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明徳義塾|堅守速攻で県勢5年ぶりの勝利を目指す…「5人で守って、5人で攻める」【選手権出場校紹介】

[写真]=森田将義

 2014年から3年連続で選手権に出場し、ベスト8進出も経験した明徳義塾高校だが、2017年からは全国大会から遠ざかっていた。全国大会に出られない時期は、チームの雰囲気が前向きではなかったが、今年のチームはこれまでと違う。3年生を中心にまとまっており、「練習の雰囲気から今までとは違うなと思った」(小松晃監督)。チーム内の競争も激しく、紅白戦のプレーはどちらがAチームか分からないほど。そうした良好な雰囲気が、4年ぶりの選手権出場を果たす原動力になった。

 予選直前に行ったシステム変更も功を奏した。シーズン当初は、チーム定番の4-4-2だったが、「5人で守って、5人で攻める」(小松監督)ため、3-4-3を採用。システム変更によって生きたのは、前線の選手だ。今年の攻撃陣にはポストプレイヤーのFWホン・ジョンウク(3年)を筆頭に、ドリブラーのFW泉幸輝(3年)、俊足のFW持田憲伸(3年)とカラーの違う選手がそろう。小松監督が「セカンドボールを拾ったボランチが前を向ければ、前の3人が生きてくる」と話す通り、ボール奪取から素早く前線に展開し、3人でシュートまで持ち込む場面が増えた。新システムを導入した当初は戸惑いもあったものの、泉は「やっていくにつれてこの形が良かったと思えるようになった」と振り返る。

 勝ち上がりも選手の成長を後押ししたのは間違いない。初戦こそ21点を奪い大勝したが、続く2回戦の高知工業高校戦は2-1の辛勝。高知高校との準決勝は延長戦の末、4-1で勝利した。決勝の高知西高校戦も、0-1の折り返しから後半の3ゴールで逆転勝ち。楽な試合はなかったが、泉が「僕たちは3年生が多い。メンバーのほとんどが3年生だけど、ケガなどで入れていない選手もいた。全国に行けば、登録人数が25人から30人に増える。3年生全員が選手権を経験するためにもどうしても勝ちたかった」と話す通り、仲間の顔を浮かんだからこそ乗り越えられた。「負けそうな試合を何度もひっくり返してきたので、みんなの自信になっていった」と泉が口にすれば、小松監督も「普段は勢いだけじゃダメだよと伝えるけど、短期決戦では勢いも大事。勝つことで自信がついた。大会を通じて成長していったと思う」と続ける。

 全国でも戦いは変わらない。全員がハードワークを続け、堅守速攻を狙うのが基本的なスタイルだ。初戦の東海学園高校も苦しい展開が予想されるが、登録メンバー全員が気持ちを一つにして、勝利を引き寄せるつもりだ。

【KEY PLAYER】DF松下総龍

[写真]=森田将義


 元々はボランチ出身だが、ヘディングの強さを買われ、昨年からはセンターバックとしてプレー。未経験のポジションに戸惑いもあったが、「後ろが声を出して安定感を出せば、試合に勝てると思った」と最終ラインで熱いハートを見せて、本職にしていった。

 センターバックとしての適性はあったのだろう。身長は167センチと小柄だが、「とにかく気持ちっす!」と話す通り、気合で体格差を埋めて相手の攻撃を跳ね返す。「DFにしては、身長が低い。みんなから不安に思われるかもしれないけど、小さくても競り勝てるよというところを見てもらいたい。僕が頑張っている姿をテレビで見て、小柄な選手が『小さくてもできるんだ』と思ってくれたらうれしい」。

 強い気持ちの源になっているのは、誰よりも頑張っているという自負だ。明徳義塾は寮生も多いが、高知県の東部に位置する香南市に住む松下は、毎朝スクールバスで通っている。まっすぐ進めば1時間ほどで学校に着くが、松下は始発から乗車し、途中で生徒を拾うため、着くまでに1時間45分もかかる。附属中学の頃から6年間、往復で3時間半も毎日バスに揺られている計算だ。「それだけの時間があれば、県外に行ける(笑)。最初はしんどかったけど、メンタルが鍛えられたと思う。途中からは、『これだけ頑張っているんだから、絶対に負けたくない!』と思うようになった」。6年間の通学によって鍛えられた松下なら、全国の舞台でも熱いハートでチームを盛り上げ、ピンチを救ってくれるはずだ。

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