震災後初の公式戦となった千葉戦にフル出場した藏川洋平(左) [写真]=兼子愼一郎
22日に日立柏サッカー場で水戸ホーリーホックとのホームゲームを開催するロアッソ熊本のDF藏川洋平が、かつて自身が在籍した柏レイソルのサポーターに来場を呼びかけた。
2006年から2011年まで6シーズンにわたって柏でプレーした藏川は、豊富な運動量と安定したディフェンスを武器に右サイドバックとしてプレー。果敢なオーバーラップと強烈なミドルシュートでスタジアムを湧かせた。2012年から所属する熊本でも主に右サイドバックとして活躍。今年で39歳を迎えるベテランだが、チームにとって震災後の再開初戦となった15日の明治安田生命J2リーグ第14節ジェフユナイテッド千葉戦でも右サイドバックでフル出場を果たし、試合終了間際まで積極的なオーバーラップを見せるなど奮闘した。
千葉とのゲームを終えた藏川は、「いろいろな人たちの協力もあって試合ができたのは、復興への第一歩になったと思います。ただ、必死に戦ったけど結果が出なくて残念。とにかく戦う姿勢を前面に出していかなければいけないですし、最後まで諦めずに戦っていかなければならない。そこを見せていくことで熊本の人たちも元気になってくれると思う」と被災地で応援してくれている人たちに思いを馳せた。
そして今週末の水戸戦は、彼にとって思い出の日立台に“戻る”ことになる。藏川自身は「本当はJ1に上がって柏とやりたかったけど」と前置きしながら、「自分たちがホームで試合をできない状況でスタジアムを貸してくれるのはすごくありがたいこと。昔から周りの人に感謝をしながらやっていましたけど、(自分のことを)多少は覚えてくれている人がいるかもしれないので楽しみですね」とかつての本拠地を思い出し、古巣のサポーターにこう呼び掛けた。
「黄色のユニフォームでもいいので、試合を見に来てほしいですね。『復興のお手伝い』と言うか、試合を見に来ることが『支援になる』と思ってもらって、日立台がいっぱいになればうれしい。僕も日立台で勇姿を見せられるように頑張ります」
彼が柏レイソルのために走り、戦ったことを覚えているサポーターは多いだろう。もしかしたら新しいファンは彼のことを知らないかもしれないが、今回の試合はクラブの歴史を支えた“バイプレーヤー”の存在を認識するいい機会でもある。ユニフォームの色は黄色から赤に変わっても、彼が日立台の仲間とともに戦った日々が色褪せることはない。年齢を重ねながら熱いハートで戦い続ける藏川の“日立台凱旋”は、柏サポーターにとっても見逃せない一戦となるはずだ。
文=青山知雄
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By サッカーキング編集部
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