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[背番号5の胸中に迫る] 秋野央樹 成長を期して選択した “サプライズ移籍”③

2017.05.19

9歳から所属し、プロデビューも飾った柏レイソルを離れ、昨シーズンJ2に降格した湘南ベルマーレを新天地に選んだ。自身も認める「サプライズ移籍」はどのような経緯で実現したのか。ライトグリーンの新司令塔、秋野央樹が静かに口を開く。

Jリーグサッカーキング5月号[湘南ベルマーレ特集]共走-KYOUSOU-


自分はここで大きく成長できると実感している

ベルマーレで練習を重ねて、得られた収穫や発見した課題はありますか?

収穫は走行距離が増えたことです。今練習でGPSで走行距離などを測る機器を付けているんですけど、柏時代に比べて90分のゲームで走る距離が1キロ増えました。多ければいいとは限らないし、守備で走らされたかもしれないですけど、特に意識せず走れるようになったのはシンプルに良いことかなと。あとスプリントの回数も少し増えています。それも無意識でできるようになってきているので、いい変化かなと思います。それと感覚的な部分で、前への意識が強くなった気がします。ボールを持ったらすぐに前を向けるようになってきました。

では課題は?

状況判断ですね。今練習でハイプレスの中でプレーすることが多いので、もっと判断力を上げないといけないと感じています。その上でワンタッチの技術も高めていきたいです。良い判断でワンタッチでつなげることができれば、ボールを取られることはないので。

判断力はもともと高い印象があります。

足が速いわけでもないし、身体能力がずば抜けて高いわけでもないので、判断力はある程度あると思ってましたけど、ここに来てもっと上げないとダメだと感じました。それと同時に、良い判断を生かす技術も伸ばさないといけないなと。

[写真]=神山陽平

曺監督には加入前からアドバイスを受けていたとのことですが、実際にチームに入ってからの指導はいかがですか?

すごく新鮮ですね。僕はプロ5年目で、曺さんは5人目の監督なんですけど、今までの監督とは全然違っていろいろな経験をさせてもらっています。違った監督の下で指導を受けられるのは自分にとってすごくプラスになるので、そういう意味でも移籍して良かったと感じています。

曺監督が他の監督と違う点は?

ミーティングが特徴的で、常に頭を使わないといけないので気が抜けないですね。曺さんが醸し出すオーラや雰囲気もあって、いつも話に引き込まれます。

今シーズン、ベルマーレは《共走》というスローガンを打ち出しています。この言葉に対してイメージすることや、自分が取り組んでいきたいことはありますか?

ベルマーレはチームワークが突出していて、そこがチームの良さだと思います。みんなで取り組んでいく、その輪の中にしっかり入って一緒に走っていきたいです。それと今までも自分の中では「今日やるべきことを今日やる」というのを大事にしてきましたけど、曺さんが言う「今日を走る」と書いて《今日走》という言葉を聞いて、改めて意識するようになりました。これは(吉田)達磨(元柏レイソル監督/現ヴァンフォーレ甲府監督)さんにも言われていたことで、これからも1日1日を大事に過ごしていきたいと思っています。

[写真]=Getty Images

柏の育成組織出身で、徐々に出場機会をつかんだ中での移籍でした。行き先がJ2クラブということもあって、かなり意外な印象を受けました。その移籍を経た今シーズンはどんな1年にしたいですか?

僕自身もサプライズ移籍だと思いますし、他の選手が同じような流れで移籍したら「何で?」と感じたと思います(笑)。もしそう思われてるとしたら、その人たちの考えを変えたいですね。自分はここで大きく成長できると実感してますし、みんなにもベルマーレに来たことで良くなったと思ってもらえる1年にしたいです。

先々の目標はありますか?

秋野 日本代表に入ることです。(リオデジャネイロ)オリンピックを目指していましたけど出場できなくて、次はA代表しかない。A代表に入って活躍したいです。

秋野央樹(あきの・ひろき)
生年月日/1994年10月8日 出身地/千葉県 身長・体重/176cm・68kg
柏のアカデミーで育った生え抜きで、13年トップチームに。次代を担う逸材として昨シーズンは副キャプテンも務めたが、自身のさらなる成長を求め、湘南でプレーすることを決めた。ボランチの他、守備的なポジションをマルチにこなす万能型で、的確な状況判断や左足の正確なキックも魅力。

ここでもう1ランク2ランク上の選手になれると思って来た
曺さんからのアドバイスが自分の考えと一緒だった

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