2016.05.26

「僕の中で優勝は終わった」…代表に新たな風をもたらす岡崎の飽くなき向上心

岡崎慎司
日本に帰国したその足で代表合宿に直行したという岡崎慎司
日本代表から海外まで幅広くフォローするフリーライター。

 6月のキリンカップ2連戦(3日=ブルガリア戦=豊田、7日=ボスニア・ヘルツェゴビナとデンマークのいずれか=吹田)に向け、5月24日から千葉県内でスタートした日本代表の欧州組合宿。3日目の26日も2部練習が続き、午前中は川島永嗣(ダンディー・U)、長友佑都(インテル)、吉田麻也(サウサンプトン)、清武弘嗣、酒井宏樹(ともにハノーファー)、酒井高徳(ハンブルガーSV)、原口元気(ヘルタ・ベルリン)の7人と、リハビリ中の山口蛍(ハノーファー)、内田篤人(シャルケ)、武藤嘉紀(マインツ)の合計10人が参加した。

 午後はヴァイッド・ハリルホジッチ監督の日本代表メンバー発表の後、17時すぎから2度目の練習が行われたが、プレミアリーグ制覇を果たした岡崎慎司(レスター)が帰国後、羽田空港からすぐに合流。開始前のミーティングで指揮官に「おめでとう」と祝福され、午後練習を欠席した内田・武藤を除く7人に拍手されるシーンがあった。スタンドのサッカー少年からも「岡崎選手、優勝おめでとう」という飛び交うなど、国内でのレスター祝賀ムードは依然として続いているようだ。

 2時間みっちりとボールコントロール練習や4対4のミニゲームなどを行った他7人と離れ、ランニングやストレッチなど軽いメニューをこなすにとどまった岡崎はいち早く報道陣の前に姿を現し、「僕の中では優勝は終わりました」と話を切り出した。

「レスターでのパレードの後、タイへ行ってパレードしていろいろ回って、その後は家族とロンドンで過ごしてって感じで、ホントに疲れました(笑)。でも、そのおかげで優勝をあまり引きずってない。『もっとサッカーがしたい』と今は思えてるんで、いつもの自分かな」と本人の中ではすでにタイトル獲得は過去のことになっているという。

 それでも、あえて歴史的快挙の意味を振り返ってほしいとの注文に「チームとして最大限、1人1人が自分の特徴を生かせばやれないことはない。みんなが『奇跡』と言ってるようなことを起こせる事実を証明したと思う。それは日本代表だけじゃなく、誰しもが希望を持てる優勝だったと現場にいた自分も思った。今は戦術だなんだというのが主流になっている中、やってきたのは『シンプルに戦うこと』のみなんで」と話し、しみじみと今シーズンの激闘に思いを馳せた。

 ただ、今シーズンのプレミアリーグで5得点という個人的な数字には悔しさが色濃く残っている様子。「優勝が嬉しかったっていう気持ちはありますけど、悔しかったっていう気持ちの方が大きい。自分が生き残るため、試合に出るためにできることを絞り出してやった結果、出続けられたと思うけど、満足はしてない。ゴールに関しては惜しかったシーンも、一歩届かなかったシーンも見えないところも何個もあった。その一歩触るかどうかで先に行けるかどうかが決まる。動きの質なのか、タイミングなのか、100パーセントそこにボールが来ると信らじれていないとか、その意味を探していかないといけない。それをつかんだら、ストライカーとしてもうちょっと上に行けるかなと。来シーズンはプレミア2ケタ得点を取るのもそうだし、チャンピオンズリーグでもできるだけ点を取ることが必要だと思いますね」と岡崎の目は早くも新シーズンに向いている。

 今回のキリンカップはその重要なスタートの大会。初戦の相手・ブルガリアを筆頭に、参加国はいずれも難敵だ。デンマークには、プレミア制覇へともに戦ったチームメートのGKカスパー・シュマイケルがおり、岡崎のモチベーションは高まるばかりだ。この10日間、練習らしい練習をしていないため、少し顔が丸くなっている状態だけに、ここからの走りでコンディションを整えていく必要があるものの、彼の飽くなき向上心はとどまるところを知らない。

 頼もしい先輩の合流を、清武は「オカちゃんは明るい雰囲気、時には厳しい雰囲気を示してくれる。いい刺激をもらえます」と歓迎し、原口は「オカちゃんの世代が素晴らしい成績を残しているのは間違いないけど、そろそろ僕らがプレッシャーをかけられる存在にならないと。もっと早く追いついていきたい気持ちが強まりました」と危機感を募らせていた。

 チーム全体に新たな風を吹き込みつつ、自分自身も代表キャップ数・得点を重ね、輝きを増していく――。そんな理想的な流れを岡崎にはまず今回のキリンカップで示してほしいものだ。

文=元川悦子

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