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【ACL総括】明暗を分けたコロナ禍の短期決戦…日本勢は若手が存在感を発揮

イレギュラーな2020年のACLは蔚山現代の優勝で幕を閉じた [写真]=Getty Images

 新型コロナウイルスの猛威に晒された今シーズンのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)が19日に閉幕した。大会開幕後の3月から長期中断を余儀なくされ、従来のホーム&アウェイ方式からカタールでのセントラル開催へと形が変わり、ノックアウトステージは2戦合計ではなく、すべて一発勝負のレギュレーションで実施された。開催自体が危ぶまれた中で、過密日程を戦い抜いた選手やチームスタッフ、大会開催に向けて尽力した関係者へまずは敬意を表したい。

 19日に行われた決勝では、西地区を勝ち上がったペルセポリス(イラン)と、日本勢を含む東地区の戦いを制した蔚山現代(韓国)が対戦。蔚山現代が2-1で勝利し、2012年以来2度目のアジアタイトルを手にした。グループステージ初戦から決勝まで10試合無敗を貫き、今大会出場チームの中で最多の23得点と圧倒的な攻撃力を見せつけた。

 短期決戦にはメリット、デメリットの両面があるが、蔚山現代の優勝に関してはメリットが上回ったと言える。今大会は西地区と東地区で時期をずらして集中開催されたため、ペルセポリスの決勝進出が決まったのは10月3日。決勝まで2カ月以上も時間が空いた。対する蔚山現代は12月13日にヴィッセル神戸との準決勝を戦った。延長戦までもつれこむ激戦となったが、決勝までの準備期間は5日間あり、チームの一体感や勢い、試合勘を維持したまま、コンディション面も整えて決勝の舞台を踏むことができた。スコアこそペルセポリスが先に動かしたが、試合の立ち上がりから積極的な姿勢を見せていたのは蔚山現代の方で、失点後も怯むことなく見事な逆転劇を演じた。

 日本勢は本戦に出場した3クラブともグループステージ突破を果たした。カタールに舞台を移してからは、過密日程の影響を考慮していずれのクラブも選手をターンオーバーして起用したため、多くの選手、とりわけ若手選手が国際舞台の経験を積めたことはJリーグや日本サッカー界全体にとっても収穫の一つとなった。横浜F・マリノスの23歳のGKオビ・パウエル・オビンナは4試合に出場し、グループステージ第3節の上海上港戦では元ブラジル代表MFオスカルのPKをセーブするなど、インパクトを残した。

 FC東京は、Jリーグから今大会にかけてコンスタントに出場機会を得た安部柊斗中村帆高が今月下旬より活動を再開したU-23日本代表候補のメンバーに初選出。神戸の郷家友太も今大会、準決勝の蔚山現代戦に先発出場するなどタフなゲームをこなし、同じくU-23日本代表候補初招集と評価を上げた。日本勢で唯一、ベスト4まで勝ち残った神戸では、22歳のMF安井拓也の名前も挙げておきたい。チームの核であるアンドレス・イニエスタが大会中の受傷で離脱した中、代役として先発に抜擢され、大きな存在感を示した。

 神戸と横浜FMは「短期決戦」の影響を受けてか、明暗が分かれた。国際大会での経験が豊富な選手を多く揃える神戸は、ACL再開直前までJリーグで不振に陥っていたが、短期決戦の利からノックアウトステージに入って以降、試合をこなすごとにチームの一体感が増し、準々決勝、準決勝と2試合続けて延長戦をしぶとく戦った。一方で、ラウンド16で姿を消した横浜FMは、グループステージ最終節で奇跡の逆転突破を果たした水原三星ブルーウィングス(韓国)の勢いに飲み込まれた格好となった。

 FC東京に関しては、グループステージ第4節の上海申花戦でエースのディエゴ・オリヴェイラが相手選手の悪質なファウルを受け、今大会中の復帰が絶望的となってしまったことが痛恨だった。もちろんラフプレーはいかなる大会でも許される行為ではないが、今大会のように異例の過密日程をこなしながらアジアの厳しい戦いを勝ち抜くには、チームの総合力で様々な不運を乗り越えていかなければならない。

 新型コロナウイルスの影響は依然として各国に広がっていることから、来シーズンのACLも一都市での短期集中開催が有力と見られている。今大会に出場した3クラブは来シーズンのACL出場権を逃しているが、日本勢として今大会での経験を糧とし、3年ぶりのアジア奪還へとつなげたい。

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