2016.08.01

VOLUME代表が語る/前編…女性も着られるサッカー・フットサルウェアの先駆け、『SVOLME』誕生のきっかけ

サッカー総合情報サイト

インタビュー・文/池田敏明
写真/兼子愼一郎

 幼少の頃からサッカーに熱中し、大学卒業後も草サッカーやフットサルに興じていた“生粋のサッカー少年”渡邉祐二氏は2006年、自らが着用したいサッカー・フットサルウェアを制作すべく、株式会社VOLUMEを設立。同年6月、新たなサッカー・フットサルブランド『SVOLME』が誕生した。

海外のブランドかと思わせる、蛍光色を取り入れた華やかで斬新なデザインやカラーリング、そして女性がジャストサイズで着られるXSを含めたサイズ展開。『SVOLME』のウェアは瞬く間に人気を博し、誕生から10年を経た今、もはや日本のサッカー・フットサルシーンにおいて不可欠なブランドへと成長を遂げた。

 『SVOLME』は現在、J2リーグの町田ゼルビアとJ3リーグY.S.C.C.横浜、グルージャ盛岡、Fリーグのエスポラーダ北海道、そしてセパタクロー日本代表など、様々なクラブ・団体のサプライヤーとなっている

 またVOLUME社は、モノトーンのデザインが特徴で、サッカー・フットサルの面白さ、楽しさをファッションというフィルターを通して表現する『penetrar』、『SVOLME』をタウンユースアイテムとしてカジュアルアップした『SVOLME OTAK』など、様々なブランドを展開している。

 後発ブランドとしてフットボール市場に参入し、わずか10年間で確固たる地位を築き上げた『SVOLME』。渡邉氏はどのような思いでブランドを立ち上げ、育ててきたのか。サッカーとの関わり、大学時代の意外なエピソード、そしてブランドに込めた思いなどを語ってくれた。

かっこいいウェアがない…自らの思いを形に変えて

――まず、渡邉さんがこれまでにサッカーとどう関わってきたかについて教えていただけますか。

渡邉祐二 出身が東京の西東京市というところで、幼稚園の頃からサッカーをやっていました。中学生の時に、奇跡的に全国中学校サッカー大会に出場することができて、その流れで國學院大學久我山高校に進学。國學院大學でもサッカーを続け、卒業後には地元の仲間で作った『F.C.VENGA』という草サッカーチームに所属していました。とある大会で4年連続優勝するなど、社会人までずっと続けていましたね。

――國學院大學久我山高校に進学した頃は、ちょうど李済華さん(現・総監督)がコーチとして赴任された時期だったそうですね。

渡邉祐二 そうです。高校2年生の時にコーチとしていらっしゃいました。それまでは僕自身、試合からは遠いところにいて、半ば腐っていたんですけど(笑)。李さんがいらっしゃってから試合で使っていただけるようになりました。

――李さんの指導方法は、それまでとは全く違ったのでしょうか。

渡邉祐二 衝撃でしたね。今から21年程前だったんですが、当時で1日2時間しか練習しなかったんです。後で聞いた話では、他の東京都内の強豪校は4時間ぐらい練習するのが当たり前の時代だったんですけど、李さんの下ではアップからダウンまでで2時間でした。今でこそ珍しくないですけど、走りのトレーニングも一切しませんでしたし、「これで勝てるのかな」と(笑)。最初の3カ月間ぐらいは、ひたすら基礎練習のみ。2人1組の技術練習の後に、2対2や2対3、3対3などをやっていました。

――大学は國學院大學に進学されたということですが、その時も体育会サッカー部に在籍していたのでしょうか。

渡邉祐二 そうです。國學院大學は僕らが入学する年に東京都2部から1部に上がって、1年時から試合に出させてもらっていたんですけど、東京都リーグと関東リーグとの差がけっこう大きくて、在学中は昇格することができませんでした。それでも楽しみながらサッカーをやっていましたね。

――ちなみに、学部はどちらだったのでしょうか。

渡邉祐二 経済学部の経済ネットワーク学科という新設の学部でした。アジアの各地域の異文化を勉強していくという内容でした。

――大学時代に学ばれたことで、今に生かされていることはありますか?

渡邉祐二 大学時代は……全く勉強しなかったんですよね。(笑)。でも、学校にはちゃんと行っていましたし、要領がよかったので単位はしっかり取れていました。ただ、最大のミスを犯しまして。

――最大のミスとは?

渡邉祐二 卒業するという時に、1科目2単位分足りないことが発覚しまして(笑)。単位がしっかり取れていると思い込んでいたので、授業に出ないで単位を落としていたら、最後に大どんでん返しで。だから大学には5年間通いました(笑)。ちなみに、3年次までに取得すべき単位はほぼ取っていたので、4年次、5年次では週に1日ずつしか授業がないという日々でした(笑)。

――それ以外の日はどのように過ごしていたのでしょうか。

渡邉祐二 4年生の時は部活もありましたし、学校に行くことが多かった気がします。5年の時は、卒業後に就きたい職業が見えていたのと、学費を稼がなければならなかったので、アルバイトを掛け持ちしていました。ラフォーレ原宿に入っていた、『アドバンスチキュー』というベルギーのデザイナーの洋服を取り扱うショップで働いていたんですけど、朝11時からフルに入った後、夜は青山で知り合いがやっているバーで勤務しました。

――当時からアパレル業界で働くことを考えていたのでしょうか。

渡邉祐二 そうです。大学時代は『コム・デ・ギャルソン』が好きだったんですけど、大金をはたいて商品を買ってきて、服を全部ほどいて、生地をその型どおりに切って洋服を作っていました。シャツとかパンツとか。でも、あまりに下手すぎるから、もう少し勉強しようかなって。変わった体育会サッカー部の選手でしたね(笑)。それで大学卒業後に、文化服装学院という服飾の専門学校に通いました。1年間のコースで、入学して4月の段階で、いきなり洋服を作り始めるんですよ。ワンピース、シャツ、パンツ、スカート、コート、そして卒業制作。これはだいたい2年間かけてやるような内容なんですが、1年間でギュッと凝縮してやりました。

――文化服装学院を卒業された後は、どのようなキャリアを歩まれたのでしょうか。

渡邉祐二 大学時代には普通に就職することを考えていた時期もあったんですけど、その後は大手企業に興味がなくなってきて、モノをしっかり作れる会社に惹かれるようになりました。とは言えしっかりリサーチして自分が行きたい会社を見つけているかと言えばそうでもなく、友達とファッションショーみたいなことをして過ごしていました。そんな時にフットサルの繋がりで、海外でアパレルを生産して日本の会社に納品するGIPという会社で仕事をしている方と出会い、その会社に就職することになりました。15人ぐらいの小さい会社だったんですけど、そこで生産管理と営業の仕事をしました。

――その後、VOLUMEを立ち上げることになるのでしょうか。

渡邉祐二 そうです。その会社に4年弱ぐらい勤めた後、独立しました。本当は3年ぐらいで辞めるつもりでいたんですけど、少し伸びました。

――前職の頃から、サッカー・フットサルブランドを立ち上げるつもりでいたのでしょうか。

渡邉祐二 入社1年目の時はそういうイメージでいたんですけど、僕の職種が109などで販売されている女性向けの洋服を作る会社で、スポーツとは縁遠いところで仕事をしていたんですよ。3年以内に会社を立ち上げたい、という漠然とした気持ちからスタートして、同業、つまり女性向けアパレルのブランドを立ち上げればそのまま数字を作れるんだろうな、という安易な考えもありました。ただ、すごくお世話になっている方々に足を向けるのも嫌でしたし、得意なことは何だろうなといろいろ考えた時に、サッカー・フットサルブランドをやっていこうと。僕自身も当時、東京都リーグでフットサルをしていたんですけど、あまりかっこいいウェアがないなと感じていたので、何かできるんじゃないかと考えたのがきっかけですね。

――ご自身で着たいものを作ったことがVOLUME創業、そして『SVOLME』誕生のきっかけになったということですか?

渡邉祐二 始めはそうですね。それと、前職でレディースをやっていたので、「こういった切り口が女性には好かれるんだ」というのが分かっていたので、女性目線の企画、というのも無意識の中にあったと思います。

――男性も女性も着られるもの、ということですね。

渡邉祐二 そうですね、ユニセックスのイメージで。女性専用のカッティングはしていないんですけど、XSのサイズを女性専用サイズみたいな感じで打ち出して、女性も着られるサイズ展開をしていったのは、たぶん『SVOLME』が最初ぐらいだったと思います。今はどこも作るようになりましたが、当時は全くなくて、そこに力を入れたこともよかったのではないでしょうか。

VOLUME代表が語る/後編…華やかな『SVOLME』ブランドの挑戦とその裏側にある苦悩

株式会社VOLUME
代表取締役
渡邉 祐二(わたなべ ゆうじ)

1977年生7月21日生まれ。小学生の頃からサッカーを始め、中学生の時に全国大会出場。高校は名門、国学院久我山高校サッカー部に入部。その後、大学、社会人とサッカーを続け、20代前半まではサッカー浸けの毎日を送る。また、学生時代から好きだったファッションの世界へ進む為、国学院大学を卒業後、文化服装学園に入学。その後アパレル会社で経験を積み、2006年、株式会社VOLUMEを設立。今年で創業10年目となる。

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