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ドルト丸岡が有言実行の凱旋ゴール…試合後にはU-22日本代表入りをアピール

川崎戦にただ一人フル出場し、存在感をアピールした丸岡(中央)[写真]=兼子愼一郎

文=青山知雄

 ドルトムントMF丸岡満が、有言実行の凱旋ゴールでU-22日本代表入りを猛烈にアピールした。

 ドルトムント アジアツアーの一環として、7日に等々力陸上競技場で行われた川崎フロンターレとのプレシーズンマッチ。始動2週間とは思えない圧巻の内容で6-0と快勝したドルトムントにあって、1日にセレッソ大阪から期限付き移籍延長が発表になったばかりの丸岡は4-1-4-1の左MFとしてスタメン出場。ただ一人フル出場するなど奮闘し、積極的なプレーで存在感をアピールした。

 新シーズンはチーム始動からトップチームに帯同し、練習試合で2試合連続ゴールをマーク。そして日本凱旋となった川崎戦でも、その勢いを継続させた。

 8分に放った自身のファーストシュートはGKにキャッチされたが、13分に香川真司とのワンツーから鋭く相手ゴール前に迫ると、17分には鮮やかな連係から左サイドを抜け出して惜しいシーンを作った。

 迎えた後半、ついにその時がやってきた。

 59分、中盤でピエール・エリック・オーバメヤンにくさびのパスを入れてそのまま前方へダッシュすると、オーバメヤンが落としたボールをヘンリク・ムヒタリアンがダイレクトで裏のスペースへ浮き球のパス。ここに飛び出した丸岡がGKとの一対一を右足で冷静に流し込み、待望の国内初ゴールを決めた。これぞドルトムントとも言える素早い攻撃からの得点。そのフィニッシュに19歳の日本人アタッカーがいた。

 前日練習後に「明日はゴールを決めて、家族にプロになったところを見せたい」と語っていたとおり、徳島県から招待した母の目前で有言実行のプロ初弾。完全に単独で抜け出してドリブルで持ち込んだためシュートを打つまでにかなり時間があったが、「(抜け出した瞬間は)『これを決めたら目標達成やー!』と思った」と余裕の思考を明かす。この一発には前半だけでベンチに下がっていた香川も笑顔と拍手で称えた。

 目標が高ければ高いだけ、自分の意識も上がる。「(香川)真司くんは前半に2回のチャンスで2点を取っていたけど、僕は前半に2本もチャンスが来たのに決められなかった」と同じく日本凱旋のチームメートからも刺激を受けていた。

 パススピードやトラップで正確かつ力強いプレーを見せるドルトムントの中で、着実な成長をアピールした丸岡。渡独当初は「プレッシャーが速く、ドイツ語もできなくて本当に苦しんだ」と振り返るが、今はドルトムントの水に慣れ、通訳なしでチームスタッフと会話を交わす。川崎のMF中村憲剛が「世界のトップレベルを見た」と評価したチームに10代の日本人選手がプレーしていることは、日本サッカー界の未来にとっても大きな意味を持つ。

 試合後のミックスゾーン、ドイツでのプレーと今後への意気込みを聞かれた丸岡が強烈な本音を口にした。

「オリンピックやワールドカップは小さな頃からの夢。僕は日本人なんで、日本のために戦いたい。来年のリオ五輪に絶対に選ばれるという気持ちでやりたい」

 2014年1月、セレッソ大阪のトップチーム昇格と同時に、買い取りオプション付きでドルトムントへ期限付き移籍した。だが、今夏もドルトムントは買い取りを選択せず、期限付き移籍を延長。この決断には「まだレンタルだった。買い取ってほしかったので、悔しいと思う反面、『やったるぞ』という気持ちもある」と反骨心を燃やす。

 それも自分の近未来に日の丸をイメージしているからこそ。「ドルトムントのトップチームに君臨して、ずっと試合に出て、オリンピックや日本代表の活動に絡む機会をもっと増やしていけたら」と意欲的な姿勢を見せる。

 ドイツでプレーしていても情報収集には余念がない。「U-22日本代表のメンバーは気になりますし、日本代表もそう。自分としてもそこを目指さないと意味はない」とヨーロッパからしっかりチェックしていることも明かした。対戦相手にU-22日本代表で中盤の要を務める大島僚太がいたことについても「知っていました。ボールさばきがうまかった。でも、僕は『そこを越えてやる』って思いでやらないと」と思いの丈を口にする。

 世界トップクラスの選手がひしめく中で、もまれて、打たれて、ひたむきに上を目指す丸岡。ドルトムントのセカンドチームでプレーしながら昨年9月のマインツ戦でブンデスリーガデビューを果たしたが、その試合で「イージーなプレーになってしまった」ことで以降はトップチームでの出場機会はなし。苦い経験を味わったことで「あそこでもっと自分を出せたら、そのあとも使ってもらえたかもしれない」と結果へのこだわりを強くする。

「今日はチャンスをもらって、日本の皆さんの前で結果を出せたけど、これをドイツでもやらなければいけない。そうしなければやっていけない。10分でも15分でもチャンスをもらえたら、どん欲にいく。もっともっと思い切ったプレーをできるようにしたい」

 世界を意識しながら戦うことで胸に刻まれた「結果」という二文字の重み。それが自分の未来を切り開くことは自らが一番分かっている。

 ボールを取られた瞬間に奪い返しにかかる“ゲーゲンプレス”。ヨーロッパサッカーのホットワードにもなったドルトムントスタイルの体現者でもある丸岡が、素早く攻守を切り替えてゴールを狙うU-22日本代表にとって大きな武器となる可能性は十分にある。今回の活躍は手倉森誠監督の耳にも必ずや届くはずだ。来年1月のアジア最終予選、そして来年7月のリオデジャネイロ五輪を目指し、遠くドイツの地で丸岡満がさらなるレベルアップを誓う。

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