キプロス戦の前日練習を行う香川 [写真]=山口剛生
5日間の指宿合宿を打ち上げ、25日に都内へ移動し、夜に2014年ブラジルワールドカップ壮行会に出席した日本代表。一夜明けた26日は17時から埼玉スタジアムでキプロス戦の前日練習にのぞんだ。
トレーニング開始前に全員で集合写真を撮影した後、ボール回しからスタートさせた選手たち。24日に右ひざを負傷した酒井高徳(シュトゥットガルト)はトレーナーとウォーキングを行うのみにとどまったが、本田圭佑(ミラン)、香川真司(マンチェスター・U)、長友佑都(インテル)ら主力選手たちは元気そうに練習メニュー消化。練習終了後にはこの3人がピッチ上で話をする姿が見られた。W杯本番前の数少ないテストマッチ3試合のうちの初戦前ということもあり、攻撃戦術の再確認をしていたのかもしれない。
1時間程度の軽いトレーニングを終えた後、選手たちはミックスゾーンで取材に応じた。香川は「明日試合だし…」と多くを語らずに去ろうとしたが、前日の壮行会で正式にエースナンバー10を背負って初めてのW杯の大舞台に立つことが決まったこともあったのか、短いインタビューに答えてくれた。
「日本代表でこれだけ追いこんで試合を迎えるのは経験がないこと。そういう意味でもコンディションに気を使わなければいけない。それと同時に、ファンの期待に応えられるような結果を残して、みんなに応援してもらえるようなサッカーを見せたいと思います」と彼は改めて決意を語っていた。
香川は今シーズン、プレミアリーグで無得点という不本意な結果に終わっているだけにゴールへの渇望は誰よりも強い。今回対戦するキプロスは仮想ギリシャに近いタイプということで、この試合で俊敏でキレのある姿を見せることができれば、本大会で彼本来の世界基準のプレーを取り戻せる可能性は十分にある。
「自分は俊敏性を活かして戦っていくタイプだし、それが日本代表の良さでもある。それを活かすために、チームワークであったり、連動性であったり、全てが必要になってくる。中身の面でもいいイメージを出していきたい」と完全復活への意気込みを語った。
香川が得点に絡む動きをどれだけ見せられるかどうかで、ブラジル大会での日本の成否が左右されると言っても過言ではない。背番号10の責任を新たに感じつつ、彼は重要な一戦に挑む。
文=元川悦子