上田綺世の得点を皮切りに日本代表がゴールラッシュ [写真]=金田慎平
FIFAワールドカップ26アジア2次予選兼AFCアジアカップサウジアラビア2027予選・グループB第6節が11日に行われ、日本代表とシリア代表が対戦した。
昨年11月よりはじまった2次予選も残すところあと1試合。日本代表は、第4節北朝鮮代表戦は没収試合となり、3-0勝利の扱いが決まった時点で、早々と3次予選(最終予選)進出を決めた。そんな状況で迎えた6月シリーズの初陣でも、敵地でミャンマー代表を5-0で粉砕。ここまで5戦全勝、19得点無失点と他を寄せ付けぬ戦いを披露している。
日本に帰って行われる2次予選の最終節では、広島県の『エディオンピースウイング広島』でシリア代表と激突。過去の通算対戦成績は日本代表から見て10勝2分無敗・32得点9失点と圧倒的な差があり、昨年11月の対戦時には久保建英、菅原由勢、細谷真大、そして上田綺世の2ゴールにより、5-0と大勝している。
だが、前日練習後に冨安健洋は「アジアカップ前と後で印象が変わったチーム。去年の対戦時とは違う相手になっていると思います」と警戒していた。シリア代表は現在グループBの2位につけているが、北朝鮮代表対ミャンマー代表の結果次第では3位転落の可能性も残しており、敵地であろうと勝利し、自力で最終予選行きの切符を掴みたい。
このような状況で迎えるシリア代表との一戦に向けて、日本代表を率いる森保一監督はミャンマー代表戦から継続して攻撃的な3-4-2-1の形を採用。左ウイングバックの中村敬斗、今回は右ウイングバックに入る堂安律を除く9名を入れ替えており、ミャンマー代表戦ではベンチスタートだった板倉滉、遠藤航、上田綺世らが先発に復帰。メンバー外となっていた冨安健洋&久保建英も満を持してスタメンに並んだ。鎌田大地や小川航基らがベンチから出番を待つ。一方で、長友佑都、鈴木唯人、そして前日練習を室内調整で終えていた前田大然と3名がメンバーから外れた。
試合は立ち上がりから日本代表がボールを握る。シリア代表は4-4-2のブロックを組みながら、奪いどころを定めながら日本代表を迎撃。立ち上がりの8分には、左サイドを抜け出した中村の折り返しから、ボックス内へ入り込んだ久保がフリーで左足を振り抜くも、シュートは枠の外へ。
続く13分には再び左サイドからゴールへ迫る。南野からのパスを受けた中村がドリブルをスタートさせ、縦への仕掛けで相手を振り切り、左足でクロスボールを送る。このボールが中央で待っていた上田の頭にピタリ。ヘディングシュートはクロスバーに当たってゴールに吸い込まれ、日本代表が幸先良く先手を取った。
“エースストライカー”の一撃で勢いに乗った日本代表は続く19分、自陣中央で中村からのパスを受けた久保が、前線にスペースがあることを確認してドリブルでボールを持ち運ぶ。右へ散らすと、待っていた堂安がカットインから左足一閃。ファーサイドを狙うと思わせて、コンパクトな振りからニアサイドを撃ち抜いた。
さらに22分には、敵陣左寄りのスペースでルーズボールを拾った久保が、前を向いてドリブルで前進。左斜め前を走っていた南野を使おうとすると、久保からのパスが空いてに相手に当たってそのままゴールイン。久保が絡んでオウンゴールが生まれ、日本代表がリードを広げた。
完全に“押せ押せ”ムードとなった日本代表は、南野や上田ら、次々とゴールに迫る場面を作り出すも、トドメの4点目は生まれない。前半の45分間はこのまま日本代表の3点リードで終了した。
後半に入ると、日本代表は中村に代えて伊藤洋輝を投入。4-1-4-1の形に変更し、最終ラインは左から伊藤、町田、板倉、冨安が並んだ。
4バックとなってからは前への勢いこそ落ちたものの、試合の流れは日本代表が掌握。62分には久保、遠藤を下げて、鎌田、相馬勇紀を送り出すと、徐々にチャンスの数も増えていく。
すると73分、相馬の仕掛けがペナルティエリア内で相手のファウルを誘い、日本代表にPKが与えられる。ファウルをもらった相馬自身が落ち着いてPKを沈め、後半最初のゴールが決まった。
このPKの直前には、広島生まれでサンフレッチェ広島所属の川村拓夢が、日本代表のユニフォームに袖を通して『エディオンピースウイング広島』のピッチに立つ。続く76分には、同じく広島所属のGK大迫敬介に代わって、FC町田ゼルビア所属のGK谷晃生が送り出された。
終盤に入った85分には、敵陣で伊藤がインターセプトしたボールを南野が引き取り、右足で狙い澄ました一撃を叩き込む。このままタイムアップの笛が吹かれ、試合は5-0で日本代表が勝利した。
この結果、日本代表が2次予選を6戦全勝で終えた。なお、アジア最終予選の組み合わせ抽選会は今月27日に実施予定。日本代表以外にも、カタール代表、韓国代表、オーストラリア代表などが順当に勝ち上がりを決めている。最終予選は今年9月よりスタートする。
最終予選では、2次予選を勝ち上がった18カ国を6カ国ずつ3グループに分け、ホーム&アウェイの2回戦総当たり方式を採用。各組の上位2カ国がストレートインとなり、3位と4位は4次予選 (アジア・プレーオフ) で2枠を、大陸間プレーオフで1枠を争うことになる。なお、2026年大会より、FIFAワールドカップの参加国が『48』へと拡大したことを受けて、アジア枠も『8.5』に広がった。
【得点者】
1-0 13分 上田綺世(日本代表)
2-0 19分 堂安律(日本代表)
3-0 22分 タエル・クルマ(OG/日本代表)
4-0 73分 相馬勇紀(PK/日本代表)
5-0 85分 南野拓実(日本代表)
【スターティングメンバー】
日本代表(3-4-2-1→4-1-4-1)
GK:大迫敬介(76分 谷晃生)
DF:冨安健洋、板倉滉、町田浩樹
MF:堂安律、遠藤航(62分 鎌田大地)、田中碧(73分 川村拓夢)、中村敬斗(46分 伊藤洋輝);久保建英(62分 相馬勇紀)、南野拓実
FW:上田綺世
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By サッカーキング編集部
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