元スペイン代表FWノリートが36歳で現役引退…セルタで活躍、マンCでもプレー

　元スペイン代表FWノリートが13日、自身の公式SNSを通して現役引退を表明した。

　ノリートは12日付で自身の公式Instagram（＠nolitoo10）を更新。自身がこれまでプレーしてきた複数のクラブチーム、およびスペイン代表の写真をまとめた1枚の画像と共に「言葉では言い表すことができないような、様々な感情が入り混じった複雑な気持ちではあるが、皆さんに伝えなければならないことがある。長年にわたり僕の人生そのものであった情熱、つまりサッカーに別れを告げなければならない時が来た」と綴り、現役生活に別れを告げた。

「多くのことを経験し、数え切れないほどの思い出を永遠に持ち続けることとなるこの素晴らしいスポーツを、最高のレベルで楽しむことができたのは、僕にとっての特権であり、幸運なことでもあった。サッカーを始めた初日から、今日という現役引退を告げる日まで、僕を支えてくれた家族に特別な感謝を伝えたい」

「そして、僕のキャリアに何らかの形で関わってくれたすべての人々にも感謝の言葉を送りたい。かつてのチームメイトのみんな、そして僕が所属してきたすべてのチームの皆さんにも心から感謝している。そして、ファンの皆さんがいつも僕に示してくれた愛情と感謝の気持ちを決して忘れることはないだろう」

「最後に、僕の故郷であるサンルーカル・デ・バラメーダ、そしてアトレティコ・サンルケーニョの友人たちに特別な言葉を贈りたい。プロとしてのキャリアをスタートさせたクラブチームで僕自身のキャリアを終えることができればという願いに対して、これほど多くの愛情を貰えて感無量だけれども、新たな挑戦を始めるときが来たのだと思っている。ありがとう、サッカー！また会う日まで」

　ノリートは1986年10月15日生まれの現在36歳。アンダルシア州カディスのムニシピオであるサンルーカル・デ・バラメーダで産声を上げると、地元アトレティコ・サンルケーニョでトップチームのキャリアをスタートさせた。バレンシアのカンテラ（育成組織）を経て、その後所属したエシハではセグンダ・ディビシオンB（当時3部リーグ）優勝を経験。2008年夏にはバルセロナBに加入した。

　バルセロナBではルイス・エンリケ監督（現：パリ・サンジェルマン）から高く評価され、左サイドのウイングを主戦場にの主力の1人として活躍したが、トップチームでの出場機会は勝ち取れず。バルセロナBに在籍した3シーズンで公式戦107試合出場29ゴールを記録したが、トップチームではわずか5試合出場1ゴールにとどまった。2011年夏にベンフィカへの完全移籍を決断すると、初の国外移籍で才能が開花。1シーズン半の在籍ながら公式戦63試合出場16ゴール12アシストを記録し、2012－2013シーズン冬の移籍市場ではグラナダにレンタル移籍加入した。

　2013年夏にセルタへ完全移籍。バルセロナB時代のL・エンリケ監督と再会を果たした。ビーゴの地ではラ・リーガ屈指のウインガーとしてその評価を高め、3シーズンで公式戦通算103試合のピッチに立ち、39ゴール23アシストをマーク。この活躍が認められ、2016年夏にはマンチェスター・シティへ完全移籍を果たした。2016－17シーズンは序盤戦こそ主力の一角として活躍したが、徐々に就任1年目だったジョセップ・グアルディオラ監督からの信頼を失っていく。イギリスの気候にも馴染むことができず、最終的には公式戦30試合出場6ゴール5アシストという成績を残し、わずか1年での退団が決まった。

　その後所属したセビージャでは初年度こそ定位置を掴んでいたが、翌シーズンは負傷の影響もあって出場機会が激減。セビージャではトップフォームを取り戻すことができず、2019－20シーズン途中の2020年6月、スペインサッカー連盟（RFEF）が設けた負傷者発生時の特別規定を満たす移籍オペレーションにより古巣のセルタ復帰が決まった。2020－21シーズンは絶対的な主軸として公式戦37試合のピッチに立って9ゴール6アシストを記録。だが、翌シーズンは徐々にベンチを温める試合も増え、シーズン終了後に退団が決定した。昨年9月にはラ・リーガ2部を戦うイビサに加入。途中出場も多かったが公式戦28試合のピッチに立ち、1ゴール2アシストを記録した。

　また、世代別のスペイン代表とは縁のないキャリアだったものの、セルタ在籍時の2014年11月にはA代表デビューを飾った。その後はビセンテ・デル・ボスケ監督の信頼を掴み、代表定着を果たす。EURO2016でもメンバー入りし、ラウンド16で敗退するまで全4試合にスタメン出場。1ゴール1アシストをマークした。スペイン代表通算では16試合に出場して6ゴール7アシストを記録した。