横浜FC MF山田康太 [写真]=J.LEAGUE
想像をはるかに超える強風が吹き荒れたニッパツ三ツ沢球技場。4月20日に行われた明治安田J1第11節・横浜FC対ガンバ大阪、この一戦で最も注目されたのが、今年2月までガンバの一員だった山田康太である。
2024年はJ1リーグ23試合出場4ゴールという実績を残し、チームの4位浮上、天皇杯準優勝に貢献したアタッカーは、今年始動時は青黒の一員だった。もちろん1〜2月の沖縄キャンプにも帯同し、今季も主軸として活躍することが目されていた。ところが、2月22日に「不適切なSNSの使用による他者への迷惑行為が発覚した」とされ、チームを離脱。そのまま退団し、3月3日に横浜FCに加入するという異例の流れになった。
生まれ育った神奈川県に戻り、直後の3月8日のFC町田ゼルビア戦で新天地デビュー。そこからシャドウの一角としてコンスタントに出場し、3月15日のセレッソ大阪戦と4月6日の清水エスパルス戦でゴールも奪っているが、ガンバの熱狂的サポーターから見れば、期待値が高かった分、失望感も大きかったに違いない。だからこそ、この日の選手紹介時には、山田康太の名前が聞こえなくなるほどの凄まじいブーイングが浴びせられたのだろう。
「特にサッカー以外の感情を持ち込まず、チームが勝つためにプレーしました」と本人はキッパリと言い切ったが、そういうメンタル状態になる前には、目に見えない努力と覚悟が必要だったはずだ。難しい環境の中、始まったこのゲーム。それでも背番号76はスタートからキレのある動きを見せた。まず開始早々の10分に左サイドから勢いよくドリブル突破を披露。これは元同僚・中谷進之介にブロックされたが、山田の局面打開への強い意欲がよく出ていた。試合は早い段階で1−1となり、その後は横浜FCが押し込む時間が長かった。左シャドウの山田は左ウイングバックの新保海鈴、3バック左の福森晃斗とのトライアングルでたびたびチャンスに絡み、得点の匂いを漂わせた。
「そこ(左)の関係も築いていきたいけど、もう少し中盤でオグ(小倉陽太)とかから縦パスをもらって、中央からのドリブルという形も増やしたかった。自分はそこからターンして最終ラインで勝負していくプレーをこれまでもやってきたし、そこに対していい感覚を持っているので、今回は長いボールが増えて良さを出せないもどかしさはありました」と本人は本音を吐露する。その負けん気の強さが山田康太の魅力なのだ。
そして後半3分、山田に大きな見せ場が訪れる。左の新保から福森を経由して大胆なクロスが入り、GK一森純が弾いた瞬間、背番号76はこぼれ球に鋭く反応。2点目をもぎ取ったかと思われた。しかし、シュートの場面でボールが右手に当たっており、VAR判定の末にハンドと認定。決勝弾は幻となってしまったのだ。「あの瞬間はハンドだと分かっていました。あれはもうどうしようもなかったし、変に喜んでも仕方ないかなと。どうせVARで見られるし、期待はしてなかったです」と本人は淡々としていたが、このビッグチャンスが得点につながっていたら、横浜FCは勝ち点3を奪えていた。そう考えると、やはり残念なシーンだったというしかない。
結局、山田は後半25分にベンチに下がり、チームも1−1のドローに終わった。“特別な一戦”を勝ち切れず、悔しさを覚えた部分は少なからずあったあだろう。結果は出なかったが、本人にとってはお世話になったガンバと完全に離れ、横浜FCの一員として再出発したという意味で、一つの大きな節目だったのではないか。
「横浜FCは昇格組ですけど、J1でやれている部分も多くあると思う。僕自身も前に所属していたチームと違ったプレースタイルや役割というのが求められているので、それをやりながら幅を広げていきたいですね。自分が存在感を出していければ、チームの順位もより上がっていく。ここから連戦ですし、もう一つ、コンディションを上げて、常に試合に出られるように頑張っていきたいと思います」と本人は冷静に先を見据えていた。
紆余曲折はあったが、彼はまだ25歳の未来あるアタッカーだ。2019年には久保建英や中村敬斗らとともにU-20ワールドカップにも参戦したポテンシャルのある選手だけに、ここからどのような変貌を遂げていくのかが非常に興味深い。彼が横浜F・マリノスの先輩にあたる三浦文丈コーチ、中村俊輔コーチの指導の下、横浜FCのJ1定着請負人になることができるのか。そうなるように、この一戦を機に気持ちを引き締めて成長していくこと。それが山田康太に課せられた重要命題である。
取材・文=元川悦子
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By 元川悦子