[ワールドサッカーキング 1018号掲載]
最近、ツイッターでハッとする意見を目にしました。「クリエイターよりマネージャーを優遇すると国も会社も滅びるよ」とは、映画評論のみならずアメリカ文化批評などでも活躍中の町山智浩さん(@TomoMachi)のツイート。
曲がりなりにもクリエイターの端くれのつもりながら、実際は管理職として会社生活を送る身には鋭く刺さる言葉であります……。が、それはさておき、これはサッカー界にも当てはまる指摘ではないでしょうか。この場合、「クリエイター」は選手や監督ら現場スタッフであり、「マネージャー」はSDやGM、クラブのオーナーや経営陣です。「サッカーは誰のものか」という議論には様々な答えがありますが、ゲームがなければ何も生まれないという点で、一義的にはやはり選手・現場のものでしょう。
2000年代以降、豪華な補強や派手な世界戦略で世間を驚かせるクラブが誕生する一方、破綻をきたし没落するクラブも目につくようになりました。そのフロントでは往々にして「クリエイター」の世界を知らない「マネージャー」が威光を発していたように思います。
国も会社も、サッカーも。大きく複雑になるにつれ「そもそも何が大事か」という本質が見えなくなるか。「クリエイター」軽視はその兆候に思えます。
ワールドサッカーキング編集長 前田 拓(twitter:@otsumamiking)