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<星稜>伝統の実力校 名将やOBに学び、再び輝く冬に【選手権出場校紹介】

2018.12.26

星稜のエースで主将を務める岩岸宗志 [写真]=吉田太郎

 12年度大会で本田圭佑(メルボルン・ヴィクトリー)を擁した04年度以来、8年ぶりとなる準決勝へ駒を進め、翌13年度に初の決勝進出を果たして準優勝。そして14年度大会で前橋育英との延長戦を制して悲願の選手権日本一を達成すると、続く15年度も準決勝へ進出した。

 4年連続の全国ベスト4進出は、00年度から04年度まで5年連続のベスト4進出を記録した国見以来となる快挙だった。“冬将軍”星稜。16年度の石川県予選決勝で鵬学園に敗れて連続出場がストップしたが、やはり冬の星稜には期待感がある。

 河﨑護監督の指導の下、エースFW岩岸宗志主将(3年)や巧みなドリブルでチャンスを作り出すMF尾崎佳洋(3年)、県予選13ゴールのFW西部悠大(3年)、守備の柱・小平大輔(3年)ら今年も夏から個々が進化している。その彼らがテンポの速いパスと切り替えの速い守備などで試合の主導権を握り、ライバルたちを上回って県予選を突破した。

 県予選では指揮官の経験値の高さも勝利の要因に。準決勝では河﨑監督の指示で左右のSHを入れ替えた直後にその2人が絡んで決勝点。決勝戦ではそれまでジョーカーとして起用していたレフティー、MF有馬大勢(3年)を先発起用すると、その有馬が先制点に絡む活躍を見せるなど4-0で快勝した。

 経験豊富な指揮官の存在はチームにとって大きい。加えて偉大な先輩の存在が選手たちの刺激になっている。今年はOBの本田がロシア・ワールドカップに出場。セネガル戦でW杯3大会連続となるゴールを決めた。岩岸は「ワールドカップのピッチに3度連続で立つというのは並大抵の努力ではないと思うので、そこは見習わないといけない。少しでも追いついて、将来追い越せるように」と語っていたが、先輩の活躍から学び、自分たちも成長を目指してきた。

 東京ヴェルディジュニアユース出身の有馬は「本田選手の出身校ですし、河﨑先生に教えてもらいたいのがありました」と星稜への進学理由を口にする。また、注目の1年生MF川本虎太郎は「元々、ユースか星稜と考えていた」と北海道から星稜へ。河﨑監督は本田の自己主張の強さや練習姿勢を選手たちに共有しながら、熱量のある指導を続ける。選手たちは指揮官から挨拶、気遣いの部分から学び、選手、人間として成長。その成果を選手権で表現する。「全国制覇を目指すけれど、まずは一戦一戦を大事に」(岩岸)。名将、OBから学ぶ星稜が再び冬に輝く。

取材・文=吉田太郎

By 吉田太郎

サッカー専門媒体を中心に、主に育成年代の取材活動を展開。

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