[写真]=兼子愼一郎、金田慎平
■サンフレッチェ広島
【プラス材料】
敗れたとはいえ、前節のFC東京戦では前半から相手を圧倒。敵将のアルベル・プッチ・オルトネダ監督に「試合をコントロールできなかった」と嘆かせたほどの内容を見せつけた。
特に途中出場のFW鮎川峻とMF柴﨑晃誠が躍動して攻撃に迫力を付加。鮎川はDF塩谷司のスルーパスを決めきり、ストライカーとしての才能を見せた。「興味深い選手」とミヒャエル・スキッベ監督の評価も高く、飛躍が期待できる。
FC東京戦でリーグ戦初先発を果たしたFW満田誠も含め、広島の若者の台頭は著しい。
【マイナス材料】
FC東京戦は今季最高の内容でありながら、ミスによる失点も重なって今季初黒星。チャンスの山を築いても決めきれず、4試合で3得点とゴール欠乏症は深刻だ。
特にスキッベ監督が問題視しているのは、クロスからのチャンスメイク。「クロスの本数は多いが、中で合わせきれていない」と塩谷は語る。クロスに合わせる練習を重ねているが、成果を出すには時間が必要。セットプレーの守備改善も含め、メンバーを替えることで改善を図る可能性もある。
文:紫熊倶楽部 中野和也
■川崎フロンターレ
【プラス材料】
今節は開幕から全試合に先発してきたMFチャナティップが累積警告による出場停止。中盤の候補としてMF大島僚太、MF小塚和季、FW遠野大弥、MF瀬古樹らがいるが、直近の試合で出場時間を増やしている小塚が最有力か。激しいプレッシャーを受けることが予想される中盤で、得点に直結するパスに期待がかかる。
特に前節の名古屋グランパス戦で得点を挙げたFWマルシーニョのスピードはサンフレッチェ広島のスペース攻略に効果的となるはずで、左サイドの攻撃はカギと言えそうだ。十分な対策を行ったうえで勝ち点3をつかみにいく。
【マイナス材料】
暫定首位に立っているものの、チームの抱えている課題は少なくない。そのひとつが得点力だ。名古屋戦後、「2点目、3点目をどう取りにいくのか。どうパワーをかけていくのか」とDF谷口彰悟は改善を口にした。攻撃自慢のチームとしては、やはり複数得点を目指したいところだ。
広島は昨季2引き分けとリーグ戦で唯一勝利できなかった相手。ともに1-1と、複数得点を挙げることができず勝ちきれなかった。今節は複数得点で勝ちきりたい。
文:いしかわごう