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前回のヨルダン戦での空砲から2年…力を抜いて勝利への得点を決めたい香川

2015.01.19

16日のイラク戦でシュートを放つ香川真司 [写真]=Getty Images

 日本代表の1次リーグ突破のかかるアジアカップ(オーストラリア)・グループリーグ最終節のヨルダン戦(メルボルン)が明日20日に迫った。この試合に勝つか引き分けるかで準々決勝進出の行方が決まる。

 すでにパレスチナとイラクに2連勝しているものの、最終節でイラクがパレスチナに大勝することが予想されるため、日本は確実に勝ち点を手に入れる必要がある。ハビエル・アギーレ監督も「ヨルダンは2試合とてもいい戦いを見せていて、特にパレスチナ戦ではスピード、アジリティがとてもよく出ていた」と強調。相手の速さを封じることは非常に重要なポイントだ。

 そんな日本代表は19日夜、試合会場のメルボルンのAAMIパークで公式練習に臨んだ。右太もも裏を負傷した今野泰幸ガンバ大阪)はこの日も練習を欠席し、22人でピッチコンディションを確かめた。ブリスベンとは大きく違って爽やかな気候だけに、日本のインテンシティーは前回より上がるはずだ。

 前日、遠藤保仁(G大阪)から「ゴールだけがサッカーではない。焦る必要はない」とアドバイスされた香川真司ドルトムント)だが、本人は今度こそゴールを奪いたいと強い決意を持っている。2008年5月のコートジボワール戦(豊田)で代表デビューを飾って以来、国際Aマッチ8試合無得点というのは残念ながらワースト記録。本人もイラク戦で3度もの決定機を外した後は「決めなければいけない」というコメントを繰り返しており、今の香川の頭にはそのことが最も大きなシェアを占めているに違いない。

「やはりシュートを決めるうえで、まずはしっかり準備して、シュート1つに対して集中力を強く持って、気持ち的にも決めるんだという意識を持てれば、より精度が高まるし、やっぱり集中力の問題だと思うんで。そういう場面でしっかりゴールを決めるための準備をしっかりしてやっていけたらいいのかなと思ってます」と前日練習後に取材に応じた香川は準備と集中力の重要性を改めて強調していた。今シーズンは3シーズンぶりに復帰したドルトムントでわずか1点のみという結果も香川自身の鋭かった得点感覚を鈍らせている部分はあるのだろう。

「やはり流れというのは必ずあると思ってますけど、ただチャンスに絡めているのはすごくいいこと。チャンスに絡めてなかったら、それ以上の話はできないですけど、そこに絡めてる分、あとは結果を残すだけなんで。1本出れば、さらに自分の状態も上がってくると思うんで、まずはチームが勝って1位突破を決めるために、しっかり貢献できたらいい」とフォア・ザ・チーム精神を第一にプレーすることを誓った。

 その姿勢をインサイドハーフでコンビを組む遠藤も高く評価している。「ゴールがほしいのは前目の選手はみんな思ってること。それは僕ももちろんそうですし。ただ、真司は十分機能してると思う。ゴールが取れれば彼も落ち着いて次の試合を迎えられるし、早い段階で取りたいって思いはあるでしょうけど、点っていうのは入る時は入りますし、入らない時は10試合でも20試合でも入らないもんですから」と代表キャップ150試合を記録した大ベテランは香川の心情を理解しつつも、献身的にプレーしてチームを機能させていることを前向きに捉えていた。

 香川本人も「リラックスして戦いたい」と話したように、とにかく自分のやるべき仕事をきちんとこなせれば、自身の得点もチームの勝利も見えてくる。2013年3月に行われた2014年ブラジル・ワールドカップのアジア最終予選(アウェー)での一発は空砲に終わったが、今度はチームの勝利に直結する1点をぜひとも叩きだしてもらいたいものだ。

文=元川悦子

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