ドルトムントが11年ぶりにCL準決勝進出! [写真]=Getty Images
チャンピオンズリーグ(CL)・準々決勝セカンドレグが16日に行われ、ドルトムント(ドイツ)とアトレティコ・マドリード(スペイン)が対戦した。
今大会、ドルトムントはパリ・サンジェルマン(PSG/フランス)、ミラン(イタリア)、ニューカッスル(イングランド)が乱立するグループFに組み込まれた。開幕節ではPSGに0-2で敗れたものの、以降は3勝2分と無敗で駆け抜け、終わってみれば“死の組”を首位で通過。2シーズン連続で決勝トーナメントへ駒を進めると、ラウンド16ではPSV(オランダ)を2戦合計3-1で破り、3シーズンぶりに準々決勝行きの切符を掴み取っていた。
一方、アトレティコ・マドリードはラツィオ(イタリア)、フェイエノールト(オランダ)、セルティック(スコットランド)と同居するグループEに入ると、4勝2分と無敗で終え、首位での決勝トーナメント行きが決定。2シーズンぶりに進んだ決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)のインテル(イタリア)戦では、ホーム開催のセカンドレグでメンフィス・デパイが終盤に同点ゴールを挙げ、PK戦までもつれ込む死闘を制した。
10日に行われたファーストレグは、ホームの大声援を味方としたアトレティコ・マドリードが2-1で先勝。開始直後に敵陣でのボール奪取からロドリゴ・デ・パウルがショートカウンターを仕上げると、32分にはサムエウ・リーノのゴールでリードを広げる。終盤にはドルトムントの猛攻を受け、セバスティアン・ハラーに1点を返されたものの、きっちりとホームで逃げ切りに成功していた。
セカンドレグは、ホームで逆転を狙うドルトムントが開始早々に決定機を作り出す。中央からドリブルで持ち運んだユリアン・ブラントが左へスルーパスを送ると、カリム・アデイェミがボックス左へ運んで中央へ折り返し、ゴール前へ走り込んでいたマルセル・サビツァーにボールが渡る。しかし、決死の戻りを見せたセサル・アスピリクエタにフィニッシュはブロックされ、得点には繋がらない。
対するアトレティコ・マドリードも直後の5分、自陣からのロングフィードをアントワーヌ・グリーズマンが頭で逸らすと、抜け出したアルバロ・モラタがGKと1対1のチャンスを迎える。GKグレゴール・コベルの位置を見てループシュートを狙ったが、ここは枠を外れた。
キックオフ直後に両チームに決定機が訪れたことで、早々と均衡が破れるかに思えたが、スコアが動いたのは前半も半分を経過した34分だった。ドルトムントは相手を押し込んだ状態のなか、敵陣中央で前を向いたマッツ・フンメルスが右足アウトサイドで浮き球のスルーパスを送る。ボックス左へ抜け出したブラントが縦への持ち出しから左足でねじ込み、ドルトムントが2戦合計スコアを振り出し戻した。
勢いに乗ったドルトムントは続く39分、ボックス左で斜めのパスを引き出したサビツァーがヒールで落とすと、外側から走り込んできたイアン・マートセンが左足で狙い澄ました一撃を沈める。ドルトムントが自分たちの時間で一気に2ゴールを奪い、逆転に成功した。
2戦合計スコアはドルトムントの1点リードで後半へ折り返すと、アトレティコ・マドリードはパブロ・バリオス、アンヘル・コレア、ロドリゴ・リケルメと一気に3枚のカードを切る。すると立ち上がりの49分、アトレティコ・マドリードが左コーナーキックを獲得。グリーズマンがファーサイドへ高めのボールを蹴り込むと、フリーになったマリオ・エルモソが頭で折り返し、ボールはフンメルスに当たってゴールに吸い込まれる。今度はアトレティコ・マドリードが同点に追いつき、流れを引き寄せた。
さらに64分、アトレティコ・マドリードは敵陣をドリブルで突き進んだデ・パウルが後ろへ落とすと、グリーズマンが浮き球のボールを供給。ペナルティエリア右でボールを受けたコレアが縦へ突破し、マイナスへ折り返すと、走り込んできたリケルメが右足で合わせる。このシュートはGKコベルに阻まれたものの、1度、2度とこぼれ球にコレアが詰め、ゴールネットを揺らした。試合の流れを引き寄せたアトレティコ・マドリードが、2戦合計スコアを4-3として勝ち越しに成功した。
このままアトレティコ・マドリードが逃げ切ることも想像されたが、ドルトムントはホームスタジアムに駆けつけたファン・サポーターの大声援を背に、ここから再び反撃に出る。71分、ブラントからのスルーパスで左サイドのスペースへ走り込んだサビツァーが左足でクロスボールを送ると、ニアサイドへ飛び込んだニクラス・フュルクルクがヘディングシュートを決める。再びスコアはタイとなり、試合はわからなくなった。
直後の74分には、エムレ・ジャンが右足でロングフィードを送ると、ボックス左で反応したブラントが中央へ繋ぎ、フュルクルクにチャンスが到来するも、ここはブロックに遭って仕留めきれない。だが、セカンドボールを拾ったサビツァーは横へ持ち出してシュートコースを作り、左足で狙い澄ました一撃を突き刺す。今度はドルトムントが2度目の逆転を達成した。
試合はこのままタイムアップ。どちらに転ぶかわからなかったシーソーゲームはドルトムントに軍配が上がった。ユルゲン・クロップ監督(現:リヴァプール)の下、決勝進出を果たした2012-13シーズン以来、11年ぶりの準決勝進出を果たした。一方、アトレティコ・マドリードは敵地で流れにあわせた戦いを見せたものの、今季のCLはここで終戦。7シーズンぶりのベスト4入りとはならなかった。
この後、ドルトムントは準決勝でパリ・サンジェルマン(PSG/フランス)との、グループステージ以来の“再戦”に臨むこととなる。ファーストレグは4月30日または5月1日の開催予定だ。
【スコア】
ドルトムント 4-2(2戦合計:5-4) アトレティコ・マドリード
【得点者】
1-0 34分 ユリアン・ブラント(ドルトムント)
2-0 39分 イアン・マートセン(ドルトムント)
2-1 49分 マッツ・フンメルス(OG/アトレティコ・マドリード)
2-2 64分 アンヘル・コレア(アトレティコ・マドリード)
3-2 71分 ニクラス・フュルクルク(ドルトムント)
4-2 74分 マルセル・サビツァー(ドルトムント)
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By サッカーキング編集部
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