浦和の新キャプテンに就任した伊藤 [写真]=清原茂樹
酒井宏樹、アレクサンダー・ショルツの退団に伴い、浦和レッズの新キャプテンに就任したのが伊藤敦樹だ。ペア・マチィアス・ヘグモ監督は当初、西川周作を候補と考えていたようだが、浦和アカデミー出身で、日本代表経験もある25歳のボランチが最適と判断したのだろう。本人も「自分がチームを引っ張る」という強い気持ちを持って、新たなスタートを切ったところだ。
その初陣となったのが、6日の湘南ベルマーレ戦。すでに6月30日のジュビロ磐田戦でキャプテンマークは巻いていたが、正式就任後の公式戦は今回が初めて。リーグ12戦無敗で5連勝中というゲンのいい浦和駒場スタジアムでの一戦ということで、本人も気合が入ったことだろう。
すさまじい熱気に包まれた中、スタートしたこの試合。浦和の入り自体は悪くなかった。安居海渡とボランチを形成した伊藤自身も左右に幅広く動き、ダイナミックに攻守に絡む姿勢を披露。22分には渡邊凌磨からパスを受け、ペナルティエリア外側からミドルシュートをお見舞い。これは惜しくもGKソン・ボムグンに防がれたものの、いい動きを見せていた印象だった。
しかしながら、浦和は一瞬のスキを突かれてカウンターから田中聡に先制点を奪われる。前半を0-1のビハインドで折り返すのは想定外だったかもしれない。が、彼らはそこから巻き返し、後半に入って途中出場のチアゴ・サンタナが同点、逆転弾を立て続けに決める。
新キャプテンが大きな壁にぶつかったのはその後だ。高温多湿の気象条件もあって足が止まり始め、全体に間延びしてしまい、走力と粘り強さでタフにぶつかってくる湘南に球際で負けるシーンが目立ち始めたのだ。
空いたスペースも使われるようになって迎えた90分。浦和は自分たちが得たFKから西川周作が大きく蹴り出したボールを前田直輝が畑大雅に競り負け、そのまま持ち込まれて最終的には18歳の石井久継に決められた。伊藤も失点場面に絡んでしまい、悔しさを爆発させた。
「時間帯におけるプレー選択の経験不足が出たと言うのか、そこはピッチ上で自分がもっともっとやらないといけないと思います。一人ひとりが勝っている時の判断をしっかりやらないといけない。2失点目のところが顕著でしたけど、まずあの位置(浦和の右サイド)でファウルしても何も怖くなかった。広教はイエローをもらっていたから行けないのはわかりますけど、直輝くんや(佐藤)瑶大とかがまずファウルで行ければシュートまでは行かれなかった。そういう判断を自分含めて、細部まで突き詰めていかないといけない。チームとしていい攻撃ができているし、点は取れているので、そういうところに強くこだわらないといけない」と試合後、語気を強めたのだ。
2-2で終わっていればまだよかったが、最悪だったのが2分後の3失点目。田中聡に反転されてシュート性のパスを入れられたのも、ルキアンを止められなかったのも含めて、全てが後手に回り、決められるべくして決められた。勝ち点1すらも逃した浦和は順位こそ9位にとどまったが、首位のFC町田ゼルビアとの差を14に広げられ、タイトル争いからまた一歩後退した形になった。
新キャプテンの初陣はほろ苦いものとなったが、ここで諦めるわけにはいかない。伊藤自身も統率力や発信力、マネージメント力といった部分を伸ばしつつ、苦境を打開していかなければならないのだ。
「自分はキャプテンですし、ボランチとして真ん中にいる選手なので、まず試合をしっかりとコントロールしなければいけない。今回、それができなかったのが敗因なので、そこは自分の責任だと思います。そういう状況でチームをまとめられるようになったら、自分自身、もう1段階上にいけるし、チームも良くなる。そう仕向けていかなければいけない」と自戒を込めて語っていた。
2023年に森保ジャパン入りし、昨年9月のトルコ戦でゴールも奪ったスケールの大きなMFはここで足踏みしている時間などない。今季4ゴールという数字ももっと伸ばさないといけないし、存在感を高めることも重要だ。本人は「代表定着」も今季の目標として掲げていたが、ここから成長曲線をさらに引き上げない限り、海外移籍した川村拓夢や佐野海舟らを追い抜いていくことはできない。この悔しい湘南戦の敗戦を糧にして、どう課題と向き合っていくのか。それが何よりも重要なのである。
逆に言えば、伊藤が浦和の救世主になれれば、周りの見る目も一変する。この難局をチャンスと捉えて、新リーダーには新たな活力をチームに与えるべく、奮起してもらいたい。
取材・文=元川悦子
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By 元川悦子