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伊東・南野・中村の“フランストリオ”で日本代表攻撃陣活性化へ

2023.10.13

日本代表に久々の合流となった南野

 11月からFIFAワールドカップ26アジア2次予選がスタートする日本代表。10月13日にカナダ代表、17日にチュニジア代表と対戦する2連戦は公式戦前最後のテストマッチということで、できるだけ多くのトライをしておきたいところだ。

 三笘薫、鎌田大地、堂安律、前田大然というFIFAワールドカップカタール2022メンバー4人が不在となった攻撃陣も新たな組み合わせを試すべき。特に第2次森保ジャパン発足後、初招集となった南野拓実の有効な使い方を探ることは、今後に向けて大きな意味があるはずだ。
 
「4-2-3-1ならトップ下、4-1-4-1ならインサイドハーフがベース」と森保一監督も4日のメンバー発表会見で発言。11日のトレーニングでは、初招集の奥抜侃志が体調不良で欠席したこともあって、南野が左サイドに入ってクロスからのシュート練習を消化していたようだが、やはり試合ではインサイド寄りのポジションで使われると見られる。

 となれば、トップ下は久保建英との競争になるが、チャンピオンズリーグとラ・リーガで試合に出ずっぱりの久保は明らかにコンディション的に厳しい。代表合流もギリギリで、本人も「正直、きつい」と語っていたため、17日のチュニジア戦に照準を合わせることになる可能性もある。つまり、13日のカナダ戦は南野の先発が十分、考えられるのだ。

「4-2-3-1のトップ下は今までも何回かこの代表でプレーしたことがあるのでイメージはあるんですけど、4-3-3のインサイドハーフは経験がない。その位置だったとしても僕はトップ下っぽくプレーしてFWの裏のスペースに飛び込んでいく自分の特徴を出したいと思っています。FWの近くでいい距離感で動いたり、ビルドアップの時にいい形で攻撃に加わる、奪われた瞬間に誰よりも早くプレスをかけるというのは代表が大事にしていることだし、チームでも必要とされていること。そこを持ち込みたいですね」と本人は今シーズンのモナコで3得点3アシストと結果を出しているプレーに近いイメージを森保ジャパンでも表現したい考えだ。

 それを具現化するためにも、周囲との良好な関係性は不可欠。今回は1トップに古橋亨梧か浅野拓磨が入ると想定されるが、2列目は右に伊東純也、左に中村敬斗とスタッド・ランスの2人が有力となる。

 彼らは直近7日のリーグ戦で直接対決し、モナコが3-1で勝利している。その後、同便で9日に揃って帰国。すぐさま千葉に直行して、トレーニングルームで一緒に汗を流していた。

「特に3人で戦い方の話? 何も話していないです。機内食の話くらいかな」と伊東純也は冗談交じりにコメントしたが、「トップ下の拓実とはめちゃくちゃ長くやっていましたし、特に難しくはないので、スムーズに行ける。拓実はクロスに入ってくるのがうまいので、そういうところを見てあげれば」と全幅の信頼を寄せている様子だった。

 中村敬斗に関しても、ここ最近はクラブで揃って先発を続けており、徐々に伊東と絡むシーンが増えている。中村敬斗が9月25日のリール戦で新天地初ゴールを奪った際も、伊東純也がDFを背負いながらタメを作り、ボランチのマーシャル・ミュネツィがラストパスを送り、それを冷静にループで流し込む形だった。伊東、南野、中村が揃えばこの得点シーンのような効果的な連携・連動も見られそう。期待は高まる一方だ。

 やはり伊東の爆発的な推進力を考えると、右から縦に突破してクロスが入り、そこに南野と中村が飛び込んでいくパターンが最もゴールに近そうだ。が、万能型の南野は少し引いてボールを受けたり、片方に寄ってサポートに入るといった鎌田に近い動きもできる選手。逆に中村と近い距離に行ってポジションを入れ替えながらのチャンスメイクも可能だろう。

 これまで第2次森保ジャパンは、左に三笘がいることによる自身の推進力と、相手の警戒心を利用した攻撃に依存しがちだったが、三笘不在の今回は新たな崩しの形を構築する絶好のチャンスでもある。チームを大いに活性化してくれれば、森保監督も今後のメンバー起用を再考するかもしれない。そのくらいの迫力と破壊力をカナダ相手にぜひとも示してもらいたい。

 本当に3人が揃ってスタメンでピッチに立つかどうかは未知数ではあるが、2連戦のどこかでチャレンジすべき。見る者をワクワクさせる新たなコンビネーションを楽しみに待ちたい。

取材・文=元川悦子

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By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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