2011.12.28

【インタビュー】ロリー・デラップ「ブリタニアに懸ける虹」

 昨シーズンのFAカップ準優勝、ヨーロッパリーグでの予想以上の大躍進、ストークのこれらの成功は、ロリー・デラップの“長距離砲”抜きには語れない。チームを牽けん引いんする35歳は、今日もブリタニアのピッチに美しい虹を懸ける。

デラップ

インタビュー・文=クリス・ヘザラル 翻訳=田島 大 写真=フォトスポーツ

君に話を聞く上で「ロングスロー」について聞かないわけにはいかない。まずは、あのミサイルのようなロングスローが生まれたきっかけを教えてほしい。

デラップ あれは自然に身についたものなんだ。僕が最初に所属していたカーライル時代にはもう投げていた。つまり、16歳の頃にはロングスローを投げていたということさ。初めてゴールをアシストしたのは、確かユース時代のリヴァプール戦だったと思う。2-2の同点で迎えた試合終盤、僕がスローインを入れようとしたら、ゴール前でフリーになっているFWと目が合ったんだ。それで思いっきり投げてみたら、ボールが味方まで届いてヘディングシュートが決まった。それ以降、頻繁に投げるようになったというわけさ。

スローインの飛距離を伸ばすために何か特別な練習はしている?

デラップ 今は特別な練習はしてない。これまでは何人ものコーチから色々な練習を試すよう言われてきたけどね。そう言えば、メディシンボールを投げろと言われて肩を痛めてしまったこともあったな(笑)。まあ、この肩は生まれ持ったものさ。

若い頃はやり投げの選手だったと聞いたけど。

デラップ 確かにやり投げをやっていたことも大きいと思う。だけど、サッカーに専念するために14歳か、15歳でやめている。やっぱり生まれつき肩が強かったんだよ。だって、やり投げの技術なんて何も知らないまま、40メートル近く投げていたんだからね。

デラップ
デラップのロングスローはストーク最大の武器。昨シーズンは彼のロングスローの3本に1本がチームの決定機に結びついたとのデータも残っている

君はキャリアを通じてロングスローを武器としてきたの?

デラップ いや、常にというわけじゃないんだ。例えばダービー時代なんかは、チームに体の大きな選手がパウロ・ワンチョペぐらいしかいなかったから、ボックス内にロングスローを入れるよりもライン沿いに普通に投げることのほうが多かった。ストークに来るまで、明確な武器として多用することはなかったよ。だからこそ今になって注目を集めているんだと思う。

相手チームは今も君のロングスローに驚いている?

デラップ さすがにもうないね。もう企業秘密って感じじゃない。大半のチームが映像を見て対策を練ってきてるよ。でも、どんな対策をしても、うまくいった時は防ぎようがないと思うんだ。相手がどこであろうと、狙った場所に投げられれば大きな武器になる。

ロングスローの利点は何だろう?

デラップ ボールを手で扱う分、CKよりも精度が高い。それと、山なりではなく直線的に投げれば相手にとってはクリアしにくいんじゃないかな。ストークでは長身選手を2人ほどゴール前に並べて、そこを狙うようにしている。

ロングスローばかりクローズアップされることは本意じゃない?

デラップ もちろん、僕の武器はロングスローだけじゃないけど、長所は生かすべきだと思っている。ストークにとってロングスローはアイデンティティーであり、武器だからね。機能しさえすれば、僕も監督も周囲の評判は気にしない。「ロングボール主体」というレッテルを貼られるのは喜ばしいものじゃないけど、前にブラジル代表のロベルト・カルロスがロングスローを投げているのを見て、少し安心したのは確かだよ(笑)。