PK戦の末にアーセナルがCL準々決勝進出 [写真]=Getty Images
チャンピオンズリーグ(CL)・決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)セカンドレグが12日に行われ、アーセナル(イングランド)とポルト(ポルトガル)が対戦した。
7シーズンぶりに“欧州最高峰の戦い”の舞台に戻ってきたアーセナルは、グループBを4勝1分1敗の成績で首位通過。第2節でRCランス(フランス)に1-2で敗れ、不穏な空気も漂ったが、残る試合では国内でも見せているような安定した試合運びで勝ち点を積み重ねた。
一方、国内屈指の名門として、4シーズン連続のCL本大会を戦うポルトは、グループHを4勝2敗の成績で2位通過。グループ内最大の強豪と目されたバルセロナ(スペイン)には2敗を喫したものの、残る4戦はすべて白星で飾り、2シーズン連続の決勝トーナメントへ駒を進めていた。
2月21日にポルトの本拠地『エスタディオ・ド・ドラゴン』で開催されたファーストレグは、ホームチームが完璧な試合運びを見せる。スコアレスで試合終了かと思われた後半アディショナルタイムには、ガレーノがカットインから右足でコントロールショット沈め、ポルトが1-0で先勝していた。
ホームに戻って逆転を目指すアーセナルは、9日に行われたプレミアリーグ第28節ブレントフォード戦(○2-1)からスターティングメンバー1名を変更。GKアーロン・ラムズデールに代わって、GKダビド・ラヤが起用された部分以外は、デクラン・ライス、マルティン・ウーデゴーア、ブカヨ・サカといった主力が軒並みにスタメンに並んだ。ガブリエウ・マルティネッリは負傷の影響で間に合わず、左ウイングにはレアンドロ・トロサールを起用。同試合での復帰も予想されてたいた冨安健洋はベンチスタートとなった。一方で、ポルトはキャプテンマークを巻くペペを筆頭に、ガレーノ、フランシスコ・コンセイソン、エヴァニウソンらが先発に並んだ。
試合は立ち上がりからホームの大声援を背にアーセナルが攻勢を強め、13分には右サイドで縦へ仕掛けたサカがカットインから自ら左足を振り抜くも、シュートはGKディオゴ・コスタに弾き出される。だが、クリアボールをめぐってサカが粘りを見せ、マイナス方向へ繋ぐと、ウーデゴーアがジョルジーニョとのパス交換でボックス内へ侵入。ここは足を振り切ることができない。
対するポルトは1点のリードを守り切ることを前提とした守備ブロックを構築しつつも、しっかりと狙いを定めたカウンターアタックでアーセナルのゴールを脅かす。22分、ペペーの放ったスルーパスでジョアン・マリオが右サイドを縦へ駆け上がり、グラウンダーの折り返しを送ると、ボックス中央で待っていたエヴァニウソンが右足を振り抜く。ここはGKラヤが横っ飛びセーブでゴールを許さなかった。
スコアレスのまま前半も終盤に差し掛かったが、アーセナルは41分に均衡を破る。前線へのロングフィードのクリアボールをウーデゴーアが回収すると、トロサールとのパス交換からボックス手前で前を向く。ウーデゴーアは相手の目線を集めてスルーパスを送ると、ペナルティエリア左のスペースへ抜け出したトロサールが右足で流し込んだ。アーセナルが2戦合計スコアを同点に戻し、前半を終えている。
後半に入ると、アーセナルはボールを握りながらもなかなか決定的なシーンを作り出せなかったが、67分に再びスコアを動かす。この日は最終ラインからカイ・ハフェルツを背後のスペースへ走らせる形を再三見せていたが、今度はベン・ホワイトからのボールにハフェルツが反応。寄せてきたペペに体を入れられたものの、粘りを見せたハフェルツがボールを残し、ルーズボールをウーデゴールが流し込んだ。アーセナルが勝ち越しに成功したかに思われたが、ここはハフェルツのファウルが確認され、ゴールへ認められない。
直後の70分には自陣でサカのパスを奪ったところから、ニコ・ゴンサレスがスペースへスルーパスを送ると、ピッチ中央へ顔を出したF・コンセイソンがドリブルを開始。中央で相手を引き付け、意表を突くタイミングで左足を振ったが、強烈な一撃はGKラヤに阻まれた。
終盤に差し掛かった83分には、アーセナルがこの試合最初の交代カードを切る。ジョルジーニョを下げてガブリエウ・ジェズスを投入し、トロサールをインサイドハーフに下げる形で攻撃的な布陣へとシフト。すると交代直後には、ボックス右のセカンドボールに反応したジェズスに早速チャンスが訪れたが、右足で狙った一撃はGKコスタのビッグセーブに阻まれた。
結局、セカンドレグはこのままアーセナルの1点リードで終了。180分間のトータルスコアは1-1となり、試合は延長戦に突入した。延長戦に入ると両チーム徐々に疲労の色が見え始めるが、それでも組織的に求められたタスクで穴を開けるシーンは皆無に近く、決定機は少ないまま延長前半の15分間が終了。延長戦のうちに試合を決めたいアーセナルは、延長ハーフタイムの時点でヤクブ・キヴィオルを下げてオレクサンドル・ジンチェンコ、トロサールを下げてエディ・エンケティアをピッチへ送り出した。
延長後半に入った110分にはそのエンケティアのポストプレーから、サカがゴール前に迫るシーンを作ったが、ポルトの守備陣も集中力を切らすことなく、最後は体を張って問題なく対応。結局延長戦の30分間でもスコアが動くことはなく、決着はPK戦に委ねられた。
PK戦では、先攻のアーセナルが1人目のウーデゴーアを筆頭に、ハフェルツ、サカ、ライスと4人全員が成功。一方、後攻のポルトは1人目のペペーが成功したものの、2人目のウェンデルはGKラヤの好セーブもあって失敗。3人目のマルコ・グルイッチは決めたが、4人目のガレーノもGKラヤの横っ飛びセーブに阻まれ、勝敗が決した。
この結果、PK戦を制したアーセナルが準々決勝行きの切符を掴み取った。2009-10シーズン以来、14年ぶりのベスト8入りを果たしている。一方、ポルトは最後まで圧巻のパフォーマンスを見せたが2020-21シーズン以来の準々決勝進出とはならなかった。
この後、3月15日に準々決勝の組み合わせ抽選会が予定されている。
【スコア】
アーセナル 1-0(2戦合計:1-1/PK戦:4-2) ポルト
【得点者】
1-0 41分 レアンドロ・トロサール(アーセナル)
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By サッカーキング編集部
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