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【インタビュー】影山優佳~6年の歩み~ 感謝と新たな出会い【前編】

2022.11.21

[写真]=金田慎平

「きょ~うはエジルのたんじょ~び~♪笑」とブログのタイトルで、メスト・エジルの誕生日を祝ったことで、「この子は誰だ?!」とちょっと話題になったことが2016年。

 インタビューを早速打診し、あふれるサッカー愛を語ってもらってから、6年が経ち、影山優佳さん(日向坂46)は今やサッカー界で知らない人はいないほどの存在となった。

 約2年間の休業を挟みながら、その間に数多くのサッカー関係の仕事をこなし、『サッカーキング』でも雑誌の表紙や原稿執筆、動画にも登場してもらった。多くの変化があった6年間を振り返ってもらった。

インタビュー=小松春生

―――初めてインタビューさせていただいてから、ちょうど6年が経ちました。

影山 私自身、初めて一人でやらせていただいたお仕事でしたし、当時、ひらがなけやき1期生の中でも一人のお仕事が初めてでした。すごい(笑)。すごく懐かしい気持ちになりました。何がきっかけだったんですか?

最初のインタビュー時の懐かしいカット [写真]=野口岳彦

―――ブログを拝見して、SNSでも話題になっていたので、お声がけしました。

影山 ありがとうございます。私にとって始まりでした。インタビューが決まった時、すごく嬉しかったですし、家族にすぐ連絡して。記事がアップされた後、友達にも自慢しました(笑)。そこから6年か…。2年間のお休みを挟んでいるので、長いか短いかで言われると、少し不思議な感覚です。でも、サッカーゲームもあれば、Jリーグもあれば、ワールドカップも…、振り返るといろいろな経験をさせていただきました。昔は一つひとつのお仕事がすごく緊張して終わってしまいましたけど、最近は楽しむことができています。

 以前は背負い過ぎてしまい、サッカーを伝える人であれば「これくらい知っておかないと」と考えすぎていました。でも、そこから「自分が好きなものを伝える」という感覚になれて、楽しんでサッカーを見て、楽しいところを伝えるようになりました。過去の記事などを見られるようであれば、私の成長も追っていただきたいです。

―――『セルフDocumentary of 日向坂46』やドキュメンタリー映画『希望と絶望』も拝見しました。背負い過ぎてしまう部分は、そこでもお話しされていましたが、影山さんの性格的なところもあると思います。そこからかなり変わってきましたか?

影山 感情移入しやすかったり、共感力が高かったりするので、選手の方のエピソードや苦悩を聞くと、「ウッ」となってしまう部分もあって。そこで気負って空回りしてしまうこともありました。でも、そうではなく、もっとサッカーのキラキラした部分や、心の底から楽しんでる姿を見るとこんなに楽しくなれるのか、ということについて感覚的に興味を持ってもらえることが、サッカーに関心を持っていただく近道なのかなと、ここまでの経験で思ったりもしました。

 どうしても気負ってしまう、責任を感じ過ぎてしまうところは生まれ持った性格なので、逆に良い意味で気にし過ぎない、楽しんでやることは意識しています。伝え方も意識して、楽しい情報を取捨選択できるようになったりしました。それは急にできるものではなく、生放送の短い時間で伝えたり、MCを経験させていただいたりを踏まえて段々できるようになってきたと思います。

 あとは、『サッカーキング』さんでの『FIFA』シリーズ(サッカーゲーム)の企画動画で、新しい選手を獲得した時、短い時間でリアクションをして選手の情報を伝えたりをしましたけど、そこでのちょっとしたコメントや仕草で、ファンの方が選手の情報を覚えてくださったりして。ミーグリ(※)を通じて、「ゲームの動画で言っていたあの選手覚えたよ」などお話ししていただいて。ほんのわずかな時間のリアクションなんですけど、意外とそういう些細なところから、気になってくれたりするので、自分もいろいろな関わり方ができると思っています。楽しみ方はいっぱいあるんだなって思うと、頑張り過ぎなくても、楽しいものを選んでいけば、輪が広がるのかなと思いました。

※オンラインミート&グリート。日向坂46CD購入者向け個別トーク会

影山優佳

[写真]=金田慎平

―――特に復帰されてからの1、2年で、サッカー関係のお仕事がすごく増えました。DAZNさんから始まり、今はABEMAさんもやられている。Jリーグアウォーズにも出ましたし、日本サッカー協会(JFA)ともお仕事をするようになりました。6年前に描いた姿と現在を比較してはいかがでしょうか。やり切れたこと、まだまだなところ、いろいろあると思います。

影山 ただの草サッカー少女だった私が、澤穂希さんとパス交換をするなんて、夢にも思っていませんでした。しかもそれが日本サッカー協会とディズニーのコラボ。宝くじでも当たらないくらいの夢のような機会をいただけたりもしました。サッカーに関しては、いろいろなお仕事の中でも、あまり段階やステップを意識したことがないんです。もともと物事を順序立てて、PDCAを意識して生活をしているんですが、サッカーにおいては趣味ですし、日常生活の一部。そこに対しての建設的なアプローチ、向き合い方は、お仕事をさせていただくようになってからも、あまり考えませんでした。他のお仕事は「もっとこうしなきゃ」とか、「次はこれがあるからこういう準備をして」ということがありますが、サッカーのお仕事に関しては、「思ったこと、感じたことを自由に話してください」という、私の心に寄り添ってくださる場合が多く、私の言葉に共感していただいたり、考えを大切にしてくださる方が多くて。本当にご縁に感謝だなと思います。

 だからこそ、毎回新鮮な驚きもあり、その分「頑張らなきゃ」という思いもあって。自分が一つひとつのお仕事に向き合えたからこそ、一つひとつが新しい挑戦として乗り越えられ、それを評価していただけているのかなと思います。でも、例えばJリーグアウォーズは緊張で何もできませんでしたし、毎回出来や結果も違います。求められていることがどれだけできたかも違いますし、感じたことも全然違う。それを言葉にするのことは苦手ではないので、毎回振り返り、自分の中で消化して、できなかったことは改善しようと思えています。サッカーの見方や伝える技術だけではなく、人間としても成長させてもらえている気がしています。いろいろなお仕事は6年前、あるいは審判資格を取った中学1年生の時、男の子に混じってサッカーをやっていた小学生の頃からの積み重ねだと感じてます。

―――反省や復習はどれだけ時間をかけていますか?

影山 結構引きずるタイプなので(笑)。例えば、Jリーグアウォーズは1カ月くらい「その言葉は出さないでください」っていうくらい引きずりました(笑)。でも、うまくいったところ、いかなかったところはいっぱいありますが、当時の私にその役目を任せたいと思ってくださった方がいて。その経験をいただけた自分も、より素敵になったなと思いますし、今はもうちょっとうまくできるかなって思えます(笑)。前回は歌番組に出た後、そのままJリーグアウォーズだったので、初めてということもあって心の準備がうまくできなくて。大きいイベントの時は、前日から心を整えたりしますが、物理的な時間が取れなかったので、そこも反省です。またいつかリベンジできるように頑張ります!

影山優佳

21年、Jリーグアウォーズに出演した時の影山さん [写真]=J.LEAGUE

―――ここまでいろいろなサッカーのお仕事をされてきて、一つ挙げることは難しい思いますが、印象的だった人や出来事はありますか?

影山 『FOOTBALL TIME』(DAZN)の初回です。日向坂のメンバーも内田篤人さんのことは全員知っていましたし、私も最初にお話をいただいた時、四度聞きくらいしました(笑)。憧れの選手でしたし、「実在するんだ」っていう感じでした。最初は私も人見知りしていましたし、内田さんも「アイドルがいるな」くらいの感じだったと思いますけど、初回の収録中に内田さんのリアクションが変わっていくのを見て、すごく嬉しかったんです。

 あとは、それまでインタビューなどの文章でサッカーについてお話することはありましたが、映像に残る、自分の言葉でサッカーについて伝えなければいけないことが初めての経験で。技術的にも少しうまくなったかなと思いますし、なにより自信になりました。「『FOOTBALL TIME』に出ている子だよね」と言っていただくことも増えましたし、例えばJリーグのサポーターの方が海外サッカーを見てみようと思ってくれたり、すごくやりがいを感じる瞬間が多くて。たくさんの影響を与えてくださいました。

 内田さんやMCの野村明弘さん、『FOOTBALL TIME』のスタッフさんも毎回たくさん褒めてくださって、大切にしてくださって。いろいろなところで経験を積んだ方がいいと言っていただけたり。私自身のことを考えて、私と向き合ってくださっていて。人生が変わるくらいの出会いでもありました。

―――サッカー好きの方が影山さんを通じて日向坂46を知ってもらうこと、逆に日向坂46ファンの方が影山さんを通じてサッカーを知ってもらうことについて、以前から影山さんは目標に掲げていらっしゃいますが、その手応えはいかがですか?

影山 日向坂46ではミーグリをしていて、参加のハードルもあると思うんですけど、そこで「サッカー番組を見て来ました」と言っていただけることが増えて、初めてミーグリに参加したという方もたくさんいてありがたいです。

 私自身もいろいろな方とサッカーを通して出会えましたし、サッカーから私を知っていただいて、「影ちゃんきっかけで日向坂を好きになったよ」という言葉もたくさんいただいて。それがすごく嬉しくて、もっと頑張ろうと思える力になっています。日向坂とサッカー、日向坂と外の世界をつなげる役目が少しはできているのかもしれないなって。準備も大変ですし、まだまだ失敗が多いくらいですけど、サッカーやクイズなど、自分を生かせる活動をコツコツやってきました。それが皆さんの目に見える形で出てきたのかなと。

 でも、何より私が発信したことや出演した番組などに対して、皆さんがリアクションをくださって、その反応があってこそということばかりで。変わらずに応援し続けてくださる皆さんがいることが当たり前ではないと、お仕事をさせていただいているときも、フッとゆっくり振り返っている時も、特別なことだと強く感じています。

―――後編ではワールドカップの注目ポイントやこれからの日向坂46の活動を語ってもらった。

By 小松春生

Web『サッカーキング』編集長

1984年東京都生まれ。2012年よりWeb『サッカーキング』で編集者として勤務。2019年7月よりWeb『サッカーキング』編集長に就任。イギリスと⚽️サッカーと🎤音楽と🤼‍♂️プロレスが好き

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