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「次の100年へ」スタート、“激戦必至”101回目の高校選手権が28日開幕 注目ポイントは?

2022.12.28

第100回大会開会式 [写真]=金田慎平

 101回目の全国高校サッカー選手権が、12月28日の国立競技場にて行われる成立学園(東京B)と津工業(三重)の開幕戦から「次の100年へ」スタートを切る。

 都道府県予選を勝ち抜いたのは多種多様な48校。常勝の気風を維持する常連校があれば、初めてこの大会へ駒を進めた新鋭校もあり、長い低迷期を脱してこの舞台へ戻ってきた伝統校もいる。誰に聞いても「今年はどこが勝つか分からない」との評価が聞かれる今大会、1月9日の決勝へ向けて激戦の連続となるのは確実だろう。

 今年の予選を取材していて印象に残ったチームはいくつかあるが、たとえば初出場となった芦屋学園(兵庫)はその一つ。兵庫の高校サッカーと言えば別のチームが頭に浮かぶが、許泰萬監督はそうした見方を全面的に肯定しつつ、こう語っていた。

「100回目の前回大会は滝川第二さんが代表で良かったんです。これまでの兵庫の高校サッカーを引っ張ってきた滝二さんがふさわしかったとも言えます。ただ、101回目からは違うぞ、と。僕らはそう思っている」

 本格的な強化を始めてまだ10年に満たないチームだが、「新しい時代を作る」という志の熱量は凄まじく、エネルギッシュなサッカーで激戦区の兵庫を勝ち抜いてきた。

 また長崎予選では国見(長崎)が実に12年ぶりとなる選手権への出場を決めた。同校OBであり、元Jリーガーでもある木藤健太監督は「スタートラインに立てただけ」と語りつつ、こんな言葉を漏らした。

「101回目の選手権である今回は『小嶺先生の国見が帰ってきた』と言われるだろうし、言われたかった」

 サッカースタイルは一新し、伝統の丸刈り頭も廃止するなど徹底した改革派である木藤監督だが、チーム一丸となって勝利を目指して戦う「良い意味での国見らしさ」は強調してもきた。そうした思いを積み重ねた先に今大会を位置付けてきた。

 予選を取材していると、大会に向けての思いの強さ、指導者・選手の放つ熱量に圧倒されることが少なくない。番狂わせが多いなどとも言われるが、それも急に始まった現象ではない。本気で狙える地力を備えたチームがそれだけ増えた結果であり、少しの油断、少しのすれ違い、あるいはちょっとした不運で結果は容易にひっくり返るものだ。

 FIFAワールドカップカタール2022を観てもわかるように、サッカーというスポーツの競技特性もあってカップ戦は何が起こるか分からない。今回もエネルギー溢れる新鋭校の挑戦が、誇り高き伝統校の反撃が、常連校を脅かすことは十分にあるだろう。だから面白いし、熱くなれる大会とも言える。

 優勝候補はどこか?

 夏の王者・前橋育英(群馬)の名前がまず挙がるだろう。U-18日本代表MF徳永涼を軸とした質の高いチームは、間違いなく有力候補。だが、その前橋育英をリーグ戦の戦績で上回る前年度王者・青森山田(青森)も侮るなかれ、だろう。強すぎた昨季の反動で過小評価されているだけで、決して弱いチームではない。

 その前橋育英と同じブロックには、前回大会で無念の準優勝となった大津(熊本)もいる。大型FW小林俊瑛を軸に精鋭揃いの好チームに仕上がっており、初優勝は十分に射程内。このブロックにはFC東京内定のMF荒井悠哉、鹿島アントラーズ内定のDF津久井佳祐を擁する昌平(埼玉)もおり、まさに最激戦区だ。

 最注目株として名前の挙がる神村学園FW福田師王はボルシアMGへの加入が決まっているストライカー。セレッソ大阪内定のMF大迫塁ら個性豊かな選手が展開するユニークなサッカーは必見。同じ山には清水エスパルス内定の超大型FW森重陽介が引っ張る日大藤沢(神奈川)のほか実力校が目白押しで、今回の「等々力会場」は個人的にかなり熱いとみている。

 4強以上への進出経験のないチームでは、履正社(大阪)と東山(京都)の関西勢2校が有力な“候補”。履正社の川崎フロンターレ内定MF名願斗哉、東山のC大阪内定MF阪田澪哉は、ともに高校年代を代表するドリブラー。とはいえ、彼らのワンマンチームではなく、総合力に秀でた好チームに仕上がっており、躍進の可能性は十分だ。

 初出場の注目校は日体大柏(千葉)。大激戦の千葉予選を勝ち抜いた実力は伊達ではなく、柏レイソル内定のFWオウイエ・ウイリアムなどタレントもいる。チームを率いるのは元柏DFの根引謙介監督。初戦を突破すれば、一気に勢いに乗ることもありそうだ。

 100年にわたって維持された大会で、100年にわたって強かったチームは当然なく、大会そのものも大きく様変わりしながら今の形になっている。「次の100年」がまた違ったものになっていくのは半ば約束されたものである。

 今回も最後に勝って笑うのは1チームだけだが、そこに至るプロセスは、これまでがそうだったように、今回もまた、かけがえのないものになる。出場する選手には、ここから始まる「1回」を存分に楽しんでもらいたいし、仲間たちと培ってきたモノを存分に出し切ってもらえればと思う。

文=川端暁彦

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