ホーム開幕戦で勝利を挙げた湘南ベルマーレ [写真]=SHOKO
6月7日、神奈川県・小田原アリーナで行われたメットライフ生命Fリーグ2025-2026 第2節で湘南ベルマーレとバサジィ大分が対戦した。
開幕戦を落とし、連敗は避けたい両者。ホーム開幕戦を迎えた湘南は、序盤から積極的にゴールを狙うと、4分、籔内涼也のゴールで先制に成功する。14分にはFKの流れから堀内迪弥が追加点を挙げ、2-0で第1ピリオドを折り返した。第2ピリオドでは立ち上がりに大分がカウンターを仕掛け、仁部屋和弘のシュートがこぼれたところに鬼塚祥慶が詰めて1点を返すと、取っては取られる攻防がつづく。32分、10シーズンぶりに湘南に復帰した安藤良平がゴールを挙げると、大分はパワープレーを開始。しかし、追撃及ばず6-3で試合が終了し、湘南が今季初勝利を挙げた。
敗れた大分の狩野新監督は「湘南が作ってくれた素晴らしい雰囲気の中で試合ができて楽しかった」と感謝の気持ちを述べつつも「終始、湘南のペースだった。自分たちのやるべきことの徹底が課題」と悔しさをにじませる。昨季とは大幅に選手構成が変わり、チームづくりでの苦戦が垣間見える試合だったが「準備期間が短い中でしっかりみんなでやってきた感覚はある。ただ、ゲームに入ると全体に浸透していないと感じた。その浸透度が選手起用にも現れているので、浸透と経験の両方を底上げしていかないとチームは強くならない。初心に返り、やるべきことをしっかりとやっていく」と展望を語った。
吉田圭吾主将は「僕たちがやらなきゃいけないことが明確に課題として出た。これ以上、負けるわけにいかないし、練習からしっかり向き合っていきたい」と試合を振り返る。昨季はバルドラール浦安でリーグ優勝を経験し、3シーズンぶりに大分に復帰。新たな経験を持ち帰り、どのようにチームをけん引していきたいかと問うと「口で伝えるのが得意ではないので、僕の練習態度や生活態度、試合の振る舞いを他の選手に感じてほしい。言葉ではなく行動で示していく」と決意を口にした。
ホーム開幕戦を勝利で終えた湘南の伊久間洋輔監督は「多くの方々に来ていただいて感謝している」と感謝を述べ「前節は善戦と言われたりもしたが、今シーズンはより結果を求めているので、非常に悔しい思いで今週の練習に取り組んだ。先制点を奪われると苦しい試合になるので、みんな本当に一生懸命守備をしてくれ、2点を先取できたことは成果。ただ、後半の入りでの失点は課題が残ると思う。追加点を奪えることは少し去年より成長しているが、パワープレーの守備でも奪いに行って跳ね返されたので、そのあたりは分析して修正していきたい」と試合を振り返る。
主将の高橋広大は「前節でも個人的に相手の脅威になれていなかったし、今日も自分のところでもミスがあり失点をしてしまった」としながらも、強烈なミドルシュートでチームの勝利に貢献。「アウトレンジからのシュートを増やしていこうと練習から取り組んできたので、自信を持って振り抜いて気持ちよかった」とゴールシーンを振り返る。常にタイトル獲得を目標に掲げているが、昨季は上位リーグの最下位である6位でフィニッシュ。「チームとしての目標はリーグ優勝。そのことしか考えていないので、前節の負けで落ち込んでいる暇もない。全員が同じ熱量で同じ方向に向かっていけば、タイトルを獲れると思っている」と悲願のタイトルへの思いを語った。
10シーズンぶりに湘南に復帰した安藤良平は、攻守にわたる活躍を見せ、この試合のMVPに輝いた。復帰後初のホームゲームを「本当に泣きそうになった。試合が始まる前、ちょっと考え込むと『うわ、涙出てくる』って。みんなが待っていてくれたこともすごく感じて、何が何でも勝たなきゃいけないと思っていたので、グッとくるものを感じながら試合を迎えた」と振り返る。以前の在籍時にはFP6選手で1試合を戦うこともあり、なかなか勝てない苦しい時期を味わった。そういった経験を持って名古屋オーシャンズに移籍し、フットサル日本代表にも選出。国内外で数々のタイトルを獲得した経験を持って古巣に復帰し、プレーの幅も広がっている。「ゲームをコントロールし、安定感をもたらす上で役に立てると思っている。監督が求めることを体現しチーム全体の基準を上げることで、湘南は今シーズン、これまで以上に高いステージに行けると信じている」と今後の展望を語った。
【メットライフ生命Fリーグ2025-2026 ディビジョン1 第2節 結果】
シュライカー大阪 2-0 ボアルース長野
Y.S.C.C.横浜 0-1 バルドラール浦安
湘南ベルマーレ 6-3 バサジィ大分
ボルクバレット北九州 1-4 名古屋オーシャンズ
しながわシティ 2-7 立川アスレティックFC
フウガドールすみだ 1-2 ペスカドーラ町田
取材・文=SHOKO
By サッカーキング編集部
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