初の開幕戦は「緊張した」と語った宮沢悠生監督[写真]=菅野剛史
半年間限定の特別大会である「明治安田J2・J3百年構想リーグ」が7日に開幕。RB大宮アルディージャはホームである『NACK5スタジアム大宮』に松本山雅FCを迎えての開幕戦となった。
昨シーズンはJ3を戦っていた松本をホームに迎えた大宮。1万1333人が駆けつけ、スタンドは満席に近い状態での一戦となった中、宮沢悠生監督は新戦力のGKトム・グローバー、DF西尾隆矢、MF加藤玄、FW山本桜大を先発で起用。持ち味をそれぞれが発揮し、2ー1で勝利を収めた。
前半に山本のミドルシュートで先制すると、杉本健勇が追加点を奪うことに成功。前半は大宮のペースで試合が進んだが、後半は松本もシステムを変更するなどして対策。1点を返した後は松本が押し込む展開となったが、大宮は逃げ切りに成功した。自身にとって初の開幕戦となった宮沢監督は「めっちゃ緊張した」と率直な感想を。ただ、記憶に新しいジェフユナイテッド千葉とのプレーオフが頭にはあったようで「一番最初に挨拶しに行った時に凄い応援があって、あの悔しさの中、一番悔しかったのは本当にサポーターだと思ってますし、僕が来てあの悔しさを、なんとか喜びに変えられるようにっていう中での開幕戦だったので、そういう意味での緊張感は非常にありました」と心持ちを語った。ただ、「これだけ寒い中に足を運んでくださったサポーターの方々がこれだけいて、前半は良いサッカーができて自分たちが目指していることができた中で、後半あれだけ自分たちで崩れていってしまったことに対して、悔しさもある」と前後半の展開に言及。「それでもズルズルいかずに勝ち点3をサポーターに届けられたってことは、一定の評価になるんじゃないかなと思っています」と、しっかりと耐えて90分間での勝利をおさめられたことを評価した。
昨シーズンはJ1昇格を目指した中で、プレーオフになんとか生き残ったものの、準決勝ではジェフユナイテッド千葉相手に3点をリードしながらも逆転負け。この試合も後半に押し込まれて1点差となったところで、嫌な記憶が蘇った人も少なくないはずだ。宮沢監督は後半について「メンタリティのところだと思っている」とコメント。問題点を3つ挙げ、「やっぱり守りに入ったというか、ミスしたくないっていう感じになってしまったというのが1つ。2つ目はやっぱりバックパスが増えた。これは数字を見ればわかると思うんですけど、無駄なセカンドボールを回収しなきゃいけなくなり、中盤の選手たちが疲弊してしまったっていうのが1つ。3つ目は、前線の選手たちが、より良いサポートの位置を取って、自分たちが相手よりも早くポジショニングを取ることによって自分たちがやっていきたい、繋いでいきたいというサッカーができなかったっていうことだと思う」と、試合を分析した。
それでもしっかりと90分間で勝利を収めて勝ち点3を獲得。新戦力についても宮沢監督は評価し、中盤でボールの刈り取り役となりビルドアップにも加わっていた加藤については「素晴らしいパフォーマンスだったと思いますし、新加入選手の中の1人で、チームにアダプトしようと初日からずっと声を出そうとやってくれてますし、自分の良さを出そうとしてくれてます」と評価。「彼の良さが出てくれば、より自分たちのサッカーに近づくという確信を持ってますので、もっともっとできると思います。ただ今日、本当に素晴らしいパフォーマンスでプレーしてくれました」と高く評価した。また、先制ゴールの山本については「最高です」と先制ゴールを称え、「素晴らしいシュートだったと思いますし、チームのために全力で戦える選手です。J1に引き抜かれた素晴らしい選手たちの穴を埋める、もしくはそれ以上、ポテンシャルを持った素晴らしい選手だと思います」とコメント。「彼みたいな選手がたくさんここに来て、大宮からどんどん世界にスカウトされていくっていうサイクルが、自分たちが目指していることだと思うので、本当に今日は素晴らしいパフォーマンスだったと思いますし、それが1本じゃなくて2本、3本と1試合で決めれるような、90分それが続けられるような選手になっていってほしいと思います。ワクワクするような、そんな選手でした」と、手放しで称賛の言葉を送った。
若手の育成を掲げ、チャンスを与えながらクラブとしてもチャレンジしていくシーズンとなる大宮。開幕戦では高卒ルーキーのFW日高元、大卒ルーキーのFW松井匠がベンチ入りし、松井は終盤にデビューを果たした。宮沢監督は「おそらく日本で初めての試みみたいなものをクラブとして取り組んでいる」とコメント。「日高がベンチに入りましたけど、全然プレゼントしたわけではないです。自分で勝ち取ったもので、そういうのを勝ち取っていくような、チャレンジしていくクラブになっていくっていうのは、凄く大事なんじゃないかなと思います」と、この半年に限らず、“レッドブルグループ”の一角としてのクラブの歩み方を、開幕から見せてくれた。
取材・文章:菅野剛史(サッカーキング編集部)
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