での集会への参加を呼びかけている。審判、レアル・マドリードは、このデモを予期し、カンプ・ノウから約500メートル離れたホテルに試合前は滞在する予定だ。しかし、そのホテルの目の前は、集会予定の4会場の1つになっている。

 今回のクラシコは同勝点同士の首位決戦に関わらず、延期された要因がそうであるように、政治を絡めたピッチ外での話題がクローズアップされそうだ。レアル・マドリードのバスは、どう迎えられるのか? カンプ・ノウのスタンドは試合中にどんな反応を示すのか? 横断幕を出し、どんなメッセージを発信するのか? といった具合にだ。

注目の一戦を左右する選手たち

リオネル・メッシ

[写真]=Getty Images


生年月日:1987年6月24日
身長/体重:170センチ/72キロ
出身地:ロサリオ(アルゼンチン)
ポジション:フォワード
背番号:10
利き足:左
経歴:バルセロナB → バルセロナ

 メッシは、クラシコにおいても“王様”だ。これまでにレアル・マドリードとは公式戦で41試合対戦し、19勝10分12敗26得点を記録している。その内、リーガでのレアル・マドリードとの対戦戦績は、25試合14勝5分6敗18得点。クラシコの歴史において、歴代最多得点者はこのアルゼンチン人であり、またセルヒオ・ブスケツと並び歴代最多勝者でもある。

 すでに歴史に太字でその名を刻んでいるが、32歳となった現在もその勢いはとどまることを知らない。6度目のバロンドールを受賞したばかりのメッシは、その賞に値する結果を今シーズンも残している。16節マジョルカ戦では、キャリア通算53回目(バルセロナ47回、アルゼンチン代表6回)となるハットトリックを達成し、リーガではクリスティアーノ・ロナウドが持つ34回を抜き、歴代最多単独となる35回目のハットトリックだった。リーガでは14シーズン連続で2桁以上のゴールを決めているアルゼンチン人は、怪我で今シーズンは出遅れたが、負傷から復帰するとリーガでは11試合12得点で気づけば定位置であるゴールランキングの先頭に立っていた。

 新加入のグリーズマン、そして盟友のルイス・スアレスと組む新たな“トリデンテ”も今では機能し、17節終了時点で3人合計27ゴール(メッシ12得点、ルイス・スアレス9得点、グリーズマン6得点)という破壊力を実証している。メッシは、あと4試合でシャビ・エルナンデスが持つリーガにおけるクラシコ最多出場試合数29に並ぶ。新たな記録を次々と打ち立てるメッシは、今回のクラシコでどんな結果、そして伝説を残すのだろうか。

カリム・ベンゼマ

[写真]=Getty Images


生年月日:1987年12月19日
身長/体重:187センチ/79キロ
出身地:リヨン(フランス)
ポジション:フォワード
背番号:9
利き足:右足
経歴:リヨン → レアル・マドリード

 レアル・マドリードに加入して11シーズン目を迎えているベンゼマは、今シーズンもエースとして躍動している。リーガでは15試合12得点でメッシと並びゴールランキングトップに立っている。シーズン自己最多となった24ゴールを決めた2015-16シーズンは、リーガ16試合終了時点で8ゴールを決めていた。今シーズンはそのペースを上回る勢いだ。現在は絶好調で、最近公式戦6試合で8得点を奪っている。フランス人ストライカーは、これまでにクラシコに32試合(リーガ20試合、コパ・デル・レイ6試合、スーペル・コパ6試合)に出場し、9得点8アシストを記録した。カンプ・ノウでは、3得点6アシスト、クラシコでの初得点は、2011-12シーズンのサンティアゴ・ベルナベウでのゲームで、開始22秒で先制点を決めた。この得点はクラシコにおける歴代最速ゴールとなった。

 ジネディーヌ・ジダン監督は「数字が彼を物語っている。フットボールが好きな人は彼が好きだし、そのクオリティの高さを私たちは知っている。大事なのはチームのためであり、コンビネーションもいい。とてもいいプレーをしている。クリスティアーノ・ロナウドがいなくても、彼は変わらない。カリムはもっと成熟した」と同胞に信頼を寄せる。指揮官が言うように、今ではエースの風格を漂わせている。クラシコ直前のバレンシア戦では、難地メスタージャでロスタイムに値千金の同点ゴールを決めた。94分28秒と彼のキャリアにおいて最も遅い時間に決めたゴールだった。苦しい時に決定的な仕事をする。円熟した9番は、今シーズンの大一番でマドリディスタが期待するエースの仕事を遂行できるだろうか。

カゼミーロ

[写真]=Getty Images


生年月日:1993年2月23日
身長/体重:184センチ/80キロ
出身地:サン・ジョゼ・ドス・カンポス(ブラジル)
ポジション:ミッドフィルダー
背番号:14
利き足:右足
経歴:サンパウロ → レアル・マドリードB → ポルト → レアル・マドリード

 レアル・マドリード寄りのメディアであるスペイン紙「アス」「マルカ」がクラシコの話題で必ず取り上げるテーマがある。

「いかにメッシを止めるか?」

 バルセロナのエースを止める上で、必ず名前が挙がるのが、カゼミーロだ。ブラジル人ミッドフィルダーは、クラシコ直前のバレンシア戦にベンチ入りしたが、ピッチには立たなかった。なぜならば、カゼミーロはイエローカードを4枚受けており、累積警告による出場停止にリーチがかかっていたからだ。12節からイエローカードを4枚抱えていたが、バレンシア戦まで出場停止にならなかった。バレンシア戦は大事な試合を位置づけ、常々ベストメンバーで挑むと公言していたジダン監督は、カゼミーロが出場しなかったことを試合後の会見で突っ込まれたが「カゼミーロはこの試合でプレーする予定ではなかった。彼は20試合プレーしており、もう少し休みが必要だった」とごまかしている。フランス人指揮官にとって、カゼミーロはクラシコに欠かせない戦力だ。それは今シーズンの出場時間から容易に読み取れる。カゼミーロは1,830分、次に多いのはセルヒオ・ラモスで1770分、ベンゼマで1767分とチームで最もピッチに立っている。

 そんなレアル・マドリードの中盤は、昨シーズンの公式戦でゴールに絡んだ回数が38だった。20ゴール18アシストを中盤の選手が記録した。そして、今シーズンはまだクリスマス前にもかかわらず、中盤は公式戦で26得点に絡んでおり、11得点15アシストを記録している。3得点5アシストのモドリッチ、3得点4アシストのクロース、2得点3アシストのバルベルデ、そしてカゼミーロが2得点2アシスト、ハメスが1得点1アシスト。中盤の攻撃力が挙がったのは、バルベルデの台頭がよくフォーカスされるが、出場時間が示すようにカゼミーロの成熟も欠かせない要因だ。レアル・マドリードがメッシを封じ、中盤の選手が得点を決めることがあれば、目立たないが効果的なプレーをするカゼミーロの姿がカンプ・ノウにあるはずだ。

文=座間健司

☆12月はWOWOWでリーガが見逃せない!☆

〇伝統の一戦クラシコ バルセロナ vs レアル・マドリード
12/18(水)深夜3:30~ 現地より生中継

〇久保建英のマジョルカや乾貴士のエイバル、ラ・リーガ2部などその他の放送カードはコチラ

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