香川(中央右)の2ゴールをはじめ、日本代表は高度な連係からゴールラッシュを見せた [写真]=三浦彩乃
「圭佑(本田)は確かにチームにとって非常に重要な選手。彼がいなかった時、前回の最終予選もそんなに勝率が良くないということが結果として出ている。それはチームとして良くないことだと思う」
日本代表のキャプテン・MF長谷部誠(フランクフルト)が3日のキリンカップサッカー2016準決勝・ブルガリア代表戦前日に強い危機感を吐露した通り、このゲームは本田という攻撃の大黒柱を欠く逆境をいかに跳ね返すかが最重要テーマと位置づけられた。
ヴァイッド・ハリルホジッチ監督はこの日、1トップに岡崎慎司(レスター)、右FWに小林悠(川崎フロンターレ)、トップ下に香川真司(ドルトムント)、左FWに清武弘嗣(ハノーファー)、ボランチに長谷部と柏木陽介(浦和レッズ)を据え、予想通りの攻撃陣を選択。新たな攻めのバリエーション構築を期待して、ピッチに送り出した。
その思惑がいきなり結実し、開始早々の4分に岡崎が得意のヘッドで先制点を奪う。その組み立ては、長谷部のサイドチェンジが右サイドバックの酒井宏樹(ハノーファー)にボールが渡り、香川を経由してボールを受けた柏木が相手の背後に動き出した岡崎に浮き球の縦パスを配球してゴールを演出する形だった。
「真司からボールをもらった時、真司と宏樹にリターンパスを出そうかなと思ったけど、2人の動きがかぶったからやめて、“前を向けたら”と。ラインがバラバラになるのはスカウティングで見ていたから、思い切って(クロスを)出した」と柏木が言えば、岡崎も「個人的にあの抜け出しは狙っていた。左利きじゃないとあそこには出せない。ホントに良いボールだった」と、柏木の技術と戦術眼を絶賛。2人の息がピタリと合ったことを認めていた。
続く27分の2点目も、長友佑都(インテル)のクロスに反応したニアサイドで岡崎がつぶれ、香川がファーサイドから少し遅れて飛び込んで頭で合わせたゴール。2人のコンビネーションがここまで噛み合ったのは初めてと言っても過言ではない。
「佑都からアシストされた記憶は全くなくて、いつも最後のところで合わなかったりしていたんですけど、今日は素晴らしいクロスがドンピシャで来ました」と香川が満面の笑みを浮かべ、長友も「前日練習でも何回も真司と合わせていた。相手が高いので、速めのクロスが効果的だという話もしていた。真司がすごくいいテンポで入ってきてくれた」と、お互いの感覚が合致したことを嬉しそうに語っていた。
さらに圧巻だったのは、35分の3点目。これもボランチからのサイドチェンジが起点だった。柏木のボールに反応した岡崎が右コーナーフラッグ付近で粘り、小林悠に折り返す。小林悠がグラウンダーのクロスを中央に送った瞬間、清武が鋭い動きでスルー。ボールはゴール前の香川へ渡った。背番号10をつける男は反転で相手DFを巧みにかわしながら左足でフィニッシュ。このゴールには5選手が絡んでいた。「あの一連の流れはチームとしての(得点に至る)形だった」と、香川は理想的な崩しの形だったことを明かしている。
この3ゴールから分かるように、本田のような圧倒的存在感を誇る個への依存を脱するためには、選手同士、グループ、そしてチーム全体の連係や連動性を突き詰めること。それが1つの解決策になり得るのだ。
「今回は圭佑がいない分、違う選手の特長があるから、それを生かしたいと思ってやりました。キヨとか真司、オカちゃんも非常に素晴らしいプレーしてくれたし、悠もすごくいい動き出しをしていた」と、長谷部は攻撃陣の長所を引き出すことを第一に考えたという。それは清武も同じだ。「圭佑君は日本代表にとって欠かせない重要な選手だとは思うんですけど、出た人がその人の良さを出していかないとチームは良くならない」と語り、岡崎の動き出しの速さとヘディングの強さ、香川の創造性あふれるプレー、小林悠の前へ出ていくスピード、柏木の左足からの多彩なパスを頭に入れながら、自分の動きを微妙に変化させていったのだ。
こうした結果、前半の日本はダイレクトのパスワークや展開を劇的に増やし、ブルガリアの守備陣を翻弄することができた。もちろん、吉田麻也(サウサンプトン)が「期待していたけど拍子抜けだった」と本音を吐露したように、相手が予想外に弱かったのも事実だが、誰が出ても今回のような高度な連係や連動性をピッチ上でコンスタントに示せれば、本田や香川、岡崎のいずれかが離脱しても、日本代表の攻撃力はそこまで落ちることはないはずだ。
代表は活動期間が極めて少なく、短期間でコンビネーションを熟成させるのは難しいが、あえてそこにトライしていくことでしか、世界に伍していくのは難しい。この日の前半の理想的な戦い方を何度も繰り返していくことが肝要だ。7日に行われるボスニア・ヘルツェゴヴィナ代表との決勝では本田と香川を欠く可能性も十分に考えられるだけに、選手たちにはより密に意思疎通を図り、攻撃のバリエーションを増やしていってもらいたい。
文=元川悦子
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By 元川悦子