柏FW細谷真大 [写真]=Getty Images
2月6日(金)の明治安田J1百年構想リーグ開幕まで一週間を切った。2025年はJ1リーグとYBCルヴァンカップでタイトル獲得まであと一歩と迫りながら、無冠に終わった柏レイソルは「2026年こそ頂点に立つ」という強い意欲を持って新シーズンに挑んでいる。
その前哨戦となったのが、本拠地・三協フロンテア柏スタジアムで行われたちばぎんカップ・ジェフユナイテッド千葉戦だ。17年ぶりに千葉が日本最高峰リーグに昇格し、J1同士の激突となったこの試合。柏は前年度のJ1準優勝クラブとして、意地と誇りをスタートから見せつける形となった。前半は11分にいきなり中川敦瑛の一撃が決まり、幸先良くリードする。その後も相手を圧倒し、前半はシュート数15本(柏)対0本(千葉)という力の差を見せつけたのだ。
1トップに陣取った背番号9・細谷真大もキレのある動きを印象付けた。13分には最終ラインからのロングボールに反応。DFをかわしてゴールに持ち込むが、シュートは惜しくも千葉の守護神・若原智哉に防がれる。この直後にも中川のスルーパスに抜け出してフィニッシュに持ち込むが、惜しくも枠の外。前半ノーゴールというのは、本人もやや不完全燃焼だったに違いない。
後半に入ると、千葉は売り出し中の17歳MF姫野誠を投入して攻撃を一気に加速させる。後半20分にはリスタートから石川大地が同点に追いつくゴールを奪った。細谷は後半突入後も鋭いプレーを見せ続けたが、目に見える数字を残せないまま、後半25分に交代。終盤に久保藤次郎が挙げた決勝弾とチームの2−1の勝利をベンチから見守り、安堵感を覚えたことだろう。「チャンス自体はあったので、プレシーズンとはいえ、点を取れた試合ではあった。一つ取れればまた違ったのかなと。最初のタッチが決まれば上手くいくと思いますけど、今日は最初のタッチが流れてしまったので、そこを改善したいですね」と試合後の取材に応じた柏の絶対的エースは神妙な面持ちでコメントしていた。
リカルド・ロドリゲス監督体制2年目の柏は、ボール支配率や攻撃の多彩さなどで千葉を凌駕しており、J1トップクラスの地力があることを改めて示した。小屋松知哉の名古屋グランパス移籍によって空いた左ウイングバックにしても、小見洋太を筆頭に、新戦力の大久保智明、汰木康也らがいて、より質が上がりそうだ。だからこそ、より効果的にゴールを奪って、勝ち切る必要がある。昨季の柏は総得点は60で、優勝した鹿島アントラーズの58より多かったにも関わらず、勝ち点がわずか「1」足りずにリーグ制覇は叶わなかった。ここ一番で勝ち切れていれば、状況は違っていたはずだ。
故に今回のJ1百年構想リーグでは、決めるべきところで確実に決めるという課題克服が必須。昨季は細谷と1トップの座を争った垣田裕暉はちばぎんカップでベンチ外となっており、開幕節の川崎フロンターレ戦に間に合うかどうか微妙な情勢であるため、細谷の得点力にかかる部分は非常に大きい。それを本人も強く自覚している様子だ。
「自分が点を取れば上位に行けると思いますし、チームも勢いに乗ってくるかなと。自分にベクトルを向けて頑張りたい。昨年の前半はベンチスタートが多かったですけど、今年はスタートから出てしっかり活躍できるところを見せたい。百年構想リーグは半年ですけど、2桁は取りたいと考えています」と細谷も昨季の11点という数字を上回るハイペースでゴールを奪い続けていく覚悟だ。
そうやって開幕からゴール量産していくことが、いよいよ4カ月後に迫ってきたFIFAワールドカップ26選出への希望をつなぐ方法と言っていい。日本代表FW陣は上田綺世を筆頭に、小川航基、町野修斗、前田大然という顔ぶれでほぼ固まりつつあるが、森保一監督の考え方次第ではどんな変化が起きるか分からないし、欧州組FWに何らかのアクシデントが起きないとも限らない。24歳の点取り屋は最後の最後まで諦めずに、大舞台を追い追い求め続けるしかないのだ。
「自分がW杯へ行こうと思うなら、もう点を取り続けるしかない。取り続ければ、監督の視野にも入ってくるはずなので、まずはそこに目を向けたい。3月の欧州遠征が一つの勝負になるでしょうから、そこまでに得点力を見せたいと思います」。その言葉通り、細谷がスタートダッシュを見せてくれれば、日本代表FW争いも興味深い展開になる。年下の塩貝健人がヴォルフスブルク移籍を掴み取り、後藤啓介もベルギー1部で8ゴールと気を吐く中、パリ五輪世代のエースは彼らに負けてはいられないのだ。
J1百年構想リーグを“自分の大会”にするくらいの強烈インパクトを残せるのか。2026年前半は細谷真大にとってキャリアの成否をかけた勝負のシーズンになる。
取材・文=元川悦子
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By 元川悦子

